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✞ 男女♡体針 ✞  作者: 自由なゆめゆめ
5/13

5話 逃げたい!

 転校一発目の自己紹介は何とか終わった。

 だが、気になる事がある。


 それは・・・クラスの凡人共見てる・・・俺の・・・

 ムチプリ動画だ!!パンストの尻と乳が丸見えだ。。

 客観的に見ると・・・これが俺だとは信じられない。


 誰がUPしやがったんだ。人生最大の汚点になりそうだ。


 さて、予想通りってか・・・授業も聞かずに、露骨に後ろを

 向いてるお前等。。キモイ。見ないでくれ。。


 だが・・・好奇心から少し微笑んでみた。


 「おぉぉっ。俺に笑いかけたぞ!!」「いや!俺にだ!!」

 

 単細胞共め。これだけで、授業が潰れるぞ?

 今更だが、俺の微笑みの破壊力は、半端無い様だ。


 俺は真面目に授業を聞くし、ノートも取る。

 そんな俺の邪魔をする奴等。。。


 うざ過ぎて・・・ストレスが溜まる。


 そして魔の休み時間。案の定俺の周りにアホが集まる。

 トイレにも行けないぞ?


 何か聞いてくるが・・・耳に入らんし、聞こえても無視だ。


 「ちょっとごめん。トイレ。」


 席を立ってトイレに移動するも、アホ共が付いてくる。

 それを無視して、女子トイレを確認して入る。

 流石に女子トイレまでは入ってこない。


 休み時間終わるまで、ここで時間潰すか。。。

 女子トイレの前で、アホ共の声がする。段々増えてる気が・・・


 「シャールちゃん~~大かなぁ~~~??遅いなぁ~。」


 こいつら。。まじ勘弁してくれ!

 諦めてトイレを出た。


 女子トイレの入り口には、更に大勢のアホが集まっている。

 

 「はぁ~~~。。。」


 「天使のため息!頂きました!!」


 やってねぇよ!!顔が引きつる俺。

 何とか教室に戻ると、田中が俺にスマホを見せる。


 「ねっ。これ見て。」


 見ると・・・ツイッター。

 謎の美少女は鎮西高校2年2組!! だとさ。。


 女になった俺にプライバシーはないのか!!叫びたい。

 

 「DDRやって!!」「授業なんて抜けて、ゲームセンター行こう!」


 どいつもこいつも。。勝手な事ばかり言ってる。

 人の噂も七十五日と言うが3日これだったら、ストレスで脱毛しそうだ。


 「ごめん。転校してきたばかりで、男子より女子の友達欲しいから。」


 するとアホ共は、女子を呼ぶ。

 いや・・・そうでは無いのだが。。。何を言っても無駄そうだ。

 

 田中を見ると、めちゃくちゃ迷惑そうな顔をしてる。


 「田中、何か巻き込んですまん。」


 田中は照れて、もじもじとする。

 俺が田中を選んだ理由は二つある。

 

 一つは、絶対に俺に迫らない。

 女に免疫の無い田中は限りなく安全だ。

 こんなに打って付けの奴は居ないだろう。


 もう一つは、まぁ。。恩返しだ。

 

 利用させてもらってる後ろめたさはある。

 中身男の俺で良ければ、乳くらいは揉んでもいいぞ?

 と思ってしまう。


 まぁ、こんな調子で昼休みになった。


 飽きずに、俺の周りを囲むアホ共。違うクラスの奴等も

 来てるし・・・教室が更に狭い。。


 一緒に食べよう! 等と言ってるが、軽く無視。


 「田中、弁当二人分あるから一緒に食べよう。」


 「ええっ?本当だったの?」


 「嘘言って何になる?もしかして弁当持ってきた?」


 「あ、うん。持ってきた。」


 すると、アホが勝手に弁当を一つ取って叫ぶ。


 「シャールちゃんの弁当のオークションを始めます!

  ¥1,000-スタート!!」


 ・・・勝手に競りが始まった。


 もうどうとでもしてくれ。


 金額は上がり続ける。

 ¥36,700-で止まった。 まじか??


 「シャールちゃんのお弁当¥36,700-で落札決定!!」


 俺は無言で、弁当を取り返して、田中渡した。


 「田中の為に用意したから。田中に食べてもらう。」


 落札した奴は、他のクラスの奴で名前は知らん。

 話した事すらない。まだ、山根とかが落札すれば、

 後で金を返せば済むが。。。


 まっ。そんな経緯で、田中に食べてもらう。


 弁当を受け取った田中は、わくわくしながら布の手提(てさ)げから

 弁当を取り出す。そこで、俺が止める。

 アホ共の期待に満ち溢れた視線。見せ物のまま食べるのも不快だ。


 「騒がしいから、どこか隠れる場所ない?」


 小声で耳打ちする。

 田中が頷くと、続けて女子トイレの前に来るように言う。


 そして行動開始。


 俺は弁当二つを持って、立ち上がりダッシュで女子トイレに

 駆けこんだ。走ると大きく弾む乳をどうにかして欲しい。。


 そして、田中が女子トイレの前に来た。


 当然アホ共も追いかけてきて、女子トイレの入り口を

 包囲している。これって・・・軽く犯罪だよな。。。

 集団になると、何でもありだな。


 田中を確認すると、腕を引っ張って女子トイレへと連れ込む。


 外から野次が飛ぶ。


 「田中の野郎!!許せん!!」等々。


 田中と落ち合う場所を決める。 決まった先は体育館の裏。

 俺は、この学校2年目だから場所は知ってるが、知らない振りして

 念入りに場所を聞いた。


 そして行動開始!!


 二手に分かれて、1年の教室経由で向かう田中。

 俺は、校庭に出て遠回りして向かう。


 両乳を両手で抑えて、変な走り方の俺。

 弁当は田中に預けた。

 スカートが短くて・・・走り易いが・・・ひらひらめくれて・・・

 スカートの中は丸見えだ。。まぁ。黒のパンストだからいいけど。

 俺が元から女だったら、恥ずかしいだろうな。

 尻を見せながら、胸を抑えて走る。


 ここから校庭へ抜けて・・・


 な、何だ??校庭に他校の生徒がワラワラ居る。

 駆け抜けれないくらいの大勢だ。


 何だ?祭りか??


 「おお!!あちらにシャール様だ!!!」

 「「「「おお~~~!!」」」」


 ツイートされて、俺の居場所を知った奴等が・・・

 わざわざ、俺を見に来た様だ。


 暇な奴等だ。。。


 お前等の暇に付き合うつもりはない。

 

 校庭経由は無理そうだ。再び校舎に戻ると、俺を追いかけてる

 この高校の生徒。


 もう、行き場も・・・逃げ場も無くなった。


 「はぁ。。。」


 立ち止まりため息が出た。

 立ち止まり、息せく俺に、容赦の無いシャッター音。

 奴等のスマホを取り上げて壊したい。

 

 ・・・もうどうにでもしてくれ。


 しばらく息を整えると、この場から去る為に歩く。

 

 ずっとシャッター音と、意味の分からない質問攻め。

 当然無視をしてるが。。。我慢も限界近い。


 田中を待たせてるし。まぁ。。田中だからいいか。

 田中は弁当を守護しながら無事に辿り着けただろうか?


 歩きながら少し考え、職員室に決めた。

 もう逃げ場はない。女に囲まれるならまだしも。。

 野郎に囲まれてもなぁ。。。


 と、前方の方でも何か騒がしい。

 ・・・教師が、他校の生徒と揉めてる様だ。


 まぁ。。。当然だろう。。


 取り敢えず、職員室に向かうが。。

 学校バックレて、帰る選択肢もある。


 揉めてる渦中の先が職員室。

 避けては通れない。


 「君!! 大変な事になっている。今日はもう早退しなさい!」


 他校の生徒を抑えてる教師が叫ぶ。

 俺を見つけた、他校の奴等が興奮して叫び出す。

 

 耳が痛いし、頭も痛くなった。

 

 しかし、ここを曲がれば職員室だ。

 一気に職員室へと駆けて入った。


 突然、慌ただしく入ってきた俺に、教師の注目が集まる。

 俺は、息が切れて、呼吸を整えている。


 知ってる、気さくな教師も居るが、誰も声を掛けてこない。

 てか、胸に視線を感じる。。。


 おぅ。。知らぬ間に、かなり汗をかいてた様だ。

 汗で透けて・・・乳バンドが丸見えだ。


 今更隠すのも変だ。しかし・・・

 俺はオロオロしていたのだろう。音楽の女性教師がジャージを被せてくれた。


 「あっ。ありがとうございます。」


 「大変ね。気を付けないと。」


 「あっ。2-2の担任の竹内先生は?」


 「校長に呼ばれてる様ね。貴方の事で大変な事になったから

  その話だと思うけど。」


 「すみません。。。」


 「ここで待ってないさ・・・」


 「うぉぉ~~生シャール様!!」


 職員室の前の廊下はアホ共で埋め尽くされていた。。

 俺に安息の地は無いのか? 

 

 「ここも落ち着けないわね。」


 俺は、無言で頷くと給湯室に入って隠れた。

 廊下から叫び声やら・・・雄叫びやら。。


 うるさくて、たまらん。。

 

 給湯室にしばらく居ると、竹内先生が顔を出し手招きする。

 無言で、こっそり付いて行くと、校長室だった。


 校長に深々頭を下げる。


 「楽にしなさい。私が校長の国分だ。」


 再び頭を下げて、


 「槇よう・・・槇の従妹のシャールです。」


 危ない。危ない。口が滑った。てか国分校長なんて知った顔だけに。

 

 「そこに掛けて、楽にしなさい。」


 担任の竹内と並んで座った。


 「まぁ。何だね。どうしたものか。。。」


 「ご迷惑をお掛けしてます。」


 「しかし・・・発音が流調だね。」


 「はぁ。。ありがとうございます。」


 関係の無い会話に違和感ある。この禿校長・・・ちらちら乳見てるし。。


 「このまま、学校に居れませんので早退していいですか?」


 俺から切り出す。


 「それは構わないのだが。。実はTV局から問い合わせがあってね。

  わが校のイメージアップも兼ねて、取材に応じて欲しいのだが。」


 「えっ?えぇ!?」


 「無理に強要もできないから、考えて欲しい。」


 校長は、スマホを出して・・・俺のムチプリ動画を再生して見せる。

 

 「これは、軽率だったね。この動画が大きな波紋になって・・・」




 ドンドンドン!! ドアを乱暴に叩く音。


 「校長!!当校の生徒も、見知らぬ生徒も職員室に雪崩れ込み、シャールさんを

  探しています!!職員室は大荒れです!!」


 「はぁ~~~。どうにか逃げ出して帰りなさい。」


 「はい。」


 俺は深く頭を下げる。そして、違うドアから外の様子を見る担任の竹内。


 俺の方を見ると、腕で×をする。


 はぁ。。。何とかここを抜け出したいのだが・・・

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