最高位レイドモンスターへの挑戦
次の日、カイはマリンに頼まれたスキルを作っていた。マリンは最高位レイドモンスターの攻略記事を読みこんでいたので、どんな攻撃を仕掛けてくるかは把握している。それ用のスキル作成を頼まれたのだ。
ちなみに、バロックとマリンは再び、魔獣を狩りに行っている。昨日の間に30枚は集まったがそれでもまだ足りない。そのため、二人だけで狩りに行っていた。
「ええと、とりあえず、炎、氷、風、闇の耐性Ⅴはいるって言ってたな。これはすぐ作れる。ギルドのお金もまだまだあるし、全員分作るか。後はアンチフィールド系か」
そう言ってカイはスキル屋にスキルを買いに行く。マリン的にはすべての状態異常の耐性をつけておくのがベストだが、アンチフィールド系で補えると考えた。とはいえ、マリンだけではMPが尽きてしまったときに面倒なことになりそうなのでもう一つ、カイにも覚えてもらっておくことにした。
カイは4属性の耐性とマリンに作ったフィールド系のスキルを作っていく。
「後は……、『飛翔』×2『見破る』×4『氷葬の一撃』か。『見破る』はマリンが見せてくれたし、簡単に作れそうだな」
カイは『スキルマテリアル』を開く。
『探知』+『???』→『見破る』
ふむふむ、とカイは『???』に『スキルサーチ』を使う。
『気配斬り』+『嗅覚上昇』→『???』
「『嗅覚上昇』はともかく『気配斬り』がいるのか……。こりゃ結構な金額がかかりそうだな」
『気配斬り』はレアドロップスキルである。当然購入するにはそれ相応の金額が必要になってしまう。
カイはスキル屋で何とか4つ購入する。そして、『気配斬り』と『嗅覚上昇』を合成する。
すると、『気配り』が合成される。
「『気配り』!? こんなん、100ゴールドもかからずに購入できるじゃねえか!!」
最悪だ、『スキルサーチ』はこういうことがあるのか……と、カイは落ち込む。『気配斬り』を4つ購入したことを後悔しながら、『気配り』を購入するために再びスキル屋に走る。
スキル屋で『気配り』を購入すると『探知』と『気配り』を合成して『見破る』を作り出した。
魔法スキル『見破る』
・レアモンスター、インビジブルゴーストを討伐する。
《透明になったモンスター、プレイヤーを見ることができる》
「そういや、透明になるって聞いたな。これを使ってないと確かにしんどそうだな。……さて、次は『飛翔』を作りたいんだけど……。これも結構なレアスキルだったよな。確か、ソラが持っていたな。仕方ない。見せてもらうか」
カイはソラにメッセージを送る。するとすぐ返事が返ってくる。どうやらソラはすぐ近くにいるらしいので
そのまま合流した。
「それで、『飛翔』が見たいんだっけ? 別にいいけど。このスキルが必要ってことはもしかして、最高位レイドモンスターに挑戦するつもり?」
「ま、まあな。一応記念にって感じではあるけど。挑むなら万全の状態で挑みたいじゃん」
わかったよ、とソラは『飛翔』を使う。それに合わせてカイは『スキルマテリアル』を使用する。その後、少しだけ立ち話をしてカイはその場を離れた。
ギルドハウスに戻るとカイは『スキルマテリアル』を開く。
『跳躍』+『???』→『飛翔』
カイはラッキーと思い、『跳躍』と『飛躍』を購入しに行く。『飛躍』は『飛翔』を獲得するために必要なスキルなのでこれにあたりをつけていた。そして、これらを購入すると合成する。わかりきっていた合成なので当然、『飛翔』が作成された。
魔法スキル『飛翔』
・速さが100を超えた状態で、フライングラビットを『飛躍』を使用した状態で地面に足をつけずに連続で10体討伐。
《10秒間空を飛ぶ》
後は、『氷葬の一撃』か。確か『獄炎の一撃』の亜種だったよな。ってことはそれと同じように合成するのが手っ取り早いかな。カイは『獄炎の一撃』の作成方法を思い出す。
『火炎剣』+『木の祈り』→『獄炎剣』
『獄炎剣』+『破砕撃』→『獄炎の一撃』
それなら、『氷葬剣』と『破砕撃』の合成でできるだろうと考え、『氷葬剣』を購入しに行く。が、
「まじか、『氷葬剣』売ってないのか!?」
運悪く、『氷葬剣』が市場に出回っていなかった。そもそも、『氷葬剣』は『獄炎剣』と同様、クエストで獲得できるスキルである。そのため市場に出回ることは非常にまれである。ギルドに戻ったカイは『氷葬剣』を合成しようと考えていた。
「『氷結剣』は作ってある。それに合成するのはたぶん、『氷結剣』を獲得するときに討伐する必要があるモンスターのレアドロップスキルだ。なんだったかな」
カイは攻略サイトを開いて調べる。ウォータースライムであることが分かったカイはギルドを飛び出して、ひたすらウォータースライムを狩り始めた。
結果、ウォータースライムのレアドロップスキル『水の祈り』が手に入ったのは日をまたいだころだった。
カイはギルドに戻ると、『水の祈り』と『氷結剣』で『氷葬剣』を。『氷葬剣』と『破砕撃』で『氷葬の一撃』を合成した。
次の日、イベント最終日。バロックは武器の制作を、カイはこまごまとしたスキルの作成を行っていた。マリンはアイテム購入に出かけた。すでにノワールとブランには説明してある。10時ごろ合流して、最上級レイドモンスターに挑戦する予定だ。
それぞれがそれぞれのことをやること2時間。約束の10時となった。ブランとノワールがやってくる。ブランはイベント100位以内がほぼ確定した。ノワールも毎日コツコツやっていたおかげでギルドの中では2番目によい成績となりそうであった。
「ほら、ブラン。『氷撃の短剣』と『風撃の短剣』だ。俺が作れる中では最高傑作に近いぞ。……しかし、作れたのはこれと全員分の盾くらいだ。それだけで大丈夫なのか?」
「ええ。装備品は購入できる分で何とか。ただ、アタッカーの火力が欲しいのでブランちゃんに武器を作ってもらったの」
「こっちも頼まれていたのはできたぞ。それぞれ言われた通り渡せばいいんだよな」
「ありがとう。お願いするわ」
カイはマリンに頼まれていた通り、すでに持っているマリンを除く全員に『見破る』を、バロックとブランに『飛翔』を渡した。『氷葬の一撃』はブランに渡す。さらに全員にそれぞれの属性の耐性、ブランを除く全員に『防御力アップⅥ』、ブランには『攻撃力アップⅥ』と『反攻Ⅴ』を渡す。
「よし、準備は整ったわね。じゃあさっそくイベント広場に行きましょう!」
第一回イベント最終日、カイたちは最高位レイドモンスターの討伐へと向かっていった。
☆☆☆☆☆☆
魔法スキル『探知』
・スキル獲得イベントをクリア
《目視できる状態のプレイヤーと敵の位置が一瞬分かる》
技スキル『気配斬り』
・ガーリィソルジャーのレアドロップ
《使用後、一度だけ死角からの攻撃にカウンターを打てる》
魔法スキル『嗅覚上昇』
・プライスレスレストランで食事をするとまれに獲得
《嗅覚が上昇する》
魔法スキル『気配り』
・気弱いスライムのドロップスキル
《ポーションがなくなっていた時、町の外に出ようとすると警告音が鳴る》
魔法スキル『跳躍』
・エスケープラビットのドロップスキル
《高くジャンプする》
魔法スキル『飛躍』
・フライングラビットのドロップスキル
《使用者に跳躍力上昇を付与》
技スキル『氷結剣』
・氷属性の剣で、一日の間にウォータースライムを20体討伐する。
《冷気をまとった剣で攻撃》
技スキル『氷葬剣』
・『氷結剣』を所持した状態で受けられるスキル獲得クエストをクリア。
《氷結剣よりも威力の高い炎をまとった剣で攻撃》
技スキル『氷葬の一撃』
・装備が剣のみの状態で、ブレイクスライムを『氷葬剣』でとどめを刺す。
《すべてを凍てつかせる氷の斬撃》
特性スキル『反攻』
・HPが10%以下でモンスターを5体連続で討伐
《HPが低ければ低いほど攻撃力が上昇。最大8%。※ランクが上がるごとに最大倍率8%上昇》




