第三章 設定
第三章 設定
●キャラクター
『シュミット』
※基本は第一章設定と同じため省略。
新しい情報
・白魔法を上位神官クラスまで習得。
・剣技を人間の限界クラスまで習熟。
・『聖女の剣』を技能として獲得、自身に合う形に改良。
・ラインバレル公爵家より『名誉騎士』に内定。
・ライン公爵家より『一夜限りの相手と肉体関係を持つな』と『お願い』された。
・ただし一夜限りでないのなら特に何も言っていない。
『アリサ・フォン・ラインバレル』
※基本は第一章設定と同じため省略。
新しい情報
・呪いの進行により余命二年。
・戦い方、白魔法は教会戦士達に教わった。
・『相棒』という立場に執着心を持っている。
『ハンナ』
※基本は第一章設定と同じため省略。
新しい情報
・祖父が『龍殺しの剣』制作に関わっていた。
・父親を殺したヨルゼン子爵に強い恨みを持っており、復讐を決意。
・シュミットらの協力により復讐を成し遂げ、父親の遺体を奪還。
・父親の遺体から回収した金庫の鍵により、一族に伝わる指南書を確保。
『教会戦士』
種族:大半が人間だが一部亜人との混血やドワーフ、獣人も所属。
年齢:第一エクソシストは十五歳から三十五歳。第二は五十歳まで。第三は制限なし。
容姿:基本的に『マッチョ』か『中性的』に二極化されるが、それ以外もいる。
特技:黒魔法使い、アンデッドと戦う事。
備考:教会が保有する戦闘部隊。『世界を守る』事を理念とし、時には俗世の理屈を完全に無視してでも任務を果たす。
経歴
数百年前から存在する組織。作中では第一エクソシストとして『ジョナサン神父』『イオ神父』、第二には『ウォルター神父』等が登場。
大半が幼少期から秘密の訓練場で育ち、アンデッドと黒魔法使いを駆逐する為に日夜励んでいる。
ある者は異常なまでの信仰心を。ある者は狂気的な程のアンデッドに対する復讐心を。ある者はこの世界を守りたいという使命感を有している。共通するのは、他者から見れば『異常者』としか思えない精神である事。
使命を果たす為ならば己の死すら厭わず、『狂信薬』という危険なドーピング薬まで使用する。また、敵に敗北する際には少しでも相手へ傷を残すために。何より死後肉体を操られない為に速やかに自爆する為爆薬を持ち歩く者が多い。
なお、これらの行動に対し教会上層部は『自ら命を散らすのは避けるべき』『せっかく育てた戦士を死なせるのは世界の守護を続ける上で困る』『もう銃揃えるだけでよくない?』等の理由から否定的なのが現在の主流派。しかし現場からの絶対に必要という声で続いている。
目的:黒魔法使い、アンデッド、そしてドラゴンを討ち取り世界を守る事。
『クリス』
種族:人間
年齢:十八歳※孤児の頃日数がわからない環境だったので自己申告
容姿:カフェオレの髪をミディアムショートにした女性。男物の衣服を纏っている。
特技:鍵開け、隠密、爆弾づくり、軽業
備考:孤児になった後、現在の義父の元で育つ。彼が元工兵であり冒険者だった事もあり、その技術を受け継いでいる。性自認は男。死亡フラグクラッシャー。
経歴
ヨルゼンの街を十一年前に襲った流行り病により両親を失い孤児に。それから数年間他の孤児たちと『悪所』と呼ばれるスラムで過ごすも、他のゴロツキにより仲間は全滅。
その後現在の義父に拾われ『娘』として育てられるも、彼の実子である『アメリア』という女性と恋に落ちる。
職業は記者兼冒険者。主な収入源は記者だが、普段の記事はあまり売れていない。
結婚資金を稼ぐためアメリアを助けたシュミットを『聖女』として書いた。結果、記事は売れた。
なお、この行為を弁護するのならクリスがシュミットを男性として書いていた場合教会上層部により『吸血鬼の根城に女装して潜入する手法が認知されたら困る』と記事は握りつぶされていた。また、聖女として書いた場合の記事が売れたのは教会が宣伝したからでもある。
事件後は義父にも認められアメリアと正式に結婚。家族三人で荒廃したヨルゼンの街を復興しようとしている。
その努力が実るかどうかは不明だが、『とある人物の名前』もあり貴族や教会は復興に対して非常に協力的である。そしてその人物が一筆どころか本当に十筆書いた理由は、迷惑記者への感謝と敬意故であった。
目的:義父と妻アメリアと共にこれからも平穏に、『人間』として暮らしていく事。
『ダミアン・ドゥ・フィレンツ』
種族:ヴァンパイアロード
年齢:九百歳前後
容姿:青い肌に長い白髪頭。鋭い眼光の老人。
特技:槍術・斧術・甲冑術・黒魔法・貴族知識
備考:ヴァンパイアの中でも『統べる者』としてロードの地位を持つ。現代ではかなりの弱体化をしていたが、全盛期は国すらも滅ぼす怪物だった。
経歴
長い時を生きる吸血鬼。かつては妻子と共に穏やかに……『ヴァンパイア基準で』穏やかに暮らしていた。
だが三百年前に『聖女』により大規模な吸血鬼、及び黒魔法使いの駆逐が行われその際に妻を失う。また、彼自身も胸に癒えぬ傷をつけられ心肺に大きな後遺症を残した。魔力を循環させる心臓は衰え総魔力量が減り、肺を半分近く潰され呼吸もままならない。
王国と敵対するとある人物と同盟を組み、王国内にある教会へと銃火器で武装した下級吸血鬼を嗾ける作戦を立てていた。
彼が有する隠れ村で粗末な銃器を作っていたのは、『吸血鬼も銃を作る』というデモンストレーションのため。これにより、同盟者から武器の供与があったと他国の教会から隠す予定だった。
シュミットに討ち取られ、最期の力を振り絞り密約の証拠がある居城を爆破。及び同盟者の元へと次期後継者であるエリザベートを逃した。
目的:忌々しい聖女の痕跡を全て消す事。そして『とある存在』の招来を完遂する事。
『ジェイソン・ドゥ・フィレンツ』
種族:ヴァンパイア
年齢:五百歳前後
容姿:青い肌に金髪の偉丈夫
特技:絵画、特に油絵。剣舞
備考:フィレンツ家の長子。名門に生まれながらその力が平均的な純粋種の吸血鬼相当である事に強いコンプレックスを持っている。
経歴
ダミアンの息子。常に己を『フィレンツ家の嫡男』であると名乗り、周囲にその地位を刷り込む事に必死。
自分より強い妹に恐怖心を抱いている。
五百年間、無抵抗の人間かただの民間人相手にしか剣を振るっていなかった為、太刀筋だけ綺麗で剣術として見るとシュミットから『論外』と断じられる程度の腕前。
女装したシュミットこと『ミーア』に一目惚れし妻にしようとするも、彼の手で殺された。
父親からの愛情はあったのだが、彼にそれを実感する事はできなかった。というのも、ダミアンが『親子の情はあるが、貴族として次期当主のエリザベートとの上下関係を覚えさせないといけない』と考えていた為。もしもジェイソンがエリザベートの下につくと公言していれば、対応も変わっていたかもしれない。
なお、父親からは『フィレンツ家基準で軽いジョギングをしたら死にかける病弱な子供』扱いだった。
万が一彼が人間の貴族の家に生まれていたら、絵師として大成したかもしれない才を持つが、出来る事とやりたい事とやらなければならない事が一つも噛み合う事はなかった。
目的:フィレンツ家の当主になる。ミーアを手に入れる。
『エリザベート・ドゥ・フィレンツ』
種族:ヴァンパイア
年齢:四百歳半ば
容姿:青肌に紺色の髪をした美少女。メートル級バスト
特技:変身・黒魔法・格闘戦
備考:フィレンツ家の長女。両親からその才を受け継ぎ、二百年もすれば全盛期のダミアンに匹敵していた逸材。
経歴
ダミアンの娘。父親からの教育内容で自分が次期当主だと察しているものの、『反応が面白いから』という理由で兄にはその事を伝えていない。
趣味は『処女の生き血を使ったブラッドバス』。それもただ血を抜くのではなく拷問してから殺すという残忍さを持つ。
なお、この行為は吸血鬼基準では『食べ物で遊ぶ子供みたいな趣味』と認識されている。
女装したシュミットを『生まれる時代を間違えた聖女』と誤認していたものの、ダミアンの同盟者に蘇生された際に『紛れもない二代目聖女だった』と誤解を深めた。女装にはまだ気づいていない。
なお、その同盟者により『卵』にされた。
目的:聖女ミーアへの復讐。及び母親の仇だと父親から聞いた教会戦士の殲滅。
『ホーエンハイム・フォン・ヨルゼン』
種族:人間?
年齢:四十二歳
容姿:血の気の失せた青白い肌の男
特技:狙撃※栄養失調により精度は低下・黒魔法・建築
備考:ヨルゼンの街を治める子爵。家族を失ってからは黒魔法に傾倒し、『友人』なる存在の声以外は碌に聞こえなくなっていた。
経歴
ヨルゼン子爵家の当主。
十一年前の流行り病で父親と妻子を失い、母親もその数年前に病死していた事もあって天涯孤独に。
その状況に彼の精神は耐えられず、手当たり次第に家族を救う手立てを探す最中に『とある本』を見つけてしまう。
ただし、その本は他者からは見えていない。もしも見える者がいるとしたら、その者も黒魔法の影響下にある。子爵の死亡後、その本も燃えて消えた。
彼が友人と呼ぶ存在からは『龍になれば家族を救える』と吹き込まれていた。その為に黒魔法を更に極める必要があると唆され、今回街はグールに飲み込まれる事になる。
だが、街の住民が全滅しなかった理由の一つに子爵が当主に就任した直後作ったシェルターの存在もあった。
彼が街に冒険者ギルドを作らなかったのは、表向きの理由は常備軍さえあれば冒険者は不要とした為。
裏の理由は街の中の武装勢力を自分の兵のみに限定したかったから。これは例の本に出合う前から彼なりに街の治安を考えての事だった。
それが正しい判断だったのかどうかは、もはやわからない。
目的:家族を蘇生する事。
『ルーデウス』
種族:改造人間
年齢:二十六歳
容姿:筋繊維の上に黒い装甲を張りつけた様な姿をした大男。
特技:格闘技全般・見稽古
備考:自らを『鉄血傭兵』と名乗る指名手配犯。賞金百十セル。人間の世界に馴染めなかった元人間。
経歴
貴族とも取引のある、地方では大きな商家に長男として産まれる。
両親から家を大きくする為の道具として扱われていた影響か、あるいは生まれつきなのか。暴力以外の手段で自己を表現する方法がわからなかった。
そして、彼には才能があった。一度見た武芸者の動きを完璧に模倣できる。それどころか、己に合う様に調整、昇華する事も短時間で可能。
天性の才能と、暴力による表現。その二つが重なった結果、彼は己の手で家族や従業員達を殺める事になる。
犯罪者となってからは『傭兵』を名乗り各地を転々とし、その最中に『ソードマン』と交戦。両目を失うも、その際に表情を獲得する。
その後ルーデウスが周囲を認識できる様になったのは、かなり薄いが貴族の血が流れていたから。それが隔世遺伝として目覚めた事で魔力を感知する事が出来る様になった。
改造後は魔力を更に正確な形で感じる事ができ、顔の識別すら可能で見えているのと変わらない精度を持つ。
ヨルゼン子爵により肉体を無茶な形で改造されるも、特に怒りは覚えていない。『そんな日もある』と考え受け入れていた。
寿命も残り僅かな中、ソードマンを倒した男と出会う事で───彼にとって、最上の最期を迎える事となる。
目的:ソードマンが魅せたあの一閃で、あるいはそれ以上の刃で死にたい。
●Q&A
Q.教会と公爵家の関係って?
A.二百年近く前から公爵家は教会に多額の支援と技術協力をしている感じですね。その影響で教会上層部は公爵家に頭が上がりませんし、教会戦士達は本来門外不出の技術を公爵家の人間に教えたりします。
Q.教会がそんな俗世と関わっていいの?
A.教会上層部は普通に『頭俗世』ですから……『世界守らなきゃ』がセットなだけで。教会戦士は意識して他の人と平等に接しますが、それでも人間ですので『義理』を感じて行動する事はあります。
Q.教会は同性愛ガチ?
A.微妙に違います。『異性との交わりを不純。同性との絆を純粋』としているだけで、全員が全員同性を恋愛対象にしているわけではありません。
ただ、朱に交われば赤くなるという諺もありまして……。
ついでに教会に所属しながら異性愛に目覚めた場合、教会を正規の手順で抜けるのなら良し。そうでなければ厳しい罰則が科せられます。異性関係で犯罪を犯した場合は磔刑もありえたり。
Q.聖女ってどんな人?
A.王国の田舎を治める男爵家で生まれた事以外、ほとんど記録が残っていません。これはダミアンを始め、彼女に恨みを持つアンデッドや黒魔法使いが破壊工作を行ったからですね。
十歳から十七歳までの間、五百近くの吸血鬼を浄化したという記録は残っているものの、その最期については知られていません。
そんな聖女ですが、時折奇行が目立つ人物でもありました。
毎日誰よりも早く起きては、教会の庭にあった巨岩に奇声を上げながら打ち込み稽古。
冬から春になる頃に聖書の写字を終えた後先輩シスターに『ちんちんぬきなもっしたな』と笑いかけて『ちん、男根!?』と驚かれる事も。
また、冷静な時は元の家名を汚すまいと修道女らしい立ち振る舞いをするも、感情が高ぶったり極度の疲労を感じると粗野な行動や意味不明の言動をとる事もあったとか。
なお、彼女が名を上げるまでは教会における『純粋な愛』は男同士限定でしたが、聖女として大頭する頃には女性同士の愛も純粋なものと考えられる様になりました。
彼女と同室だったシスターの何人かは強い絆があったそうです。
Q.聖女ってどんぐらい強い?
A.現在のシュミット君や全盛期のセルエルセス王よりも強いです。
拳の一つで地割れが起き、走れば音を置き去りにし、岩を砕く吸血鬼の一撃を片手で受け止める頑強な肉体の持ち主です。
その上、無限かと思えるほどの魔力量と人類最高クラスの白魔法の適正を持ちます。
剣術はチートなシュミット君に劣りますが、それでも一流。妙に戦慣れもしており、奇襲が得意戦法でした。
●噓予告!!
現存する最古にして最強の吸血鬼、ダミアン!そのバルディッシュがシュミットの首を刎ねんと振るわれた、その時。
機能美という点で人類の出せる限界に到達した刃がそれを阻む!
「まさか……この様な形生き恥を晒す事になるとはな」
緑色の髪をなびかせた背の高い美女。彼女はサーベル一本でダミアンの一撃を捌いてみせたのだ。
「立て、少年。語れない事も多いが、今は私の『罪滅ぼし』に付き合ってほしい」
シュミットと共に刃を振るう謎の美女。互いに達人故に打ち合わせも無しに繰り出される連携に、ダミアンでさえも敗れ去った。
あるいは、まるで『一度見た事がある』とばかりに二人が互いの剣を知っていたが故か。
美女の正体にその太刀筋から気づきかけたシュミット。だが彼の思考を邪魔する様に災害が顕現する。
『まだだ、まだ終われぬ!』
居城と融合し巨大な怪物となったダミアン。そこに現れる謎の少女たち。
「今度はボクが君を守るって、言ったよね」
「だっさ~、大きくなれば勝てると思ってんの~?」
銀の少女に金の幼女も加わっての大決戦!
なお、アリサは途中何故か銀の少女に蹴られてダウンしていた。死んではいないけど割と重傷。それでも朝日と共に立ち上がって吠えていたので元気。
ダミアンを倒し、去って行った謎の少女たち。その背中に、シュミットが声をかける。
「ドージ……?」
「っ……!!」
はたして、少女たちの正体は何者なのか。そしてそれを暗闇から見つめる瞳は……!
謎が遂に解き明かされていく第四章!お楽しみに!!
※これは噓予告です。本編とは一切関係がありません。
読んで頂きありがとうございます。
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