表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

プロローグ

初心者です。よろしくお願いします!!

更新は亀です。。頑張ります。

ふざけないでよ。

こんな終わり方ってないじゃない。


そう思いながら曇天の空を睨みつける。


雨の音に混じってサイレンの音が段々大きくなった。

ああ、こっちに近づいてくるのね。



体が燃えるように痛いのに、動かない手足や顔に冷たい雨がどんどんあたって体が冷えてくのが分かる。

朝から降っていた雨は今が完全にピークなんだろう。

土砂降りだ。



…寒いわ。

さっきまで煩いほど聞こえてきた喧騒もサイレンなどの機械音も。

だんだん遠のいていく。



意識が黒くに染まっていく。





「---!おねえちゃああん!」


悲鳴だ。

なんとかあ瞼を押し上げるけど、ぼやけていて見えにくい。

たぶん、くしゃくしゃな顔をした男の子が叫ぶように目の前で泣いている。


…そんなに叫んだら声かれてしまうじゃない。


でも良かった、良かった。

助かったのね。

駄目じゃない、黄色の点滅は急げじゃなくとまれだって教えたのに。


いつものように撫でてあげたいけれど難しそうだ。

手は動かず、首も回せない。


だから笑みを作った。…あなたのせいじゃないわ。そう言いたくて。

残念な事に、この声が届いているとは思いにくいけれど。




話し声も、車のブレーキの音も、人々が行き交う足音もまるで一つの音のよう。雑音が時々混ざり聞こえてくる。


あれは救急車?

降りてきた隊員が何か言っているけれど・・・駄目だ、聞き取れない。


フェードアウトしていく音に合わせて霞んでいく視界。

その端の端に映った、見知った人物。


赤いチェックの傘を強く両手で握りしめて、震えている。今にも崩れ落ちそうだ。

…目が、あった?

何か小刻みに口走っているようにも見えるけど、さすがに聞きとることは不可能。



ああ、もしかして震えて泣いてるのかしら?


…馬鹿じゃないの。だから言ったの。

あなたには向いてないって。

大体、泣きたいのはこっちだわ。


……ああ、

悔しい。悔しい!悔しい!!




これで終わり?




もう涙すら出ないのに。

こんなところで終わるなんて嫌。

みんなが傷つくって分かっているの。


なのに、これが私の役割だというの。

これが私がするべき事だっていうの。


ーーーーーーーーー冗談じゃないわよ。


そんな決意を最後に、全てを黒く、黒く塗りつぶされていく視界。


もう、冷たさも何も感じない。


最後に映ったのは目の前で泣きじゃくる男の子を抱きしめる誰かの後ろ姿。

見知らぬ、その後ろ姿に暖かさを感じる。


……誰かしら

そんな疑問を最後に全てを黒にのみこまれていった。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ