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ベジ太が土下座した。
「ポテ子さんをどうしてもボクのものにしたかったから、スタンガンで気絶させてここまで連れてきました。ごめんなさい!!」
ベジ太!!
やりやがったな!!
それでスーツケースを持ってたのか!!
「てめー!! 完全に犯罪だぞ!!」
アタシは吼えた。
「今すぐ放せ!! ロープを解け!!」
ベジ太が顔を上げた。
ゆっくりと首を横に振る。
「ポテ子さん、それは出来ません」
「てめー…」
「もう、ポテ子さんはボクのものですからね。今から、やりたい放題ですよ、フッフッフッ」
悪の親玉みたいな笑い方しやがって!!
全然、似合わねえんだよ、このクソガキめが!!
「どうするつもりだよ…」
「そうですね、まずは」
ベジ太の右手がアタシの頭に伸びてきた。
ベジ太がアタシの頭を。
優しく撫でた。
「撫で撫で」とベジ太。
「ポテ子さん、いつもバイトでフォローしてもらってありがとうございます」
お、おう。