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その事情は長くなるから割愛する。
うつ伏せでピクピクしてるベジ太を置いて、アタシは家に帰った。
アタシは22歳。
絶妙にフライドポテトを揚げるのが上手いから、居酒屋の大将やバイト仲間には「ポテ子」と呼ばれてる。
ベジ太はアタシの半年後に入ってきたバイトだ。
年齢は確か20歳。
アタシと違って「頭の良い大学」に通ってるって、他のバイトと喋ってるのを小耳に挟んだ。
見た目が若くて、下手したら中学生に見えなくもない。
アタシからするとナヨナヨしすぎてるが、まあイケメンってやつだ。
実際、他のバイトの娘たちには「かわいい、かわいい」と、ちやほやされてた。
無害で野菜しか食べない草食系に見えるから、あだ名が「ベジ太」。
全然、ちげー!!
抱きついてきやがって!!
最初の指導係がアタシだったからか、やたらとまとわりついてくるとは思ってたが、まさかあんな雑な告りかたしてくるとは…。
許すまじ、ベジ太!!