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高防御

「何か、話し声が聞こえたような……?」


そのプレイヤーは『消音』をつかって足跡を消しながらカイとミナミの後ろから近づいてくる。そして、消えていたカイに躓いてこける。カイに覆いかぶさるようにうつぶせで倒れる。


「何? あっ! 『見破る』!」


姿を消しているのだと察したプレイヤーは『見破る』を使って消えていたカイたちを視認する。

ミナミは短剣を構える。カイはこけるのに巻き込まれたせいですぐに攻撃できないと気づいたからだ。


「……あれ? その後ろ姿はカイさんですか?」


プレイヤーは下敷きにした男が良く見知った顔だと気づき、ほっと息をつく。


「ああ、とりあえず降りてくれ。ノワール。それに彼女は知り合いだから武器を降ろしても大丈夫だ、ミナミ」


あ、すみません。と慌ててノワールはカイから降りる。ミナミもその様子を見て安心した様子で武器を降ろす。


「いてて。しかし、よくここまでこれたなノワール」

「ここまでこれたというか、私のスポーン位置がここからあまり離れていないんですよ。最初の方にばれないように『極大暗黒弾』を放って何人かのプレイヤーを狩った後、じっと隠れてましたから。……それよりもそちらの方は?」


ノワールはミナミを怪しそうな目で見る。


「ああ、こいつは『ミナミ』でこのイベント中に知り合ったんだ。まあなんだ、こいつが死ぬと俺も死ぬから一緒に行動してるって感じ」

「どういうことですかそれ。詳しく」


カイはノワールに事情を話す。ノワールはなるほどと納得してミナミと会話する。


「ええと、ミナミさん? そのアイテムを外すことはできないんでしょうか?」

「できるよー。でも外さない。外したら殺されちゃうかもしれないからねー」

「もう殺さないって。これだけ仲良くなって殺したら流石に気分が悪いだろ」

「君はそうかもしれないけどー。この子はわからないじゃない? だからもうちょっとだけね」


その言葉にむむむ、とノワールは口を膨らさせてミナミを睨む。しかし、観念したようで。



「はあ、分かりました。でもカイさんの足は引っ張らないで下さいよ」

「引っ張らないってー。まあよろしくね」


ミナミはノワールに透明化のポーションを飲ませると3人でじっと息をひそめることになった。




それから十数分後、残り時間が1時間を切ったとき、三人のもとに一人のプレイヤーが向かっていた。今度は気づく。カイたちはばれないように息をひそめる。が、その女性は辺りを見渡すと『見破る』を使って、カイたちの姿を視認した。


「なるほど、消えるプレイヤーもいるということか。勉強になった。ありがとう、そしてさらばだ」


そう言うと彼女は巨大な大剣を振りかぶる。とてつもない攻撃が来ることはカイにもわかっていた。慌てて、『魔獣使いの咆哮』を放つ。隣にいたノワールとミナミが木にぶつかる。それと同様に、大剣使いの女性も奥の木にぶつかっていた。



「すまん、二人とも!」


カイはそのプレイヤーに向かって走る。こういった強いプレイヤーに出会うと当然逃げるのが得策だが、ノックバックを与えてしまった二人を置いていくことはできない。そもそも、逃げ切れるほどの足がないと思っていたのもあるが。



「幸い、攻撃力も減少している。今なら何とかなるかもしれない。『フレイムブレス』」



カイは『フレイムブレス』を放つ。女性はふん、と立ち上がると体を守るように剣を前に出して立つ。


「『バトルスイッチ』」


そう言って彼女は正面から『フレイムブレス』を食らう。



「やったか!?」



「やっているわけないだろう。どう考えても」



炎の中から出てきた彼女のHPはほとんど減っていなかった。


「『バトルスイッチ』。はぁあ!」


彼女が振るった大剣がカイに直撃する。カイはその攻撃で、ノワールたちがいるあたりまで吹き飛ばされた。

HPは1割を切っていた。ミナミとHPを共有していなければ死んでいたし、『魔獣使いの咆哮』を入れていなくても死んでいた。

ミナミとノワールが駆け寄る。


「大丈夫ー? はいこれ。HPポーション。それじゃあ僕も戦ってみますかー」



そう言うと、ミナミはポケットから爆弾を取り出す。


「じゃあ行くよ。それーそれそれー!」


ミナミは取り出した爆弾を大剣の女に投げつける。



「ふん、下らんな。『バトルスイッチ』」


そう言うと再び、剣で攻撃を防御する。



「私も行きますね。『アイシクルランス』!」


ノワールの氷魔法も追撃する。しかしそれらの攻撃を食らっても彼女はぴんぴんしていた。

カイもHPを回復させるとその攻撃に参加する。



「くそ! 『バインド』!」


しかし、彼女は何ともない。



「当然、耐性もオールⅤだ」



それを見た、ミナミは禍々しいオーラを放つ短剣を構えると、彼女めがけて、突っ込む。



「無駄だ、返り討ちにしてやろう。『バトルスイッチ』!」

「いまだよ。魔法を使ってみて」


ミナミの指示に慌ててノワールは短い詠唱で放てる『ファイア』を彼女めがけて打つ。



「ちっ! 『バトルスイッチ』!」


そう言うと彼女はファイアを直撃する。当然ダメージはない。だがその隙にミナミが攻撃を仕掛ける。

女性の体にその刃が当たる。しかしダメージはほとんど入らない。そのまま、女性が振るった大剣によってミナミの体は弾き飛ばされる。


「ミナミ! 大丈夫か」

「大丈夫。それよりもほら、HPを見てみて」


カイがHPを見ると、ミナミがあの大剣の攻撃を食らったのにもかかわらず自身のHPはほとんど減っていなかった。


「たぶん、『バトルスイッチ』は攻撃力と防御力を入れ替えるスキルなんだよー。あの防御力なら『ファイア』ごとき食らっても問題ないはずなのに、慌ててたし」


その言葉に女性が答える。


「ご名答だ。このスキルは攻撃力と防御力を入れ替える、私だけのスキルだ」

「では、タイミングよく攻撃すればダメージを与えられるということですね」

「まあな、だがこのスキルを練習して使いこなせるようになった私に死角はない!」


『バトルスイッチ』と呟いたその女性は再び攻撃側に回ることとなった。



……が、数秒後彼女は再び『バトルスイッチ』を使って攻撃を耐えていた。



というのも、3対1である。ノワールが連続で魔法スキルを放って、彼女をつねに防御モードにしている。MPが切れそうになると、今度はカイが魔法スキルを使って動きを止める。その間にミナミがノワールにMPポーションを渡しているため攻撃のやまない永久機関となっていた。




☆☆☆☆☆☆


魔法スキル『消音』

・クエストクリアで獲得

《足音を消すことができる》


固有魔法スキル『バトルスイッチ』

・攻撃力が100以下で防御力が300を超えている状態で、それと同等の防御力を持つモンスターを討伐する。

《攻撃力と防御力を、魔法攻撃力と魔法防御力を入れ替える。もう一度使うと元に戻る》


魔法スキル『アイシクルランス』

・氷の槍使いのドロップスキル

《氷の槍を投げつけて攻撃する》



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