7話 田中の家! イラスト有(〃ω〃)
お袋を見て・・・何も言葉が掛けれない。
きっとスポットライトを浴びたい人種なのだろう。
まぁ。。。歳より10以上は若く見えるし、親父と結婚して無ければ
もっと華やかな人生だったかも知れない。
お袋を刺激しない様に、2Fの部屋へと戻った。
何気なく外を見ると、警官が見張っている。アホ共が多い所為で、
警官も大変だ。そのお蔭で静かになった訳だ。
机に着くと、英語の熟語を覚える為にテキストを出して勉強を始めた。
「おい!!田中!!シャールちゃんが来てないぞ?!」
「えぇ??そんなの知らない。」
「知らねぇじゃないんだよ!付き合ってるんだろう!電話で呼べよ!」
「そんな、でたらめな・・・」
「あ~あ~。シャールちゃんだけが楽しみで学校に来たのに~」
え?いや・・・学校は勉強をしに来る所じゃないの?何て内気な僕は言えない。。
今日、家に来てくれる約束だけど・・・大丈夫かなぁ。。。
な~んて学校であってた何て知る由もない。
いつもの様に集中して勉強してる。息抜きに窓の外を見ると、まだ警官がいる。
そう言えば、冷蔵庫に果汁100のパックジュースあったな。
冷蔵庫から2本のパックジュースを取り出し、外へ出た。
「おぉぉ!!シャール様だ!! 動画撮らねば!」
「お前達!!どこに隠れてた!!」
・・・ほんと・・・どこに隠れてたのだ? 背筋に寒気がしたぞ?
追い払ってくれた警官に近づいた。
「大変ご迷惑をお掛けしてすみません。これ、宜しければ。」
2人の警官にジュースを渡す。
「いえ!受け取れません!」
一人の警官が拒否する。もう一人の警官が、
「自分は2丁目の交番勤務の伊藤和義です!!26歳独身です!!」
いや・・・誰も聞いてないし。顔が真っ赤で目が血走って怖い。。
てか・・・乳をガン見してるし。身の危険を感じる。
「お、お勤めお疲れ様です。」
ニッコリ微笑んで、会釈すると逃げる様に家へと入った。
まぁ。。警官とはいえ、人間だし地方公務員だし。。
注意に越した事はないだろう。
まだ14時か。。。学校が終わったら田中から連絡あるはずだ。
それまで勉強の続きするか。再び机に着いた。
勉強に集中してると、”キンコンキンコン” スマホが鳴る。
時計を見ると16:35だった。かなり集中して時間の経過が早かった。
”何してる?今学校出た。5時半には家に着きそう。”
”学校お疲れ様^^ 家まで変な奴が押しかけて大変(○`ε´○)プンプン!!”
”家もツィートされてたからね。大丈夫?”
”何とかね。それより、家の場所のMAP送って。”
”大丈夫?来れる?無理しなくてもいいよ。地図は送っておくね。”
”約束だから行くけど・・・服装はどんなのがいい?ジーパンでもいい?”
”ん~任せるけど・・・可愛い服装が・・・”
”分かった。楽しみにしてろ。じゃ~後で。”
”気を付けてね。”
何でも無い?やり取り?何とも微妙な気分。
田中は自分の事より、他人を思いやる奴だ。何としても田中の家にいく!
田中とは昔はよく遊んだのだが、いつの間にか取り巻く友人が変って疎遠になった。
そうそう、小学校の時に放課後サッカーをしてて、雨が降り出し泥だらけで
陽が暮れるまでやった事があった。
実は、塾をサボって遊んでた訳だ。家に帰る足が重くて帰りたくなかった。
所が、家に着くと親父もお袋も優しくて泥だらけの服の事も怒られなかった。
後日知ったのだが、田中が自分の親にお願いしてフォローの電話を
してくれていた。この時俺は、田中が好きになったんだ。
可愛い服装で行ってやるか。。てか、お袋に買ってもらった服は・・・
ミニスカートだが、上は地味だ。可愛いとは言えない。
お袋の服が着れるかもだ。まだ変な服を隠し持ってるかも知れない。
こっそり、お袋のクローゼット室に入ると物色した。
見た事ない洋服がかなりある。いつ着る用なのだ?着てるの見た事ないぞ?
なんて思いながらも、物色する。 しかし残念ながら可愛い服は無かった。
結構露出した色気物の方ばかりだ・・・まぁ。。俺が買って貰った服より
ましだろう。一着目星を付けて露出は多いが、可愛いだろう服を拝借した。
それと、ピンクの小さなバッグもだ。
そして、唇にリップを引いた。ファンデーションも付けて見た。。。
・・・何してるのだろう。。俺。。。
アホな自分に見切りを付けて2Fで試着。 少し胸がきついが大丈夫そうだ。
んで、田中の家までは俺の男用の服を着ていく事にした。
マスクして、臭い校長の帽子を被って行けば大丈夫だ。
田中の家は小学校が同じだったから校区も同じ。近い訳だ。
準備を整えて、上から男物のジャケットを着て家を出た。
警官に会釈をすると、田中の家へ向かう。
角を曲がると、隠れてるアホを数人発見。こんな所から見張ってるのか。
貴重な時間をもっと有意義に使えないものだろうか。。
警戒しつつも田中の家に着いた。SNSで到着を知らせると田中が出てきた。
「いらっしゃい。凄い格好だね。」
「ああ。変装して出て来た。庭先で身なりを整えるからまって。」
庭先の死角の場所で、ズボンとジャケットを抜いだ。
「おまたせ。」
「・・・露出し過ぎじゃない?目のやり場に困るよ。」
「別に減る物じゃない。見ればいい。」
「・・・んじゃ、みんな待ってるから。」
そう言って家の玄関へ向かう。
みんな待ってるって?お見合いか?何かやばそうな気がする。
玄関から入ると・・・家族総出でお出迎えだ。。。
お爺ちゃん、お婆ちゃん、父、母、兄貴・・・玄関先で所狭しと待っていた。
「えぇぇ!!嘘だろう?謎の美少女で超有名人だぞ?」
最初に大声を出したのは田中兄。
田中兄は俺を見てお化けでも見た様な顔になっている。
直ぐに平静を装うと、前髪を触りだし何かポーズを取っている。
イケメンで・・・それなりにキマッテるのだが・・・
俺に何か期待しても無理だぞ?と心で呟く。
「真人と仲良く、真人君と仲良くしてもらってます。シャールです。」
自己紹介を少し可愛いく振る舞って頭を下げる。
「はぁ~~。ゴージャスなお嬢さんだ。真人が連れてくる娘だから
期待はしてなかったが、ため息が出るくらいのお嬢さんだ。」
あはははは。。。一段高い所から見下ろされる訳だが。
じろじろ観察されて・・・品定めされてる様だ。
視線が痛い! 顔が熱くなるのが分かる。
ある意味拷問だ。緊張感も半端なく込み上げる。
そこに掛けてある鏡に映った自分を見て恥ずかしくなる。
これが・・・今の俺なのだが。。紅潮して紅みの帯びた顔。
早くこの場から逃げたい。。
しかし・・・入口に並ばれると家に上がれないし、威圧感も半端ない。
何か・・・隠しコマンドを出さないと道が開かないとか??そう思ってると、
「まぁ、玄関先では何だし。上がりなさい。」
「お邪魔致します。」
やっとこの圧力から解放された。
畳の客間だろう場所へと案内されると田中と並んで座る。
向かいには、5人がずらりと座った。
・・・玄関先の拷問が繰り返される事を予想。
そんな俺を見て、田中が助け船を出してくれた。
「そんなに並んで圧力かけると怖がるよ?僕の部屋に行こう。」
「え?あっ。ぅん。」
田中が立った。俺も釣られて立った。
「少しの間お邪魔します。」 とペコリと頭を下げて客間を出た。
「何か・・・ごめん。」
「いや、気にするな。助けてくれてありがとう。」
そして田中の部屋へ入った。
何てか・・・萌えアニメキャラのポスターがぎっしり貼ってある。
まぁ。予想はしてたが。それにロリ巨乳のフィギュアまである。
これも、予想済み。 部屋を見回す俺に、
「オタクっぽい部屋で恥ずかしいから・・・」
「ああ、人の趣味に口は挟まない。気にしなくてもいいぞ?」
「ありがとう。」
適当に座る。ミニスカートだから座り方にも気を遣う。
コンコン とノックの音。 カチャっと入って来たのは兄だ。
「お茶持ってきた。」
「ありがとうございます。」「ありがとう。」
お茶をガラステーブルに置くも、部屋から出る気配はない。
無言の3人。空気が重い。てか、兄の視線がキモイ。。
「真人に弱み握られてるの?」
「ん?いや、全然。」
「俺にも弱み教えろよ?」
人の話聞いてないし。。。
「いえ。こちらからお願いして仲良くしてもらってます。」
「えええ!?嘘だろう?」
「本当です。交際もお願いしてます。」
「えええ!!!こんなキモオタの何処がいいの?」
「えっと、軽い男より誠実な人が好きなので。」
「ふ~ん。変わり者だね。それより・・・その胸・・・本物?」
さっきから俺の顔と乳ばかり見てる兄。ダイレクトに聞けるってすげぇ。。
俺は田中の手を取ると、空いてる胸の谷間に手を突っ込んだ。
「どう?偽物か本物か触って兄に教えて。」
「まじか!!!2人はどこまで進んでるんだ?」
俺の生乳を揉む田中。もういいから・・・と言いたいが兄の反応が
面白くて、もう片手も服の上から乳に当てる。
「えっと・・・すごく柔らかい。」
「柔らかさでは無くて・・・偽物かどうか?って話だ。
あっ。乳首は掴むな。気持ち良くなるだろう。」
「ごめん。女の人に触った事ないから良く分からない。」
兄の目が血走ってる。悪乗りし過ぎた。。。
「んじゃ、俺が確かめる!!」 詰め寄る兄。
「それは嫌。んじゃ、偽物でいい。」
「ぐっ。。。」
「真人!!いつまで揉んでるんだ!!」
兄の怒声に慌てて手を引っ込めた。
「ああ!ごめん!!」
兄の反応が面白過ぎる。
「いや、減る物じゃないし、別にいいけど。。。
それより、お兄さんに会いに来た訳じゃないんで。。 遠慮して欲しいです。」
「ぐっ。。んじゃ、邪魔したな。」
兄は5度振り返って、何か言いたそうに部屋を出て行った。
以外に面白かった。が・・・田中の目がやばいかも。。
かなり興奮してる。さすがに身の危険を感じる。
「田中!!大丈夫か!!目を覚ませ!!」
頬を叩いて正気に戻した。
それから何もする事も無く・・・無言だ。さっきの悪乗りを反省。
部屋を見るしか・・・する事がない。田中は下を向いている。
何気に視界に入った漫画を手に取り読む。
・・・以外に面白い。そのまま田中を忘れて読み続けた。
(゜◇゜;)!! シャールのイメージ違いました?
(゜◇゜;)!! ブスでした? (_ _。)・・・シュン