表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

侵攻

 日が昇る少し前、別動隊率いるオーネは国境線の東にある森の中にいた。

 私は、部下に聞こえる程度の声で、

 「まだか。夜明けは!」

 私は、速くアース国に侵攻したい。別に、私は戦闘狂でなければ、アース国に恨みも持っていない。

しかし、陛下の望みとなったら、話は別だ。早く陛下のお役立てたい。

 そんなことを考えていたら日が昇ってきた

 気持ちが高まりすぎて声が少し上ずった

 「ようやくか!」

 

 一方、オーレス軍本隊の総大将のレックスは、国境線の西側の平野に陣を構えていた。

 レックスも日が昇るのを待ち望んでいた。

 そして、遂に日が昇ってきた。

 東側が騒がしくなってきた

 「オーネ、上手くやったようだな」

 レックスは、座っていた椅子から立ち上がった

 居並ぶ兵士たちに命じた

 「全軍に告ぐ。アース国へ侵攻する。陛下のため、祖国のため命に代えても戦果を挙げろ!!」

 「「おおっ!!!」」

 割れるような雄たけびが大地に轟く

 

 本隊がアース国に侵攻している時、別動隊は奇襲が成功した。

 さらに、ヨウレイ率いる黒狐隊が攪乱して、敵側は混乱していた。

 そんな状態の国が防衛できるはずもなく、主だった戦闘もなく敵城へと迫った。

 その頃にはアース国の優勢は確固たるものになっていた。

 サイヤン城の城門を突破したと同時にアース国王べジアンは、城兵の助命を引き換えに降伏する旨の使者を送ってきた。

 この条件を和樹が承諾して、アース国はオーレス国に降伏した。

 

 和樹は、戦後処理のためにサイヤン城に来ている。

 

 俺が真っ先にやらないといけないのは、国王家族の処遇だ。

 俺はサイヤン城の玉座に座る。

 そこに、縄に縛られた国王べジアン、王妃シークネ、王女フォーネが連れて来られた

 「面を上げよ」

 「和樹殿、城兵の助命をしてくれてありがとう。」

 「あぁ。だが、国民に示しをつけるためにべジアン殿たちは生かしては置けない」

 「私の命は良いが。妻と娘の命は取らないで欲しい」

 「この通りだ」

 そう言うと、べジアンは深々と頭を下げた。

 「あなた、私も一緒に参ります」

 「シークネ、だが..」

 「どこまでも、お供します」

 「そうか。ありがとう」

 「和樹殿、私からもお願いたします」

 「いえ、私も父上と母上と共に..」

 「だめだ。お前は生きろ」

 「しかし、父上..」

 「私たちの分も生きてフォーネ」

 「母上..」

 少しの沈黙が訪れた。

 「和樹殿、フォーネを頼んだ」

 「分かった」

 「オーネ、二人を連れていけ」

 「はっ」

  

 

 3日後、アース国元国王夫妻は処刑された。


 後世、この戦いはオーレス帝国初代皇帝カズキの最初の戦争として語り継がれていく。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ