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5話
「サイト!逃げて!」
そういって俺を後ろに突き飛ばしたあと魔物に向かって体当たりした。
「ハル!」
俺はそう叫ぶことしかできなかった。
ハルを助けに行こうとしても足が震えて動くことができない。
「早く逃げて!!」
ハルは精いっぱいの叫び声でそう言った。
その間にもハルが体当たりして倒れた魔物が今にも起き上がろうとしていた。
「おい小娘、調子に乗るのもいい加減にしろ!」
「早く!!!」
そういわれて俺は走り出した。
「うわああああああああああああああああ」
俺はそんなみっともない悲鳴を上げながら走った。
後ろからはハルの悲鳴が聞こえたかもしれない。
だが俺はそんな悲鳴を聞く余裕すらなく走り続けた。
ハルを置いて逃げている罪悪感。殺される恐怖。
いろんな感情が入り乱れながらも俺は足を止めることなく走り続けた。
気づけば辺りは暗くなり始めた。
「こ、ここ、は、、、どこだ、」
俺は走る体力がなくなりその場に崩れるように座り込み辺りを見渡した。
どれくらい走ったかわからない。その場所はまったく見たことない場所だった。
相当と場所に来たらしい。よく見れば明かりついている家が一軒見える。
そこに助けを求めにいこうと思い、立ち上がろうとするが足が動かない。
もう体力が限界のようだ。俺は眠るようにそこで意識を失った。




