1 朝、仕事にいこうと部屋のドアを開けたら、 異世界への入り口があった。
朝、仕事にいこうと部屋のドアを開けたら、
異世界への入り口があった。
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俺は普通のマンションのワンルームに住んでいる。
会社員だ。
仕事は好きではない。
めんどくさいし情熱も持てない。
毎日仕事にいくのはだるい。
趣味はアニメ鑑賞。アニメをみているときは安らげる。
最近やたら、異世界系のアニメ多いよな。
みんな現実逃避したいんだろうな。異世界いいよなあ。
俺にも異世界現れないかなあ。
魔王討伐とか別にいいから、異世界でのんびりバカンスしたいわ。
そんなことばかり考えているやる気のない人間だ。
今朝も重い気持ちのまま部屋を出ようと、ドアを開けた。
・・・!
マンションの廊下に、ブラックホール的なものが・・・!?
しかも、その上には、「異世界への入り口」と、何やら書いてあるぞ・・・?
え、異世界への入り口なの?
え、これ、入ればいいの?
まあ、普通に入れそうなサイズ感ではあるな。
真っ黒で全然先見えないけど。
え、どうする?入っちゃう?
右へ行けば、マンションのエレベータから会社へ続く道。
かたや、左には「異世界への入り口」がある。
そんな状況だ。
願ったり叶ったりとはまさにこのことだろう。
仕事なんて全然行きたくないんだから、異世界一択だ。
アニメのみすぎな俺はそう思った。
ふと頭をよぎった。
ところで、これ、そのうち戻ってきたりできんのかな。
一生異世界のまんまなのかな。
ま、いいか。
こんなおもしろそうなことを逃すわけにはいかん。
なんとかなるさ。
俺は「異世界への入り口」に近づいていった。
近づいてもやっぱり真っ黒なんだなと思った。
よいしょっ
俺はブラックホールに吸い込まれていった。