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やっと、アタシの中の嵐が収まってきた。
テーブルに置いてあるコップを右手に持って、左手を腰に当て、オレンジジュースを一気飲みする。
もちろん、素っ裸だ。
「ベジ太!!」
アタシが呼ぶと、ベジ太の身体がピクッと動いた。
ベジ太はアタシと同じ素っ裸でギロチン(本物じゃないだろう)の台に首と両手首を固定されてる。
頭には中世の騎士の兜を被ってる。
アタシはプリッとしたベジ太のケツを左手で思い切り叩いた。
「ベジ太!!」
「は、はい!!」
ベジ太の声は兜で反響してる。
アタシは兜をベジ太の頭から引き抜いた。
髪の毛がペチャンコになったベジ太の顔が出てくる。
ギロチンを開けて、ベジ太を解放してやった。
ベジ太の足元がフラフラと頼りない。
手を貸して、ソファーに座らせてやる。
アタシも隣に座った。
「ポテ子さん…」
ベジ太が言った。
「何だよ?」
「お、男の人と女の人の…その…すごいんですね…想像の100倍くらい良かったです。ボク、初めてだったので…」
なぬーーーっ!!
ベジ太!!
ベジ太、ベジ太、ベージー太ーーっ!!
童貞だったの!?
ごめん、ハードすぎる初体験させちゃって!!
アタシは思わず、ベジ太のほっぺたにキスした。
ごめんな、ベジ太の童貞。
これで勘弁してくれ。