4 悠々自適な異世界バカンス
俺はその家で、しばらく悠々自適に過ごした。
なんせ異世界移住の目的はバカンスだ。
何も起きないのがいい、とりたてて何をやろうという気もない、他人との関わりも面倒だ。
幸いほとんどすべてが自己完結した。
食べ物は、こちらも不思議な冷蔵庫があって、
食べたいものが、どういう仕組みかはわからないが、すぐに届いた。冷たいもの以外もだ。
服などの基本的な生活道具も揃っている。
不足しているものはなかった。
とはいっても、せっかくだからとたまに街に出ることはあった。
ここでは何でも買えるし、観光するのにも十分楽しめるようなところだ。
東京っぽいところもあれば、ヨーロッパのようなところもある。
屋台式のマーケットがあると思えば、大型ショッピングモールもある。
何もかもが統一性がないようで、それでも自然とつながっている街だ。
それから、空を飛んだりもしていた。
最初はバランスをとることや力の調整が難しく、酔いそうにもなっていたが、だんだんと慣れてきた。
そこまで、遠くにいったわけではないが、割とどこまでも飛んでいけそうだ。
海はどこまでも続くようだが、島がいくつかあっった。
陸の方も、最寄りも街以外にも複数の街があることが確認できた。
他の街にも少しは出向いたが、街によって雰囲気が違って、新鮮だ。
バカンスには、観光も大事だね。
どうしてなかなか、いい暮らしをさせてもらっているもんだ。
異世界バカンスの夢が叶った。