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「もういいだろ! いいかげんにしろ!!」
アタシの剣幕に、ベシ太は少し顔を曇らせた。
「もうちょっとだけ、お願いします」
ベジ太が頭を下げる。
しょーがねーなー。
「早くしろよ!!」
「んー」
ベジ太が唇を尖らせて迫ってきた。
唐突なマックス感!!
アタシとベジ太の唇が重なった。
ベ、ベジ太、アグレッシブ!!
ぐいぐい濃厚なのくる!!
なんか。
アタシに火がついてきた。
ベジ太、やったな。
やりやがったな!!
アタシが両腕に力を込めると、ロープが緩みだした。
ベジ太!!
ぬかったな!!
ちゃんと縛れてねえじゃねえか!!
アタシは腕のロープを解いて、ベジ太を突き飛ばした。
「ギャッ!!」
ベジ太が叫ぶ。
後ろへ、ひっくり返った。
その隙にアタシは脚のロープをほどく。
床でバタバタしてるベジ太は、まだ立てない。
アタシはベジ太に向かって、興奮したゴリラみたいに飛びかかった。
ふー。