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ナー部劇風異世界で  作者: たろっぺ
第一章 剣の少年と銃の少女
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●キャラクター



『シュミット』 

種族:人間

年齢:十五歳 ※今生の年齢

容姿:黒髪赤目。中性的な顔立ちの美少年。女性に間違えられる事も多い。女神様が直々に作っただけあって作中人物の中ではたぶん一番顔が良い。転生時に雑に全ステを高めに作られた結果。

特技:剣術全般。気配の感知や森や山での追跡と索敵。

備考:今作主人公。チート転生者。チートは『経験値の入れ替え』。

経歴

 現代日本からナー部劇世界に転生。

 開拓村の農家の三男坊として第二の人生をスタート。彼の兄である次男は二歳の頃に病死したため家族構成は父と母に兄が一人。ただし両親もイチイバルに出る前に死亡している。

 過酷な環境で十五年間過ごした結果、前世よりも今生での価値観に染まっている。そのため、殺人への忌避感が現代日本人どころかナー部劇世界の都会人よりも薄い。

 村の外とは隔離された環境でいたため、この世界を『剣と魔法の世界』と勘違いしていた。

 開拓村での暮らしが嫌になり、かつてより計画していた上京を実行。剣一本で成り上がろうとしていたものの、蒸気機関や民間に普及している鉄砲の存在に心が折れかけていた所で後述のアリサに声をかけられた。

目標:成り上がって良い暮らしをする。



『アリサ』 ※苗字は不明

種族:人間

年齢:十六歳

容姿:金髪碧眼の美少女。かなりスタイルがいい。シュミットからは内心で『エロ漫画の住民か?』と思われている体つき。

特技:銃の早撃ち。及びピストルとライフルは高い命中率を誇る。

備考:今作メインヒロイン。非常に由緒のある家の御令嬢。自称『王都に店を構える商家の放蕩娘』。

経歴

 シュミットが都市イチイバルで出会った少女。

 騎士から『この国の貴族で貴女に敬意を抱かない者はいない』と言われる立場の人間だが、詳しい事情は不明。

 非常に明るい性格であり、やや空気を読まない所もある。

 白魔法が扱えたり様々な物事について詳しいあたり、望めば様々な知識が得られる環境で生活していた事がうかがえる。

 だが、そういった家なのに放蕩娘となった今でも両親とは良好な仲のまま。それどころか月の小遣いが大工の月給よりも多いほど。

 彼女曰く、父親は『既に役目を果たしているのだから自由に暮らせ』とのこと。

目標:おもしろおかしい冒険者ライフをおくる。



『ジャック』

種族:人間

年齢:三十二歳

容姿:身長二メートル以上の筋骨隆々な大男。側頭部と後頭部だけ五分刈りで黒髪を残している。

特技:狙撃。サバイバル技能全般。格闘術。

備考:あだ名が『軍曹』。元軍人。

経歴

 ゲイロンド王国の北部に産まれた狩人の家の次男坊。

 寒村でのつまらない暮らしに飽き、十七で軍に入隊。八年間軍人として生活し、そりの合わない上官にあたって二十五で除隊。最終的な階級は軍曹。

 故郷から遠く離れたイチイバルの冒険者ギルドを中心に当時の仲間達と共に活動中。全員が元軍人なだけあって高い戦闘能力と依頼達成率を誇る。

目標:特になし。強いて言えば今の仲間たちを食わせてやっていきたい。



『ライラ』

種族:ダークエルフ

年齢:九十歳 ※ダークエルフ基準で二十六歳

容姿:褐色の肌に長い白髪と赤い目。エルフ耳。ボンッキュボン。

特技:不明。しかし『荒くれ揃いの冒険者ギルドで余裕をもって自衛できる』。

備考:イチイバルの冒険者ギルドの副ギルドマスター兼受付嬢兼カジノのバニーガール兼夜のキャスト

経歴

 イチイバルの冒険者ギルドで働くダークエルフの女性。

 彼女だけの話ではないが、ダークエルフは人よりも高い身体能力と魔力を持ち長い寿命まであるのに荒事や水商売の関係に就きたがる。

 肩書がやたら多いのは本人が趣味に生きているせい。力のあるダークエルフほどだいたいこんな感じ。

 イチイバルのギルドで彼女に逆らえる者はいない。冒険者と人間のスタッフはその美貌とスタイルで。他のダークエルフは彼女の文武の力量故に。

目標:人間の戦士たちの下半身と情緒を弄びたい。



『ハンナ』 

種族:ドワーフ

年齢:六十四歳 ※ドワーフ基準で二十歳

容姿:赤毛のショートボブに三白眼。身長は低いが体つきと顔立ちは大人のそれ。胸がかなり大きい。文字を読む時は眼鏡をかける。

特技:刀剣類の鍛冶と整備・目利き

備考:イチイバルの一角に金物屋を構える女性ドワーフ。

経歴

 二十年前にイチイバルに父親と引っ越してきた。

 母親は幼少期に病気で亡くしており、父親も野盗に殺され失っている。

 彼女の父親はドワーフの中でも類まれな腕を持っており、里長に推薦された事もある名工だった。

 しかし銃の発展と広まりに伴い刀剣や鎧の価値は『武装』から『美術品』に変わる。その事に不満を持ったハンナの父親は里を出ていった。

 人間の冒険者や騎士たちなら剣をまだ使っていると思い人間の国に移住するも、銃が主流となっていき彼は失意の中亡くなった。

 父親の技術の『大半』を継承したハンナは、日課として剣を打ちながらも商売としては金物屋で生計を立てる生活を送る。

 そこに、剣と魔法の時代ですら最上位の剣腕を持った少年が現れた。

目標:父親の技術を完全な形で習得する。及び独学ながら細工技術も身に着ける。



『セルエルセス・フォン・ゲイロンド』

種族:人間

年齢:享年は不明。王国には『彼は雨の中に消えていった』とだけ伝説が残されている。

容姿:トランプのキングの様な姿の肖像画が残されている。

特技:魔物を食べてその力を得る。

備考:シュミットより前の時代の転生者。ゲイロンド王国の王家に生まれた。現在の紙幣に彼の肖像画が使われている。

経歴

 シュミット同様『世界へのワクチン』として転生した。生まれは『ゲイロンド王国』の正室の第一子。周囲の人間にも恵まれていた。

 そんなある日北にある『ローレシア帝国』が攻め込んできた事で平和な生活は崩壊。それに対抗する為王国中から魔物の肉を集め、チートによりその力を吸収し侵略を防ぐ。

 当時まだ二十代だった『ドルトレス』の助言もあり亜人たちと同盟を組み、帝国を撃退。

 また奴隷解放宣言を出した事でも有名。数々の武名と奴隷制の廃止から後世では若者を中心に人気のある王様。

 だが、かなり好色で後宮には五十人以上のハーレムが形成されており、それ以外にも王城に勤めていたメイドなどもお手付きになっていたとか。彼の子供は百人を優に超える。

 なお、その辺りのごたごたはドルトレスが血尿と不眠に苦しみながら『処理』したので、後世では知る人ぞ知るやらかしエピソードとなっている。

目標:過去の人物の為特になし。



『ドルトレス・フォン・ゲイロンド』

種族:人間

年齢:享年百二歳

容姿:神経質そうな顔の肖像画が残されている。

特技:政治に関する事なら何でも。軍事面も英雄クラス。実は徒手格闘も強い。

備考:セルエルセス王の息子であり、その次の代を担った国王。現在の硬貨には彼の肖像画が使われている。

経歴

 その人生のほとんどを父セルエルセスの尻ぬぐいに費やし、それ以外は国の発展に尽くした賢王であり苦労人。

 帝国との戦争と、セルエルセスの改革で起きた国内の混乱を鎮める。亜人たちとの同盟を実質一人で取りまとめる。セルエルセスが始めた奴隷制の廃止を自分の代でやり遂げる。戦争などで発生した人員の不足や財政の悪化をこれまた己の代だけで健全化させる。

 等々。どれ一つとっても歴史に名を遺す偉業を成した男。『チート転生者ではないガチチート存在』。

 これらの表向きに遺されている物事だけでなく、百人以上いた兄弟たちを始め内乱の種も秘密裏に『処理』する。帝国に贋金をばら撒いたり反政府勢力を支援したりする。父親の転生知識が詰まった手記を解読して実現可能な物を後世に残す。

 と言った公にはできないがまた別の偉業も成している。

 何にせよ、彼こそが二百年大きな争いや混乱のない王国を作り上げた国王である。その為、後世の歴史家からは大変評価される存在。表の偉業に関しては公的な書類が残っており、複数人の偉業を一人に集約したものではないと確証もある。

 ただし、重度のストレスと不眠不休の政務で血尿や不眠に苦しみ、子供は作れなかった。その為次の王は兄弟から養子を引き取る事に。

 それだけ体はボロボロだったのに百二歳まで生きた上に最期まで背筋を伸ばし、ボケる事もなく政務を行っていた。最期はベッドで眠る様に亡くなる。後継者の育成も成功させたあたり、政治に関する事で彼に勝てる者はいない。

 後世ではソシャゲで『人権サポートキャラ』として実装されたあげく、『ストレスのあまり部下達と執務室で女装していた逸話』のせいで秘書たち諸共女体化される可能性が高い。

 その場合の見た目は銀髪隠れ巨乳キャラ。少しやさぐれた感じだけど根は真面目で委員長気質。色んな意味で濃い父親のせいでコンプレックスを抱えているけどお人好し。でもそれだけじゃなく冷酷で冷徹なリアリストな面も。そんなキャラに違いない。

目標:故人の為特になし。



『早撃ちヘンリー』

種族:人間

年齢:三十一歳

容姿:無精ひげの生えた長身の男

特技:早撃ち

備考:百セルの賞金首。政府につけられた正式な二つ名は『早漏』。

経歴

 牧場主の家庭に次男として産まれるも、昔から近所では悪たれ坊主として有名だった。

 よく悪戯と言うには度が過ぎた事を仕出かしては父親に頭を殴られていたが懲りる事はなく、ある日兄の部下として牧場で働く未来に嫌気がさして家出。

 それからは悪い友人達と強盗を始め様々な犯罪を繰り返して生活。彼にとって幸運であり、周囲にとって不運だったのは彼に『銃の才能』と『野生の勘』があった事。

 次第に手下を率いる様になったヘンリーは銀行強盗や列車強盗を行っていたが賞金をかけられ、政府からの眼も厳しくなり活動も難しくなった。

 そんな折に酒場で偽村長と意気投合した……ふりをして取り入り鉱脈が尽きてしまった鉱山の村に潜伏。

 だがその鉱山で村人が二百年前の研究施設を見つけ、それを聞いて『お宝があるかも』と期待したのが運の尽き。

 彼が呼び込んだ冒険者達と戦い、最期は剣士との決闘に負けて死亡した。

目標:故人だが、当時は帝国に逃げてまた一稼ぎしようと考えていた。



●各種族の紹介


『人間』

寿命:平民は五十ぐらい。貴族等の富裕層は七十歳ぐらい。

能力:良くも悪くも平凡。

特徴:繁殖力が他種族と比べてかなり高い。また、どの他種族とも子供を作れるが産まれる子供は相手の種族となる。

武器:最近は銃と大砲が主流。


『ダークエルフ』

寿命:五百歳ぐらい。

能力:全能力が人間より高い。

特徴:繁殖力がかなり低く、子供を作りづらい。誕生の経緯は『エルフ』と『獣人』の混血。彼ら彼女らは『戦士』を尊ぶと共にそれを弄びたい欲求が非常に強い。

 特に人間社会に溶け込んでいる種族でもあり、行政機関への関わりも深い。だが要職に就くよりもより多くの人間。それも戦士と直接関われる職場を選びやすい。

武器:剣と鞭、短槍。そして魔法。銃は音と臭いが苦手。


『ドワーフ』

寿命:五百歳ぐらい。

能力:小柄だが筋力と手先の器用さに優れ、病気にも強い。

特徴:男のドワーフは髭の付け根に神経が密集しており、細かな風や気温の変化をそれで把握する事ができる。その為、髭の長いドワーフほど良い鉱夫とされている。

 彼ら彼女らの恋愛的な価値観は人と大きく異なり、外見の美醜や財産より『腕前』で評価される。ドワーフが金にがめついと思われるのは、己の作品の出来栄えを下に見られるのが嫌で値引きを許さないから。

 基本的に、男は鍛冶。女は細工技術を親から継承し好きな相手に自らの作品を贈るとされている。


『エルフ・獣人・ヴィーヴル』

 未登場のため詳細は不明。


『魔物』

 それぞれの種類で違いが大きすぎるため、省略。

 通常の動植物との違いは、比較的魔力を多く有しているかその環境の魔力に強く影響をうけている存在を指す。

 どの魔物も他の生物に対して非常に狂暴であり、なおかつ武器はそれぞれながら強力なものが多い。




●Q&A


Q.シュミットの剣の腕前は?

A.かなり高いです。上には上がいますが、それでも彼の上には『剣聖』や『大剣豪』と呼べる存在しかいません。更に伸びしろはまだ十分あるので、その領域に入るのはそう遠くないでしょう。少なくとも今の段階で『ボロボロの剣でクマの首を容易く刎ねられる』腕前です。



Q.シュミットのいた開拓村ってヤバすぎない?

A.あの世界では普通の開拓村です。子供たちに生け捕りにした野盗を殺させるのも普通です。そういう事をして『村の敵には何をしてもいい』という価値観を根付かせます。そうしないと村が滅びるので。



Q.シュミットはアリサを女として見てないの?

A.バリバリに見ています。ただ『恩人』であり『仕事仲間』だから全力でそういう視線を向けない様にしているだけで。

 たぶん本音としては『あの乳揉みたい。そうでなくとも生乳見たい』『デカケツ撫でまわしたい』『というかシたい』ぐらいは思っています。理性で蓋をしているだけで。



Q.アリサ様の御実家って……。

A.本人が『王都に店を構える大商家の放蕩娘』と名乗っているので、そうなんじゃないですかね。たぶん。

 ……なお、お小遣いで大工の月給を軽く超える金額が毎月送られるし、普段やらないけど手紙で頼めばおねだりした額の倍のお金がくるもよう。王都ノ商人サンハ儲カッテイルンダナー。



Q.開拓村の神父さんってどんな人?

A.かつてお話しできなかった彼の事を、今語ろう……。なお、無駄に長いけど本編とマジで関係ない内容なので注意。


 彼は成り上がり商人の孫で、三男。実家にいても居場所はないと、十歳の頃には教会に入った。

 だが二代目である父親が調子に乗り過ぎて貴族相手に詐欺まがいの商売をして処刑。連座で他の家族にも刑が処される。

 彼は当時十七歳。勉強が得意だった事もあり将来が期待される神父になっていた。

 教会に入っていたので連座は免れるも、神父は若くして開拓地に送られる事になった。上司が彼を疎ましく思ったのか、あるいは教会の貴族派閥から守る為だったのか理由はわからない。

 そして『五十年』の月日が経ったのが本編。六十七歳という、開拓村では凄い長生きなお爺さん。

 なお、都会では彼が開拓村行った五年後ぐらいに貴族の息子が瀉血で死んだ事で問題に。普段貴族はお高い治療費を払って貴族あがりの神官に『白魔法』で治療してもらっていたので、こういう事例はあまりなかった。

 そこで今まで溜まっていた瀉血への疑念が噴出。国も動いて調査した結果、『瀉血は全く効果がないわけではないが、状況に応じて最適な治療をすべき』と結論が出た。

 本編から三十年ぐらい前には、王国中で『瀉血はオワコン』と広まる。かつては散々『瀉血サイコー!』と言っていた商人派閥の神官たちは肩身の狭い思いをする事に。


 そして開拓村の神父さん。彼、情報のアップデートが一切されていない。


 実質島流しなので都会に伝手などなく、唯一村に来る商人と会話して情報を得られる村長一家も碌に医療の話は質問しないので駄目。

 更には開拓村で数少ない知識人というプライドが重なった結果、神父は今でも『瀉血サイコー!』となっている。

 ただし、彼も瀉血以外の治療法はある程度覚えているので無能というわけではない。魔法こそ使えないが、止血は上手いし骨折した骨を元の位置に戻す技術にも長けている。少しだが薬学にも覚えあり。

 更には開拓村としては『神父』という職業の人がいないと非常にまずいので、大切にせざるを得ない。多少村の少年たちに『おいた』をしても、黙認されるぐらい。

 村では貴重な医療の担い手兼神職が神父さんなのである。その上開拓村基準で温厚な性格。

 ただし『瀉血サイコー!』。知識のアップデート、実際大事。古事記にも書いてある。



Q.この世界の開拓村って情報統制とかされてるの?

A.部分的にはされていると言えるかも?商人、というか外の人間と接触が許されているのは村長一家とその取り巻きだけなので。

 ちなみに、実は村長だけが旧式ですが銃を所持しています。農民への反乱防止用です。



Q.せや!村長ぶっ●せば開拓村は平和になるんや!自由の翼でフライアウェイ!!

A.ストレートに村が滅びます。

 というのも、別に村長一家が村人から搾取するためだけの構造ではないからですね。

 環境が過酷過ぎて、ああいう社会を村内に築かないと全員死ぬから作中の開拓村はあんな感じです。まあ、村長一家含め村人はそこまで考えていませんが。



Q.開拓村の村社会ってどんな感じ?

A.村長=王様。村長一家=王家。村長の取り巻き=家臣団。神父=村長の正当性を認める者。家長や長男=中流階級。それ以外=奴隷。

 だいたいこんな感じです。ただし村自体が貧乏なのがデフォ。奴隷が勝手に喋るだけで罰が加えられる某国に昔あった奴隷制スタイル。ローマさんがドン引きしてる。



Q.開拓村って初代は罪人とか?

A.軽犯罪者とかは混じっているかもしれませんが、大半は街や村のあぶれた『三男四男坊』、『行き遅れた女性達』『行き場のない浮浪者』ですね。その中から比較的教養のある人が村長になります。



Q.シュミット、もしかしてこの世界でまともに会話できた相手ってアリサが初?

A.一応、開拓村にも友人と呼べる者が一人いました。

 名前は『ドージ』。隣の家に生まれた三男坊。彼は少しだけ障がいを持っていますが、代わりに非常に頭がいいです。

 現代に産まれていれば『ギフト』と呼ばれていたそれも、作中世界の開拓村では『呪い』に等しいものでした。

 ですがシュミットからしたら『自分が会話可能な唯一の相手』という事で必死に彼を護りました。将来はドージと共に街に出ようと考えながら。

 ですが、ドージは狩りの最中に死んでしまいます。冬の山で猪を狩りに行った時に、射手の誤射で毒矢が胸に刺さってそのまま崖から真っ逆さま。死体の回収すらできませんでした。

 その射手も直後に猪の突進で死亡し、猪もまた別の射手が放った矢で死にました。

 友人も、仇と呼べる存在もいっぺんに失ったこの『開拓村ではありふれた事故』はイチイバルにシュミットが行く三年前の出来事です。

 更に村を出る一週間前に今生の両親も彼が狩りに行っている間に山から下りてきたクマに食われました。これもまた、開拓村ではよくある事です。



Q.あの……シュミットにとって開拓村の経験がデバフになってない?

A.それはそう。

 あの生活があったから彼は人を斬る事に躊躇いがなくなりました。ですが、心の傷という点では既に満身創痍です。

 前世の記憶があったからまだ動けていますが、それがなかったら洗脳じみた大人達の行動と環境に心が折れて奴隷の様な日々を続けていたでしょう。

 現在はアリサを始め、『人としての扱ってくれる人達』がいるからだいぶ持ち直しています。もしかしたら、彼が人間性を完全に取り戻せる日もくるかもしれませんね。

 主人公の第二の人生ハードモードすぎ?だってこれ『ナー部劇』ですし、雑につらい過去は普通かなっと。




嘘予告!



 開拓村の住民が次々と皆殺しにされる怪事件が発生!一つ二つならともかく、十個の村が消えたと商人から報告があった。

 そして、その中にはシュミットの生まれ育った村も。

 ギルドからの依頼で調査に乗り出すシュミット達。二人はそこで人工的に作られた魔物と遭遇する。

 ドラゴンに匹敵する強さをみせる怪物に死にかけるシュミット達。彼が怪物のブレスで死ぬ寸前、謎の少女が危機を救った。


「……今度は、ワタシが守るから」


 そう告げる白銀の髪をなびかせた美しい少女。彼女はドルトレス王の手記にも断片的にしか残っていない二百年前の魔法研究の遺産を纏い怪物を追い払った後、アリサに憎しみの籠った目を向けて去っていった。

 はたして少女は何者なのか。あの怪物の正体はなんなのか。そして暗躍する影……真相を追い、シュミットは剣を振るう!


次回!『TSヒロイン欲が暴走しました』、ご期待ください!!


※噓予告です。本編とは一切関係がありません。




読んで頂きありがとうございます。

感想、評価、ブックマーク。励みにさせて頂いております。どうか今後ともよろしくお願いいたします。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 謎の銀髪巨乳美少女の手助け…… 一体何ージくんなんだ……? とりあえず呼び名が銀髪巨乳美少女だと不便なんで、パッと思いついた他意のない仮名で、ドーラ(仮)とかどうでしょう?
[一言] 役割終わってんのか…… 銃より剣のほうが上手い説ない?
[一言] >次回!『TSヒロイン欲が暴走しました』、ご期待ください!! >※噓予告です 構わん 続けたまえ(碇ゲンドウのポーズ)
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