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セノキョン探偵倶楽部 消えた肖像 B面

八代「・・・私達をどうする気ですか?」

瀬能「どうするつもりもないですけど、ま、怖い顔しないで。」

八代「私はどうなってもいいです!でも、・・・・先生は関係ありませんから!」

十朱「・・・。」

瀬能「・・・そういう訳にもいかないでしょう?・・・正直、手を持て余す事態になってしまいましたが。」

八代「どうするつもりもないなら、関係ないなら、帰して下さい!・・・私達とあなたと何も関係ないでしょ!」

瀬能「落ち着いて。・・・一回、落ち着いて下さい。」

八代「あん」

ガン

十朱「妙ぇ!」

瀬能「落ち着いてって言っているでしょう。・・・私、あまり暴力を振るいたくはないのですが、騒ぐようなら、騒げないようにしますよ?あ、言っておきますけど、女だからと言って容赦はしませんよ?」

十朱「妙、大丈夫?・・・」

八代「・・・う、ん。」

十朱「・・・あなた、何者なんですか?いったい、私達に何をしたいのですか?」

瀬能「・・・う~ん。私もどこから話せばいいか困っているのですが、元はと言えば、あなた、えっと、ヤシロさんでしたっけ?」

八代「・・・ヤツシロ」

十朱「ヤツシロです。」

瀬能「ああ、八代さん。あなたが、行先も告げずにいなくなるから大事になったのでしょう?」

八代「・・・。」

瀬能「今更、過ぎた話をほじくり返した所で、大した意味もありませんから、それは目をつぶりますが。

ええ。私、瀬能杏子と言います。

警察でも何でもありません。

あなたの同級生に頼まれて、八代さんの所在不明の件を調べていた、者です。」

十朱「・・・探偵?さん」

瀬能「いえ、探偵とか興信所の類の人間でもありません。単純に、あなたの同級生に頼まれて、所在を調べていた、だけです。生徒達は、失踪事件なんて言っていますが。」

八代「私、・・・失踪事件とか言われてるんだ。」

瀬能「ええ。しかも、学校の七不思議にされていますよ?」

八代「・・・七不思議?」

瀬能「私は又聞きですが、三十年前、この学校で女子学生が失踪したんだそうです。しかも、学校に飾られていた正体不明の女子学生の肖像画も一緒に、消えてしまった。それが怪談話として伝わり、学校七不思議、『同時に消えた、女子生徒と肖像画』。・・・八代さん、あなたは今、三十年前ぶりに起きた、女子生徒と肖像画の失踪事件として、面白おかしく、吹聴されていますよ。現代の学校七不思議だって。」

八代「・・・どういう事?・・・本当なの?先生。」

十朱「・・・。」

瀬能「・・・あなたが急に学校に来なくなって、しかも、所在が不明。事件かも事故かも分からない、この状況で、失踪だ、蒸発だ、神隠しだ、と生徒の皆さんは、面白く尾ひれ腹ひれをつけて、学校の七不思議だなんて言っているんです。」

八代「・・・言わせたい奴には言わせておけばいい。・・・ほんと、くだらない。」

瀬能「さっきも話した通り、私は、警察でも何でもありません。法律とか、そういうのであなたを、あなた達をどうこうしようとするつもりもありません。・・・それに、正義面して正論を吐こうとも思ってもいません。」

十朱「・・・じゃあ、あなたはいったい、何なんです?」

瀬能「・・・八代さん。あなた、今なら、まだ、“家出”という口実でなんとか取り返しがつきます。・・・やり直しが効くんです。」

八代「・・・ほら?正論を言わないとか言ったクセに、上から説教する。・・・あんた、反吐が出るのよ。」

瀬能「別に、私はあなたの事だけで、言っているのではありません。・・・あなた一人の問題じゃないから、言っているんです。」

十朱「・・・。」

八代「だから先生は関係ないって言ってるでしょ!」

瀬能「いいですか?そういう屁理屈が通用すると思っているんですか?・・・あなた、考え方は大人ぶっていても、口から出る言葉と、やり方はまるで子供ですね。子供以下です。ガキが喚いているだけですよ?」

八代「な」

バン

瀬能「・・・殴る方も痛いんですよ。座って下さい。」

八代「・・・っ。」

瀬能「すぐ喧嘩腰になるのもガキです。その上、学習しない。・・・それから、この問題をややこしくさせているのは、間違いなく、あなたです。あなた、先生なんですか?」

十朱「・・・十朱トアケ 美寿ミスズです。」

瀬能「私、てっきり、男を頼って、雲隠れしたものとばかり考えていました。あなたは、学校では見せていない、親密な男性がいると踏んでいました。同級生ではなく大学生、もしくは、もっと年上の男性です。そうでなければ、中学生の女子が、一人で一週間も、隠れて生活するなんて出来ないからです。金銭的な問題もそう、自分の言い分をある程度、聞いてくれ、行動に移してくれる人、何より、思い通りに動かせる人です。女の言う事を聞くのは、男しかいませんから。

ところがです。

まさか、学校の先生が共犯者だったなんて。男以上に厄介な話ですよ。」

十朱「・・・。」

瀬能「何か言ったらどうですか?

あなた、誘拐犯ですよ?いい大人なんですから、それくらい、分別つきますよね?・・・中学生を拉致、監禁した、誘拐犯なんですよ?」

十朱「・・・私が悪いんです。私が妙を止められなかったばっかりに。・・・こんな事になってしまって。」

八代「・・・美寿は何も悪くない!私が勝手にやった事じゃない!」

瀬能「はいはい。お互いがお互いを想い合っての罪のかぶり合い。本当に美しいと思いますが、・・・そんなお涙頂戴な話、通用すると思いますか?

事実、あなたは誘拐犯。そして、あなたは未成年で、被害者なのです。

まあ、あなたが身勝手に、この気の弱そうな先生を巻き込んで、後先考えず、家出をしたってだけの話だと思いますが?」

八代「・・・家出じゃない!・・・そんな陳腐な言葉、使わないで。・・・私は、私は、こんな狭い、籠に囲まれた、偽善的で、欺瞞に満ちた、こんな世界で生きたくなかったのよ!・・・わかる?窒息しそうなの!息が苦して死にそうなの!こんな所で生きていきたくないの!私はもっと、もっと自由に生きていきたいの!」

瀬能「・・・はぁ。頭の悪い不良がよく言う台詞です。聞き飽きました。」

パン

瀬能「・・・人を叩きなれていない人が、急に叩こうとするから。」

八代「痛い!痛い!痛いいいいいいい!」

瀬能「あなたが言う、偽善的で欺瞞にあふれた世界なら、か弱い女の子を傷つけるような事をする人はいないと思いますが、生憎、社会は冷たいんです。このまま、あなたの腕を折ってもいいんですよ?そうしたら少しは大人しくなるでしょうから。・・・分かりますか?あなたに選択肢はないんです。選択肢を持っているのは、私です。」

十朱「わかりました!わかりました!やめて!やめて下さい!妙は悪くないんです!妙は!」

八代「痛ーーーーーーーー!」

十朱「なんでもします。なんでもいう事を聞きますから、なんでもいう事を聞きますから許して下さい!許して下さい!お願いします!お願いします!・・・どうか、お願いします。妙を傷つけないで。妙をこれ以上、傷つけないでぇ!」

瀬能「・・・まあ、いいでしょう。そこまで言うなら、はい。どうぞ。」

十朱「妙!」

八代「・・・っ」

瀬能「あなたは遠くから吠えているだけの、ただのガキです。あなたの為に、あなたを愛する先生が、頭を擦りつけて懇願したんですよ?それに比べてあなたは、イキがって吠えているだけ。

どうせ、隠れて生活していた時も、先生に全部、ご厄介になったのでしょう?食べる物だって、着るものだって、住む所だって、何一つ、あなた、用意できないでしょう?隠れるって言ったって、お金がかかるんですよ?あなた、お金、無いでしょ?

何も出来ないクセに、イキがらないで下さい。私、そういう、覚悟がない人間に虫唾が走るんです。」

八代「・・・か、覚悟なら、あったわ!だ、だから、決行したんじゃない!」

瀬能「あなたのその覚悟やらのおかげで、そちらの先生は誘拐犯です。・・・割に合わないでしょう?あなたは自分勝手な家出をしただけなのに、こちらの先生は犯罪者。間違いなく警察に捕まり、懲戒処分で、職を失う事でしょう。

あなた達、恋人同士なのでしょう?

でも、それもこれで終わりです。どれもこれも全部、あなたの身勝手な行いの所為です。」

八代「うるさい!うるさい!うるさい!聞きたくない!聞きたくない!聞きたくない!聞きたくない!ほっといてよ!」

瀬能「アハハハハハハハハハハハ。あなたは自分の思い通りにならなければすぐそうやって癇癪を起す。先生も大変ですねぇ?こんなガキのお守りをするなんて。・・・あなたは文句を言っているだけ。何の解決にもなりませんよ?」

十朱「私は、私は、それでも構いません。妙だけは、妙だけは、見逃してあげて下さい。どうか、どうか、お願いします。お願いします。私、どうなっても構いません。何でも言う事を聞きます。」

瀬能「先生、何か誤解されているみたいですが、私、お二人がどうなろうと知った事ではありません。正直言って。

私は、八代さん。あなたみたいな、何も出来ないクセに不平不満しか言わないガキが嫌いな事と、十朱先生。先生みたいに、優しさと現実を混同して

現実逃避しかしない人間も嫌いです。

あなた達は、目の前の現実から、ただ目を背けているだけです。何も解決をしようとしていません。それが一番、許せない事です。

現実が嫌だったら、社会が嫌だったら、この世界が嫌だったら、どうして、戦おうとしないのですか?抵抗しようとしないのですか?

ただ逃げているだけ。

そういう人間に、文句を垂れる資格はありません。

・・・八代さん。あなた、こういう言うでしょう?

『だって、今の私に何が出来るの?』って。

バカじゃないですか?今のあなたに何も出来る訳ないでしょう?法律上でも未成年だし、親の保護の下、生活している、ただの中学生ですよ?

先生も、苦しく苦しく悩む教え子を楽にしてあげたい一心で、受け入れてしまった。愛おしかったのでしょうが、私に言わせれば、甘やかしているだけです。こんな人間は増長するだけですよ?現実と妄想の区別もつかない、頭のおかしいお」

ガン

八代「うるさいっ!」

瀬能「・・・痛いじゃないですか?・・・アハハハハハハハハ。いい目ですよ。いい目。アハハハハハハハハハハハハハ。」

バン

八代「っ!」

瀬能「人を殴るっていうのは、こうやるんです。」

八代「あああああああああああああああ」

瀬能「アハハッハハハハハハッハハハハハ!」

十朱「妙!やめて!妙、妙!妙!」

瀬能「せんせぇ、そのまま、そのガキを押さえておいて下さいね。アハハハハハハハハハハハ!」

十朱「もう許して下さい!許して!妙を叩かないで!妙を!妙を、お願いだから。お願いします。お願いします。・・・お願いします。」

八代「・・・美寿ぅ。」

十朱「妙ぇ。」

瀬能「・・・興覚めです。私が悪者みたいじゃないですか?ほんと、つまらない。」

八代「・・・わかったわ。もう隠れない。・・・家に帰る。・・・どんな制裁でも罰でも受ける。・・・でも、美寿だけは関係ない。美寿だけは関係ない!」

十朱「・・・妙。私も罪を償うわ。私は取り返しのつかない事をした。・・・だから、ちゃんと裁きを受ける。ごめんね。許してね。私が、ちゃんとあなたと向き合っていたら、こんな事態にはなっていなかったのに。ごめんね。本当にごめんね、妙。」

八代「美寿は悪くない!美寿は悪くない!・・・。・・・。・・・。」

瀬能「・・・。」

八代「・・・。」

瀬能「・・・。」

八代「・・・。」

瀬能「・・・瀬能です。名前、忘れていると思いますが。」

八代「あんたの言う通りにするわ。ほら、警察でも何でも呼びなさいよ!ほら。ほら。ほら。」

瀬能「嫌ですよ。何で私がそんな事、しなくちゃいけないんですか?自分で始末したいなら、自分で警察なり何なり呼びなさいよ?知らないですよ。」

十朱「妙、一緒に警察に行きましょう。」

八代「ダメよ!・・・美寿は関係ない!行くのは私だけ。私だけでいいから!」

十朱「そんな訳にはいかないわ!」

瀬能「はいはいはいはい。この茶番はいつまで続くんですか?」

八代「うるさい!いいから、あんた、警察に私を連れて行きないさよ!」

瀬能「だから、そういう面倒臭いのは嫌だ、って言っているでしょう?頭、悪いんですか?あなたは?」

十朱「・・・あなたは、いったい、どうしたいんですか?」

瀬能「私は友達に頼まれて、学校七不思議の一つ『消えた女子生徒と肖像画』の真相を確かめたかっただけです。目的はそれだけです。その件を追っていたら、たまたまおかしな二人が釣れてしまっただけの話。八代さん、十朱先生、あなた方、二人の将来にまるで興味はありません。

まあ、興味はないんですが、あなたが本当に、十朱先生の事を心から信頼しているのであれば、自分の尻は自分で拭くべきだと思います。そして、先生も八代さんの事を真剣に想うのであれば、自らの事は公言せず、黙って墓場まで持っていく事です。ここにあなたは存在していない。いなかったのです。

いずれ事件は沈静化するでしょう。まあ、お二人なら、うまくやっていけると思いますけどね?」

八代「・・・美寿。」

十朱「妙。」

瀬能「・・・もう、いい加減、いちゃつくのやめてもらっていいですか?お二人の仲がいいのは十分、理解できましたから。」

八代「美寿、ごめんね。」

十朱「妙、もういいの。何も言わなくて。」

八代「・・・ねぇ?」

瀬能「はい?」

八代「ねぇ?あんた、なんで、学校の七不思議なんか調べているの?・・・あんなの噂話に決まっているじゃない?」

瀬能「・・・そうですけど。まさか、噂話が本当の事になるなんて、思わないじゃないですか?だから、余計に、真実味を帯びてしまった。私は、今回、八代さん、あなたがいなくなってしまった件は、七不思議とは関係ないと思っていました。現にその通りでしたが。

私が興味を持っているのは、三十年前の女子生徒失踪と、肖像画紛失の方です。

生徒達は、その三十年前のそれをなぞらえて、あなたの失踪と関連付けて、面白がっているのですよ。女子生徒も消える、肖像画も消える。とてもセンセーショナルな事件だと思いませんか?

ならば、三十年前に起きた事件は必然的に、センセーショナルなものだったに違いないと考えられる訳です。それは、本当に噂だったのか、それとも本当に起きた事件だったのか、私が興味をそそられる点は、そこにあります。

これは、私の推測ですが、三十年前に起きたとされる、消えた女子生徒と肖像画。そのモデルになった生徒というのは、十朱先生、あなたじゃないのですか?」

十朱「・・・。」

八代「何を言っているの?・・・そんなの噂に決まっているじゃない?三十年前なら、美寿の年齢と合わないじゃない!」

瀬能「三十年前なんて、枕詞がついていますが、私は、三十年前ではないと思っています。その三十年前っていう言葉がどこから来たかは知る余地はありませんが。」

十朱「・・・、あなたの言う通りです。」

瀬能「やはり、そうでしたか。

そうでなければ、八代さんが家出をして、飛び出してきたのを匿うはずがないと思っていました。十朱先生は、あなたに、過去の自分を投影したのですよ?あなたの事を大事に思っていたら、家に返すはずです。こんな所で将来を棒にふらせることなんてしないと思います。でも、八代さん。あなたの姿が十朱先生の過去の姿に重なり、とても他人事とは思えなくなったのでしょう。

十朱先生は、死んでもあなたを守る気概でいたと思いますよ?それほど、あなたの事を真剣に考えていたのです。」

八代「・・・美寿。」

瀬能「でも、あなたは思ったよりガキで、十朱先生の事を考えられる余裕が無かった。あなたは、十朱先生を苦しめたんです。先生は苦には思っていなかったと思いますが。」

十朱「私の事はいいんです。・・・妙が、妙が幸せになってくれれば。それだけで。」

瀬能「八代さん。あなたの家出騒動のおかげで、偶然にも『消えた女子生徒と肖像画』の真相に近づく事ができました。これには、あなたに感謝しないといけません。」

八代「・・・うるさい、死ね!」

瀬能「そして、現在進行形の『消えた女子生徒と肖像画』事件の真相を暴いていかなければなりません。うまくいけば、二つの事件の真相を両方、知る事が出来ると思います。

そういえば、先生、あなた、私になんでもします、なんでも言う事を聞く、と言いましたね?」

十朱「・・・?・・・はい。」

瀬能「私、学校内を調査したいんです。校内に入れるように、手配して頂けませんか?」

十朱「・・・え、」

瀬能「校内に入れるように、」

十朱「あの、それは、無断で?それとも、ちゃんとした手続きをふんで?」

瀬能「どちらでも構いません。学校に入れるならば。手段は問いません。」

八代「・・・美寿。」

十朱「あ。・・・はい。・・・わかりました。・・・はい。」

瀬能「なんですか?その気のない返事は?」

十朱「あ、はい。・・・なんとかします。なんとか。」

瀬能「じゃ、交渉成立という事で。」

十朱「・・・分かりました。」

瀬能「学校に入れてくれるのであれば、少し、あなた達に協力しましょう。

八代さん。あなたは『家出』をしました。そう、マンガ喫茶店に一週間、隠れていました。マンガ喫茶店に警察官がやってきて、あなたを見つけて補導します。十朱先生、あなたは無関係です。」

八代「マンガ喫茶?」

瀬能「私の友達が、わざとマンガ喫茶店で、騒動を起こします。騒動に呼ばれて、警察が事情を聴きにやってきます。その時、潜伏していたあなたは、補導されるのです。事件性がない事が立証されれば、すぐに家に返してくれます。ただし、この後は、八代さん。あなたの仕事です。自分で蒔いた種は自分で刈らなければなりません。家出騒動を起こしたのですから、それ相応の罰を与えられるはずです。学校の信用も、内申点も失う事でしょう。あなたのご両親からの信頼も失くすと思います。裏返せば、ご両親はあなたをとても誇りに思い信頼していたのです。あなたは、生涯をかけ、ご両親の信頼の回復に努めなければなりません。

よろしいですか?

十朱先生。あなたは、そんな八代さんを贔屓するのではなく、正しく評価し、一人の人間として、向き合わなければなりません。決して、甘やかしてはいけません。八代さんを律するのがあなたの役目です。」

十朱「・・・わかりました。」

瀬能「潜伏するマンガ喫茶店は、私の子飼いのお店です。安心して下さい。」

八代「・・・あんた、どうして、そこまで、してくれるの?」

瀬能「まあ。別に。興味があるだけです。『消えた女子生徒と肖像画』の真実を。」

八代「・・・あんた、本当に、変わってるわ。」

瀬能「よく言われます。」


※本作品は全編会話劇です。ご了承下さい。

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