8 王国からの使い
「・・・・・・」
窓から朝日によってエリナは、目を覚ます。
「ここは、私の部屋?」
起きるとそこは、エリナが泊まっている宿の自分の部屋だった。
「思い出した、私は、スタンピードでドラゴンと戦って・・・・・・」
思い出したエリナは、着替えて部屋を出る。
部屋を出て下に降りると女将と目が合った。
「エリナ!! 目が覚めたのかい、良かったよ!!」
女将は、エリナが目覚めた事に安堵する。
「私は、どうなっていたんだ?」
「アンタ、覚えてないのかい? ドラゴンと戦って倒した途端気絶したんだよ、で他の冒険者達がアンタを抱えて連れて来たのよ」
「そうだったのか、私は、どれくらい寝ていた?」
「丸一日よ、目覚めて本当に良かったわ」
「そう、心配掛けてしまったか」
「良いのよ、アンタ無事に目覚めたなら、そうだギルドからアンタが目覚めたら来るようにって言われてたのよ、でどうする?」
「なら、今から行くよ」
「大丈夫かい? もう少し休んでからでも」
「問題ない」
そう言ってエリナは、冒険者ギルドに向かうのだった。
冒険者ギルドにつきエリナは、中に入る。
「エリナさん!!」
受付嬢がエリナの姿を見つけ駆け寄って来る。
「もう、大丈夫なのですか?」
「問題ない」
「そうですか、本当に良かった」
「おう、エリナ来たか!!」
ここでギルド長も現れる。
「この国を救った英雄が目覚めて良かったぜ」
「英雄?」
ギルド長の言葉にエリナは、首を傾げる。
「ああ、そうさタイラントドラゴンは、国を滅ぼした魔物だって伝説もあるからなそれを国に入る前に立った一人で倒したんだ、これを英雄と言わずしてなんと言うんだ? それとなドラゴンを討伐したから《竜殺しの英雄》の称号がつくぞ」
「別に興味ない」
「まあ、そう言わず貰えるものは、貰っとけってそれと討伐したドラゴンの素材についてだけどな、討伐したお前さんに決めてもらいたいんだがどうする?」
「素材なら、全部ギルドにやる」
「おい、良いのか? こっちは、ありがたいがせめてドラゴンの肉とか貰ったらどうだい? ドラゴンの肉は、旨いぞ」
「必要ない」
「いや、そうもいかねえんだよそもそも全部買い取れる金が用意できねえんだ、だから、牙とか爪とかの部分は、買い取るがせめて肉とこの生き血を持って行ってくれ」
「肉は、わかるが生き血?」
「ああ、この生き血は、結構凄くてなドラゴンの生き血なら高値で取引されるし、あのエリクサーの素材にもなるんだ、持っていて損は、ねえから、それに収納袋を持ってるなら、保存も効くだろ?」
「・・・・・・わかった」
エリナは、承諾してタイラントドラゴンの肉と生き血を貰いそれ以外は、いつも通りギルドに出し、その分の報酬と今回のスタンピードの功績分の報酬を貰うのだった。
報酬を貰ったので今日は、依頼をせずに帰ろうとしたら。
「ここにSランク冒険者のエリナと言う者は、いるか?」
ギルドの入口に騎士達を連れた者が現れた。
「おお、そこにおられたか」
男は、エリナに近づく。
「私は、王国の騎士団の騎士団長をしている、ドレファスと申す貴殿を探していた」
「王国の騎士団長がこんなゴロツキ共の集まる場所に何の用だ?」
「貴殿は、ここのギルド長か?」
「ああ、そうだ」
「ならば、エリナ殿と話をさせてもらえないだろうか?」
「良いけど、俺も同席させてもらうぜ、一応冒険者管理する所の長だからな」
「ああ、構わぬ」
「なら、俺の部屋に行こう、エリナお前さんも付き合え」
「・・・・・・」
エリナは、不機嫌な顔でギルド長室に向かう。
「それで、話ってのは、何なんだ?」
ギルド長がドレファスに問う。
ギルド長室には、騎士団長のドレファスと後ろに騎士が数人立っていて。
向かい側には、ギルド長とその隣にエリナが座っている。
「話と言うのは、国王陛下がエリナ殿に褒美を与えたいと言っておられる」
「褒美?」
「エリナ殿は、スタンピードで大層な活躍をしさらにタイラントドラゴンを討伐した、騎士である我々としては、情けないがもしエリナ殿がいなければ今頃この王都は、炎に包まれ相当な被害にあっていただろう、最悪国が滅んでいたかもしれない」
「まあ、確かにそうだな」
ドレファスの言葉にギルド長も頷く。
「そうなる前にタイラントドラゴンを討伐したエリナ殿は、いわばこの国の英雄だ、国を救ってくれたエリナ殿にぜひ何か褒美を与えたいと陛下は、おっしゃっておられる、そこでエリナ殿にぜひ王城に来ていただきたい」
「・・・・・・断る」
ドレファスの言葉にエリナは、そう返事をした。
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