プロローグ
初めまして、ボス(笑)と申します。
本作品は処女作となっております。
ストーリー構成、キャラ設定等色々と甘い点がございますが、できれば気にせずにお読みいただければと思います。
異世界キャラがメタい発言をするかと思いますが、それも気にせずに。
プロローグ
魔王「明日正午より、貴国を皮切りに人間種を滅ぼすことにした。
これは、正義の行いである。人間種が糧と捉えている我ら同胞狩りに対し、反旗 を翻し、逆に人間狩りを行う。」
唐突に宣戦布告を受けた我が国では、戦争の準備などできておらず、慌ててい…なかった。
国王「何これ?破り捨てておいて」
宰相「は‼かしこまりました。早速処分いたし…え?」
国王「え?ではない。処分せよと言っておるのだ」
宰相「些か判断が早すぎるのでは、国交を結んでおらず、国としても認めてはおりませんし、テロ行為に過ぎないとは言え、国民が危険にさらされます。何か対策を立てねばなりませんぞ。」
国王「え~~~。そんな金ある?」
財務大臣「ないです」
国王、宰相「「だよね~」」
国王「どうするかな~~~。軍備を整えるにしても、法律から変えないといけないしな~。国民が五月蠅いしな~~。」
宰相「では、国王。転生者召喚の儀を執り行うのはいかがでしょう」
国王「まぁ、妥当かな。それで行こう。国民はそれでパニックになることもないと思いたい。他国には事後報告でもええやろ」
宰相「誰が報告するんですかね~~、私は嫌ですよ」
国王「ええ~~~、やってよ~~。」
宰相「しゃーーないな。やってやんよ。」
国王「それでこそ宰相、よっ、王国一」
財務大臣「漫才は終わりましたか。それでは早速巫女を呼びつけて儀式を執り行わせます。」
国王、宰相「夜露死苦!!!!!」
財務大臣はこれ以上漫才に付き合ってられないと思い、早々に退出した。
その足で、巫女ユリ・アンジュのもとへ行き、事の詳細を伝えた。
ユリ「承りました。儀式を執り行います。本日は丁度満月の日。良い人材が召喚されることを私も祈っております。」
財務大臣「二つ返事で承諾とは…。ありがたい。では」
ユリ「お待ちください。依頼をして、はいさようならでは世の中の経済は破綻いたしますよ。」
財務大臣「…何が言いたい」
ユリ「出すもの出せ、ということです。」
財務大臣「ですよね~~~。」
ユリ「国王、宰相漫談に毒されましたか。貴方までその輪に入っては、会議が新喜劇になりますよ。」
財務大臣「国王、宰相だけで新喜劇状態だよ。あんなのに税金を使うのは気が引ける。」
ユリ「眠ってる大臣がいないだけまだマシでは?国民からも好評ですよ。」
財務大臣「子供だけだがな。早いとこ亡命しようかな」
ユリ「他国も同じようなもののようですよ。これを」
ユリは隣国(ドワーフ民主主義人民共和国、イム連邦)の情報誌を見せてきた。
財務大臣「どれどれ、あ~~~、だめだこりゃ。ドワーフは議会進行がオペラ調で開かれてるけ
ど、イム連邦に至っては…え?これマジ?踊ってるんだけど」
ユリ「マジです。議長が毎回セットリスト考えてるようですよ。ちなみにイム連邦での人気の職業はDJだそうです」
財務大臣「世も末だな。なんか魔王軍に行ったほうがマシかも」
ユリ「そんなことより、お金の話です。お金~~」
財務大臣「そうだったわ、忘れてなかったのね」
ユリ「いくら払えます?」
財務大臣「まず見積もりを出して」
ユリ「ほぼ寡占状態なんだから要らないでしょ。既にありますけど…」
財務大臣「どれどれ。え?こんなに?」
ユリ「材料費がかかりまして、昨今の単価はこんなものですよ」
財務大臣「マジか~。それでもやってくれ。取り合えず、これ頭金。」
ユリ「毎度ありがとうございます。今後とも宜しくお願い致します。」
財務大臣「急にキャラ変わるな~。まぁ、宜しく」
そんなこんなで、財務大臣がユリの教会から出ていく直前、
財務大臣「後、軍師として近日中に召集がかかるから。」
ユリ「ファ?( ゜д゜)」
財務大臣「ノシ」
ユリは混乱しながらも召喚の儀式の準備に取り掛かり、
ユリ「こんなものかな。後は葱の青い部分と皮付き生姜、にんにくは大量に入れてっと」
夜な夜な寸胴鍋に大量の材料を入れ、煮込んでいく。
さながらラーメン屋の仕込みのようである。
その時ユリは気付いていなかった。というより知らなかった。
本日の月は満月(十五夜)ではなく小望月(十三夜)であった。
多少欠けていたのである。
ユリ「後は、硬め、濃いめ、多めに調整すれば、・・・できた。」
完全にラーメンを作っているようにしか見えないが、召喚の儀式である。
いたって真面目に取り組んでいるのである。
にんにくの独特の臭いがあるため、王宮ではできない。
そんなこんなで、儀式は完了し、転生者が現れた。…寝たまんまで。
ユリ「クッサ!!!!!作ってた時はそんなに気にならないんだけどな~~」
ぼやきながら、寝ている転生者に水を頭からぶっかけてく。
粗方臭いが取れ、ベットに寝かせ、後かたずけを行っていく。
儀式の後片付けも終わり、一服していると、転生者の寝室からも音が聞こえた。
(やっと起きたか、面倒だな。)
と思いつつ、寝室へ向かう。