118 試練 4
新年明けましておめでとうございます。
2022年最初の投稿です。
今年もよろしくお願いします。
次の試練の竜人達は、暗殺者のような戦い方をする者達が多い。
エリナは、闘気を使う者の戦い方を見ながら戦う。
そして隊長クラスのいる場所に辿り着く。
「暗殺部隊隊長ダークドだ」
ダークドは、短くエリナに自己紹介する。
「お前がここの試練の隊長か、戦う前に、ラフォリア」
エリナは、精霊のラフォリアを呼び全体が見渡せる高い場所に置く。
「こいつが見ている景色を私と共有する事ができる、戦いの邪魔には、ならないから許してくれないか?」
「構わん」
「そうか、じゃあ始めようか」
エリナは、妖刀を構える。
「・・・・・・」
ダークドは、その場から特に構えもせずに立っている。
(来ない・・・・・・いや、後ろか!!)
エリナは、後ろに振り向き妖刀を振る。
すると妖刀に短刀が当たる。
ダークドは、背後を取ってエリナに不意打ちを仕掛ける暗殺者の動きをしていたのだ。
(いつの間に後ろに、いやラフォリアの目を見ているがまだ相手があの場所にいるぞ)
エリナが後ろを振り向くとそこには、ダークドの姿があるがエリナの目の前にもダークドの姿がある。
ラフォリアと目を共有しているため間違いなくダークドが二人いる事になる。
(どうなっている、ん?)
見ると先程エリナに不意打ちを仕掛けた方のダークドの姿が消えていく。
(消えた?)
エリナは、再度振り向くが最初の位置にいたダークドは、そのまま存在している。
「まさか、今のは、闘気で作り出したのか?」
「そうだ、俺の闘気で具現化させた分身のようなものだ、姿形だけでなく、持っている武器も具現化できる、違うのは、話せない事ぐらいだな」
「闘気にこんな使い方もあったとはな」
「だがもう一人の自分を出し動かすのは、かなりの神経がいる」
「なるほど、だからお前は、その場から動かなかったのか」
「だが、簡単なものなら大量に生み出せる、こんな風にな」
ダークドは、短刀を出しエリナに投げる。
だが短刀は、瞬時にたくさんの短刀に分身し大量の短刀がエリナに襲い掛かる。
「くっ」
エリナは、妖刀で短刀を叩き落とす。
(わずかなかすり傷でもダメだ、一本でも受けたら終わる)
エリナは、なんとか一本もかすらずに全てを叩き落とす。
「かすり傷一つ受けないとは、見事だ」
「お前は、暗殺者だからな、暗殺者なら武器に何も仕込んでいないわけがない」
「確かに、この短剣には、身体を痺れさせ動けなくさせる毒が塗られている、かすっただけでも巨大な生物を動けなくさせるほどのな」
「試練だから相手を殺さない毒にしているのか」
「察しが良いな、敵なら確実に死ぬ猛毒を塗られた短剣を使っている」
「本気で殺しに掛かればかすっただけで死ぬか」
「そうだ、続けるぞ」
ダークドは、先程と同じように短剣を投げ闘気で短剣を分身させる。
しかも先程よりもさらに多くの短剣に分身させて。
(さっきより数が多いが全部叩き落とすまで!!)
エリナは、短剣を全て叩き落とすがその一瞬の出来事だった。
ダークドがエリナの背後に忍び寄る。
(しまった、短剣にばかり目が行っていた、分身を生み出すのは、神経がいると言っていたが自分で動けないとは、一言も言っていない)
「終わりだ」
ダークドがエリナに短剣を突き刺す。
エリナは、短剣にのみ反応していたからダークドの攻撃に反応できない。
それでも反応しようとするがエリナの身体がふらつく。
(クソ!! ここまでの戦いでの疲労が出て来たか)
傷を負っていないとはいえ、ここまで三十九人も強敵と相手をしてきたエリナ。
体力が減っていないはずがない。
(こんなとこで負けるわけには、いかない、限界が何だ!! 動け!!)
エリナは、無理にでも動かそうとするが。
「捉えた」
剣がエリナの右腕に当たる。
「・・・・・・」
「何!?」
ダークドは、驚く。
短剣は、エリナの右腕に当たったが右腕には、傷一つ付いていない。
「ふっ!!」
エリナは、右腕を振り妖刀でダークドを切るがダークドは、瞬時に闘気を纏いガードするが吹き飛ばされる。
「まさか」
ダークドは、エリナを見る。
するとエリナの右腕そして持っている妖刀には、何かが纏っていた。
読んでいただきありがとうございます。
同時に投稿している作品「魔王様、今日も人間界で色々頑張ります」もよろしくお願いします。




