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短編小説(非エントリー)

空に

作者: orinpos

文字数少なめです。よろしくお願いします。

 たった一人で立っている。ここに来るまでにどれだけの人に出会って、そして迷惑をかけてきたのだろう。身に余るほどの夢を抱え、それに向かってただ闇雲に走ってきた。身を案じて引き留めてくれた人もいた。無理だ、と言って私を嘲り笑うやつもいた。それでも私は進むことを決めた。

 壁の前に立っている。頂上が霞んで見えないぐらいの高い壁。引き返してやろうかと思ってしまう。もうここまで来たのだからと、いいんじゃないかと。振り返っても誰もいない。けれど遠くで、本当に遠くであなたが笑っているのがわかる。私の背中を押してくれたあなた。きっとあなたからは私に姿など見えていないだろう。あなたが笑っているのは、わたしがあなたの目の前にもう一度現れるとわかっているから。あの時の地面に蹲っていた私ではなく、夢の舞台へと羽ばたく私が。

 ぎゅっと足に力を籠める。私が飛び立つ姿など誰も見ていない。この空を飛び回る私を見て、人は才能だと、私には翼があったからだというだろう。私を飛ばせてくれたあなたでさえも。それでも構わない。ただ、あなたに見せたい。この空を大きく舞う僕を。

 今までの全てをこの背中に背負って。大きく振りかぶって。空に舞う。空に響く。

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