4 スタンピード
いつものように冒険者ギルドに来たがギルド内がやけに騒がしく職員達も慌てた様子だ。
「あ、エリナさん!!」
受付嬢がエリナを見つけ急ぎ足で向かってくる。
「何かあったのか?」
「スタンピードです!!」
「スタンピード」
スタンピードそれは、年に一度は、起きると言われている、魔物の大量発生である。
何故発生するのか理由は、明らかにされていないが、魔物の大量発生が起きその中には、強力な魔物も現れるのである。
「現在、Bランク以上の冒険者達に声を掛けています!! エリナさんもスタンピードの魔物討伐に向かってください、これは、ギルドからの依頼です!!」
「・・・・・・どこに行けばいい?」
「王都の入口に向かってください!! そこにギルド長や他のBランク以上の冒険者もいるはずです!!」
「わかった」
エリナは、そのまま王都の入口に向かうのだった。
王都の入口に到着したエリナは、ギルド長の姿を確認したのでギルド長の所に向かった。
「おう、エリナ来てくれたか!!」
ギルド長がエリナの姿を見て声を上げた。
「Sランクのお前さんが来てくれるとは、心強いぞ」
「状況は?」
「嵐の前の静けさって奴さ、だがもうすぐ魔物の大群が来るぞ」
「こっちの戦力は?」
「Bランク冒険者パーティーが七組とAランク冒険者パーティーが四組だSランクは、残念だがお前さんだけだ、他には、王国から騎士団や魔導士団が来てくれている」
「王国」
王国と言う言葉にエリナは、不機嫌な顔をする。
「まあ、こんな時に勇者が生きていてくれていれば良かったがな」
「勇者など必要ない」
勇者と言う言葉にエリナは、さらに不機嫌な顔になる。
「あー、悪かったよ」
ギルド長は、自分の失言を謝罪する。
「しかし、お前さん王国や勇者って聞くと嫌に不機嫌になるが何かあったのか?」
「話す必要があるのか?」
「いや、余計な詮索は、しないさ冒険者には、訳ありも多いからな、初めてお前さんを見た時も何か訳ありだと思ったからな」
「・・・・・・話したところで信じてもらえないさ」
「? どう言う意味だ?」
「言葉通りの意味さ、誰も私の話など聞いてくれないし信じてくれない、だからもうどうでもいい」
「・・・・・・どうやら相当根が深い話のようだな」
エリナとギルド長が話をしている途中誰かが叫んだ。
「来たぞ!! 魔物の大群だ!!」
その言葉を聞き冒険者や、騎士団、魔導士団達が一斉に王都の入口に向かう。
「どうやら、お出ましのようだな、俺達も行くぞ」
エリナは、ギルド長と共に王都の入口に向かった。
王都の入口その先には、広い草原の大地が広がっている。
普段なら商人や旅人が来るが今目の前には、魔物の大群がいた。
『グウウウウウ』
『ギギャアアア』
『グオオオオオ』
見ると低ランクの魔物から高ランクの魔物まで大量に辺り一面にいた。
「おうおう、こりゃかなりの数だな」
「・・・・・・」
エリナは、目の前の魔物の大群を見ている。
「魔法師団、魔法用意!!」
魔法師団の団長の掛け声と共に魔法師団が魔法を放つ準備を始める。
「十分に魔物共を引き付けるんだ!!」
魔法師団の団長の指示により魔法師団は、魔法を維持している。
魔物の大群は、歩みを進めていく。
「今だ!! 放てええー!!」
団長の掛け声と共に魔法師団は、魔法を魔物の大群に向けて放つ。
魔法は、魔物の大群に直撃した。
『グオオオオオオオ!!』
『ギャアアアアアア!!』
魔物達は、焼かれていき灰になって消滅していく。
「今だ!! 騎士団よ続けええー!!」
『おおー!!』
王国の騎士団長の合図と共に騎士団が一斉に魔物の大群に攻め込む。
「おい、王国の騎士達に後れを取るな!!」
「俺達も行くぜ!!」
冒険者達も一斉に魔物の大群に攻め込む。
「・・・・・・」
エリナも刀を抜く。
「おい、エリナ行くのか?」
「私は、前線でしか役に立たないだろ?」
「わかったよ、死ぬなよ」
「・・・・・・」
ギルド長の言葉にエリナは、何も言わず戦場に向かった。
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同時に投稿している作品「魔王様、今日も人間界で色々頑張ります」もよろしくお願いします。