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「あ! ポテ子さん、目が覚めましたか。丁度、飲み物をと思って、起こそうとしたところでした」
ベジ太はアタシの真ん前に座った。
ニコニコしてる。
「べージー太ー」
アタシは腹の底から低い声を出した。
「何だよ、これは!?」
ベジ太がニヤリとした。
「いいでしょ? ポテ子さんのと似たのが欲しくて。探すのに苦労しましたよ」
「ジャージのことじゃーねーよ!!」
「ええ!?」
ベジ太が驚く。
驚きたいのはアタシだ。
「ここはどこだって訊いてんだよ!!」
「は、はい!!」
ベジ太はコップをテーブルに置いて、横になってるアタシの身体を起こした。
ソファーに座らせてくれる。
ベジ太がアタシの眼を見た。
「ここはボクの部屋です。おじいちゃんがマンションのオーナーなんです」
「ふーん」
ベジ太は金持ちだったのか。
「てかっ!!」
アタシは思い出した。
「ベジ太、アタシに何をしやがった!?」
「わ! すみません!!」