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「ポテ子先輩!! 好きです!!」
居酒屋のバイト終わりに私服の上下の赤ジャージに着替えて、店の裏口から外へ出た途端に、バイトの後輩ベジ太が背後から抱きついてきた。
やりやがったな!!
ベジ太!!
このクソガキめが!!
よりによって、こんな安直な告りかたしやがって!!
なめんなよっ!!
アタシは「ふんっ!!」って両腕に力を込めて、締めつけてくるベジ太の腕を、はね返した。
高速で振り返り様に、ひねりを加えた右の掌底をベジ太のアゴの急所に、ぶち込んでやる。
「うげっ!!」
ベジ太が、うめいて、両ひざを地面に着けた。
「この三下が!! アタシが、そんな軽い女に見えんのか!? アタシのこと、ズリネタ程度にしか考えてないような告りかたしやがって!! ぶっ殺されたくなかったら消えな!! おととい来やがれってんだ! おお!?」
最後、なんか江戸っ子みたいになったけど、アタシは関西人だ。
いろいろあって上京した。






