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NO MEMORY世界に記憶せよ  作者: 道化のピエロ
始まり
2/2

神の話1

誤字脱字が多いと思いますが温かい目で見守ってください

 

  

 目の前に美しい美女がいる。

 顔は中性的で神秘性があるものすごい美女だ。

 もし俺が、現実を知らなければ告白をしていたかもしれない。

 よしんば、できたとしても振られていただろう。


 告白はともかくとして、なぜ自分がここにいるのかが分からない。

 誰かの家というには、広い、いや広大すぎるほど広すぎた。


 ドッキリとかならまだいいが残念ながら俺をドッキリさせる人はいない。

 なぜ、どうしてと思うかもしれないが答えは簡単だ。


 ボッチであるからだ。

 ボッチ高校生であるからだ。


 重要なことなので二回いいました。

 胸を張れるようなことではないが二回言いました。



 ・・・結論として、これはドッキリではないということだ。

 そもそも、そんな人いないし。

 妹はいるけどしてくれないし。絶対しないし。


 唯一可能性があるとしたら、夢である。

 きっと夢である。

 こんな目の前が真っ白な空間にいてさらに美女までもいる。

 夢は、その人の心の内が分かると聞くが、この場合は欲求不満ということだろうか?


 ・・そんなことを悶々と考えていると。


 『ここに連れて混乱しているようだが、手短に説明する。個体名、陽炎幽は異世界に行ってもらう』


 ・・・そんなことを目の前の美女さんが言っていた。


 俺は、陽炎幽は聞き間違いだと思った。

 もし聞き間違いではなかったとすると、この目の前の美女さんはきっと頭の中が残念な人か精神に異常がある人なのではと思ったが・・改めて、あたりを見ると真っ白い宇宙のような広大な空間が広がっているだけだった。


 ・・ああ。

 これは夢だ、夢に違いない。

 そう俺は思った。


 そうか、俺は異世界に行けと美女の人に言われたのだ。

 普通ならおかしいと思うだが。

 この美女の頭がおかしいんじゃない。

 俺の頭がおかしいのだ、・・今日起きたら精神科の病院を予約しておこう。


 「ええ、っと。異世界ですか?すみません異世界とかは結構なのでいいです、それよりも自分の頭がどこか異世界に行ってるのでもう間に合ってます」


 『残念ながらその選択肢はない。結果は変わらない。何があろうともだ』


 どうやら、この夢の中の美女俺に異世界に行ってもらうまで諦めなさそうだ。

 早いうちに折れたほうがいいだろう。

 だが、たかだか夢の中で異世界に行けと言われて、異世界に行くとかはごめんだ。

 俺にそんなアウトドアな精神はない。

 ・・・そうだな、どうすれば異世界に行かないかこの夢の中で実践してやる。


 「そうですか、ではまず異世界に行けと言ったことは置いて。あなたの名前を教えていただきたい。なんでか、俺ゴホン・・私の名前を知っているようなので、私が合って忘れているのなら大変失礼なことだとは思いますが・・お名前を教えていただきたい」


 『われに、名前など存在しない。だが、概念なら存在する。概念でよければ神だ。それが解になる』


 意味が分かりません。

 何この夢、もしかして異世界に行くために無理やり神出してきたの?

 せめて、名前ぐらい付けろよ。神とかって名前じゃねーよこれ、せめてもっと捻ろうぜ。

 自分の夢にケチつけるのは寂しいけど、俺は神社で自分のお小遣い全部使ってせめて人に視認されるようになりますようにと、お願いをしたけど結局視認されず、【背後霊】とか言われてるじゃないか。


 「ええっと神様でいいんでしょうか?女神様と言った方がよろしんでしょうか?」


 『どちらでもかまわない。それよりも本題に入らせてもらう』


 夢の中だとは言え、神様とかに夢の中出てきたなどと精神科に言ったらやばいことになりそうだ。入院かな?いや、神社でお賽銭を振り込んでおこう。千円ぐらいだが。


 この美女はそうだな女神様にしておこう。

 神様だと、神社の神様と連想しちゃいそうだし。


 「では、女神様と呼ばせてもらいます。異世界の件ですが、明日に変更できませんかね?」


 そろそろ、いいだろう。これ以上自分が精神に異常があると認識されたくない。

 それにたぶん夢だと思うのだが、学校に行く時間があるのかどうか不安だ。


 『その返答は否だ。そもそも、明日という時間定義はここにはない。それにわざわざ、異世界に直接送らせずここに連れてきたのだ。まずその話を聞くのだ』


 はあ、この女神様とやら、絶対に異世界に飛ばす気だよ。

 いくら夢とはいえ、それが決定してしまえば災厄なことになりそうだ。


 「では、わざわざここに連れてきた理由はなんです?影がただ薄い私に何の用ですか?」


 『その影の薄さが・・いや、世界崩壊の因子イレギュラーよ。ここに連れてきてよく理解できる。その在り方その歪さ。なによりその魂の純粋さ。赤子のような純粋さで脆弱で、子供のような繊細さと、大人のような狡賢さ、なにより現実を悟ったような腐ったようなその目、本当に変わっている』


 「いや、答えになってないのですが?」


 『幽か。その誰にも理解されないようなあり方、なにより何も見えてこない恐怖がある。ぴったりの名前だ』


 「あのさっきから、答えが見えてこないのですけど。教えてくれませんかね」


 いくらなんでも、我慢の限界だ。



 『そんなあり方でも信念がある芯がある。誰にも理解されず誰にも理解されないあり方が、そのちっぽけなプライドが、結果的に大きな破綻につながるとも知らずに・・クク。人っていうのは不思議だな』


 「すみません、ちょっとー夢からの出口はどこですかー」


 『ようやく、敬語から離れてくれた。幽ゆう君の権能ちからをその信念をちょっと捻じ曲げることになる。端的に言ってその影が薄くなる能力を封印することだ・・・拒否権はない』


 「はあ?えーとすみませんがさっき女神様は私の影が薄くなる特技を封印て言いました?」


 『是である。その力が全てを破たんさせる。ゆえに封印することにした。それがここに連れてきた理由異世界に行く理由でもある』


 ずいぶん夢なのに力を入れてきたものだ。

 だができるものならやってみろと言ってみたいものだ。


 「そんなことができるならやってみろよ。そんなことを簡単にできるのならむしろ俺の方からもろ手をあげて頼みたいよ」


 『認証が出たので実行する。形式パターンを解析、認識不可、魂そのものにが根源があると推測、解析。エラー確認。通常では存在しない魂だと断定。存在できないと断定。異常異常、精神解析をします。解析中、解析結果、精神が特異性である。封印をするには特定の精神を正常に作用する精神封印メンタルシールが有効、実行します』



 なんか鎖のようなものが、どこからか湧き出して俺を縛り付ける。

 体は痛くないが、なにか心が締め付けられるような感覚を感じる。


 「ちょっとなにこれ、さっきのこと撤回します撤回いいいいい」


 『それについては、拒否する』


 「ぎゃーああ、何か胸が痛い痛い何か焼けた鉄を思いっきり心臓に押し付けられたような痛さが」


 ・・・しばらくして

 胸が締め付けられそうな痛みをして(断じて恋ではない)封印は成功した。

 ん?なぜわかるかって?

 確認したからだよ。


 「すみません。封印をきちんとされたか確認したいのですけど・・?カメラ持ってます」



 ハイ、チーズ・・・  パシャ。

 こんな感じで、なんと人生初、幽霊写真ではなく実体としての写真が写るようになった。

 大体二十回くらい試して全部写っていたから間違いはない。

 鏡にだって映っていた。今までは透けて見えて夜中怖かったが。今ではくっきりと映る。



 「よしゃーこれで高校生活で誰も知らない幽霊ボッチから、知らないボッチに格上げだぜ」


  ・・はたして、幽霊ボッチと知らないボッチ本当に格上げだろうかと頭によぎったがそれは置いておく。

 「ありがとう女神様それじゃーまた明日」


 『・・それはできない。陽炎幽、異世界にってもらう』


 ・・・

 ・・・・そうだったな、これは夢だったな。

 だから俺は誰も知らないボッチから現実では誰も知らない幽霊ボッチだな。

 この夢がどうであれ、病院の精神科に行こう。


 「えーと異世界に行くには条件があるのですが女神様それさえ叶えてくれるなら」


 『異世界を生き抜く力が欲しいのだろう?われの条件を飲んでくれるのなら与えよう」


 くそ、全然違うよ。

 明日になったら異世界に行きますって話だよ。

 どんだけ、時間引き延ばしたら気が済むのですか?

 いい加減にしてくださいよ。こっちは学校があるんですよ、自分の頭が十分異世界だってことはわかったからさ、病院で見てもらうからさいい加減にしてくれほんと。


 「条件次第でお受けします。ただし、その力を貰ったらもう終わりでいいですか」


 もう力を貰ったら、さっさと夢から脱出したい。


 『是、条件は異世界の強奪術式の破壊もしくはその術者を抹殺することを誓うことが条件』


 は?抹殺だと?

 どこの必殺仕事人だよ。

 俺はいくらなんでも影が薄い特技があってもストーカーになったら世界最凶といわれていても、人を殺すようなことはしていない。いやしない。


 そもそもまったく、意味が分からない。

 なに強奪術式ってなに?術者ってなに?

 夢に説明を求めるほど虚しいことはない。


 「あーじゃあわかりました。お受けします。力は核兵器でお願いします、そうすれば簡単に女神様のご依頼を済ますことができると思いますけど?」


 バカバカしくてやってられない。


 『否。あなたの魂にその容量がないしたがって付与できない。現物も不可。達成率は0・0274764限りなく低い、従って却下』


 「どうしろってんだ。スキルでもくれるのですか?」


 なんで夢にそこまで言われなくちゃならないんだ、というより俺もこの夢に毒されてきている。

 ファンタジーのスキルや魔法などをくれって、さっそく現実と仮想のことをごっちゃごちゃにしている。

 まったく、これ以上、お医者さんに話をする種を増やさないでくれ。


 『是、である。正確にはギフトスキルと分類される。スキルの希望は?」


 さっさと、終わらないかな?

 もうなんだっていいよそんなのどうせ核兵器もだめなんでしょ、いちいちダメ出しをされるよりも女神様にさっさと決めてもらった方が早い。


 「じゃ、自分に合うスキルをください。どれがいいのかわからないし」


 『了承。ギフトスキル行使者。陽炎 幽に関する使用するスキルを決める。陽炎幽を解析した情報を元に作成する。

 条件、異世界でも問題なく使えるスキルもしくは補助するスキル。

    陽炎幽に適合するスキル。 

    われ、神の条件を達成できるような強力なスキル。

                           以上』


 『異世界で生き抜くことに必要なスキルを検索、さらに陽炎幽に適合するスキルを検索します。異世界で必要なスキルは以上となりました。

 【翻訳】・・人との対話をするのに必要な能力。これなしでは神の条件を達成できないと判断。

 【存在調節】・・人と関わるのに幽霊のような人間だと思われ孤立すると判断。

 【鉄壁耐性】・・異世界に行くのにさまざまな耐性が必要だと判断。

 【黒の記憶】・・異世界の環境で必要な習慣や文化を覚えるためサポートスキルが必要と判断。

 【悪意感知】・・騙されないように生きていくため必要と判断。

                以上が異世界で生きる補助するスキルと陽炎幽に適応するスキル。


  続いて神の依頼を達成できる強力なスキルを検索します。

 ・・・見つかりました。・・・陽炎幽に適合せず、・・・・再度実行します。

 適合するスキルを検索できず。

 ・・・これより、代案としてオーダーメイドスキルを作ります。

 陽炎幽の魂その物の在り方をオーダーメイドスキルとして作ります。


 魂の波長そして精神、自己の信念を参考にスキルを作製します。


 <陽炎幽には、存在しないということが武器である。

 そして、その顔も名前も憶えられておらず覚えられようと努力した自分を殺してでも>


 オーダーメイドスキル作製に成功【百面変装】を手に入れました。


 <その瞳は己を知っている。世界をも見ている。誰も見ていない、誰も認識していない

 己の見えているものはどこにもない、なにもない、それなのに人に見てもらえると信じている

                           その答えを陽炎幽の瞳は知っている>


 オーダーメイドスキルの作製に成功【万物の瞳】を手に入れました。


 <その在り方は生き方は壊れている。どうしようもないほど壊れている。

   だれにも理解されないあり方は誰かに理解されたいと願っているだが、己は冷酷そのもの

     蛇のように頭がよく狡猾。己に猛毒を持っていることを知っている。

                                 だが使い方も知っている。

    なぜなら陽炎幽自身の在り方が毒だから猛毒そのものだから。

        自身の在り方が誰かの薬となることを知っている。

            陽炎幽には己に解毒薬がないと知っている。永遠の毒の苦しみがあるのだと>


  オーダーメイドスキルの作製に成功【狂毒の蛇王バジリスク】を手に入れました。


 <陽炎幽は死んでいる。生きながら死んでいる。

  ただ生きているだけだ。その生きながらの屍はゾンビの様。

  その在り方はその生き方はあまりにも空虚な物。存在しているのに存在しない物。

  0(ゼロ)のような生き方だ、その本質はマイナスにもプラスにもならず中途半端なもの。

  だが、なければ成立しない物、ゆえに誰にも認知されず認知されない物、されてはならない物。


   本質はない、何もない、だがその空虚なあり方が陽炎幽の存在理由である>


 オーダーメイドスキルの作製に成功。強力なスキルのため魂が耐えられなくと判断。

 制限を付けます。

 分類スキルはアルティメットスキルと分類。

 スキルを調整します。完了。

 スキル【死神】を獲得しました。


                              以上でスキル作製を終了します』


 ・・・

 ・・・・。

 意味が分からなかった。

 なにか自分の本質を言われたかのような言葉が向こうから言われたような気がして。

 そして、なぜかこれが、夢ではなく現実かもしれないと思い始めた俺に意味が分からなかった。


 「・・はは、なんかちょっとやばいな、病院で医者に診てもらう話が多くなりそうだ。夢ならさっさと終われってんだ。なあ、そこの女神様、もうスキルは貰ったしさっさと異世界やらどこへやら早く連れて行ってくれませんかね?」


 『是、異世界に飛ばします。時間まで10秒、9、8、・・・』


 「もし夢ならさっさと覚めてくれよ、現実だったなら・・俺は・・」


 女神様のカウントダウンを聞きながら俺は、ただ俺は願っていた。


 『5,4,「もしこれが夢じゃないとするなら俺は、生きてやる。ただ自分が生きてきた記憶を世界に焼き付けてやる、もちろん女神様にも」1,・・・頑張って』


 最後に、女神様の頑張ってという一言が異世界に行く俺へのエールとなった。

 俺こと陽炎幽はこうして、波乱万丈な異世界へと踏み出したのであった。


 新たな自分との約束を立てて俺は異世界へと旅立った。




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