金盞花(マリーゴールド)
時刻は23:00とある会社のオフィス、男女2人が息を切らし、汗が滴り落ち……決してそのような行為をしていた訳では無いが……
「終わった…」
俺は眠い目を擦り汗を拭くことすらできないほど疲れていた
「先輩…お疲れ様です。」
同じく、今にも寝てしまいそうな虚ろな目を向け机に伏せている白雛が絞り出すように言った
「お前…残ってるって、少しじゃなかったのか?」
「すみません、間違いの訂正をしてたら間違えて消してしまって…」
「お前、バックアップ取っておけよ…」
俺は呆れたように告げると
「… … … 先輩、忘れてました。バックアップちゃんと取ってありました」
彼女は申し訳なさそうに呟いた。
「スッーッ、つまりこの作業は…」
「はい、意味なかったですね…」
「……帰るか、帰りにコンビニ寄って酒でも買おうそんで酒に酔ってこのことは忘れよう。」
怒る気力もなくなっていた俺は宅飲みしようと提案した。
「そうですね…お邪魔させてもらいます。私のミスなので私に奢らせてください。」
彼女は提案を飲み、自分が奢ると言った。
「んじゃ、帰るか…。」
俺は重い腰を上げてタイムカードを切り退社した。
マリーゴールドには「絶望」という花言葉があります