仲良くなれたのに
自分のご機嫌とりが上手いオレは、日々成長しております。
ダイエットも部活も。
部活は中途入部だったオレだけど、初心者だとは思えないってキャプテンは、大絶賛してくださっております。
スカウトしてくださったわけですし、ここは恩返ししなきゃですよね。
なので部活の紅白戦でオレは、とある技を披露いたしました。
デカくてデブなオレですが、実は自分でいうのもなんですけど、動きがキレッキレなんです。
だから、瞬時に右からの左に方向転換なんてのもお手のものなんですよ。
そこで、おぉ〜ってひと歓声いただきまして、さらに一気に二人抜きなんてものお手のもんなんです。
バスケがこんなにも楽しいとは思いませんでした。
そしてさらに高身長なおかげで、仲間が外しそうになったボールをひょいっとゴールに入れたりもできちゃうんです。
これまたみなさまからのご声援をいただきましたよ。
おかげで、本日の部活の紅白戦は拍手喝采でございました。
「いや〜、広大くん!良いものみせてもらったよ」
と、キャプテンは大喜びだった。
少しは、恩返しできたかな?
そんな次の日、波瑠音ちゃんは登校して早々に、
「昨日の男バスすごかったね!わたしもあんなすごいプレイしてみたい」
って、朝から興奮気味だった。
おおぅ、これは好印象なんじゃね?
このまま痩せて、運動も完全復活すれば波瑠音ちゃんだってきっと…
オレは隣の席になれたおかげで波瑠音ちゃんとかなり仲良しになれた。
この前なんて波瑠音ちゃんの方からいきなり、
「あの先生の授業暇だよね。無駄なはなし多いし。ねぇ、雑談しよ?」
なんて言ってきてくれたんですよ。
だから、雑談が始まったわけなんですけど…
「わたしは、来世なにになるでしょう?」
と、言ってきたんですよ。
「え?なにになりたいとかじゃなくて、なる決定?」
「うん、そう!なる‼︎なってみせる‼︎この前めちゃくちゃいいことひらめいたの!」
って意気込んでいた。
なんだろう…?
いがいと難しい。
…
「えー、じゃあヒント」
「ヒントは、かわいい動物」
「うさぎ!」
「惜しい!」
「いぬ」
「あー、近い!」
「ねこ‼︎」
「あったり〜。でもただの猫じゃないよ?」
「高級猫?」
「ううん」
「あ、招き猫」
「ブブー」
「三毛猫!」
「あー、そういう種類とかじゃないかな」
「お金持ちの猫‼︎」
「あー、惜しい」
「じゃあ、飼い主がイケメン」
「残念。正解言っていい?」
「うん…正解は?」
「獣医さんのペット」
「おー、それはナイスアイデアだね」
「でしょ?猫かわいいし、いいよねー」
「うん。めっちゃいいわー」
オレは、波瑠音ちゃんが猫だったらって想像していた。
あー、めっちゃかわいいんだろうなぁ。
「…そういや昔…」
「昔?」
「あ、ううん。なんでもない」
「そう?」
「うん。」
あぶねー。
昔猫飼ってたよね?っていうところでしたよ…。
油断していると、いつかボロが出てしまいそうで怖い…。
もうちょっと痩せてから、申し出たいんだよなー。
なんて悠長なこと言ってたら…
なんと、とんでもないものをオレはみてしまったんですよ…。
放課後…波瑠音ちゃんがさ…まさかの男子バスケ部のキャプテンと一緒に帰っていたんですよね。
…
まさか…
まさかいつのまにか波瑠音ちゃん…
好きな人できちゃったんじゃね⁉︎
てか、キャプテンと付き合ってんじゃね⁉︎
…
あの二人なら…お似合いですよね。
でさ、よくよく二人を観察していると…
たまにアイコンタクトしてない?
よっす、的な挨拶っていうの?
なんか…今まで気づかなかったけど…ね…
でさ…オレはまた聞きたくもない情報を耳にしてしまったんよね。
どうやら波瑠音ちゃん…好きな人が過去の人じゃなくて、この学校のだれかになったって。
完全にキャプテンやん…。
…
でもさ…オレは部活辞めないし、ダイエット続けるからね…。
でもなんのために?
目的は?
…
…
続く。




