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佐藤さん  作者: 真月華
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佐藤さん

拙い文ですみません。

暖かく見守って頂ければと思います。

 今日から新学期です。

 小学3年生になりました。

 クラス替えもあり少し不安でしたが、仲良しのゆいちゃんとまた一緒になれてほっとしました。

 授業もないので、さっさと帰れる日です。

 一緒に帰れるかゆいちゃんに聞いてみましたが、今日はダメと言われました。お母さんと一緒にお出掛けするので走って帰るそうです。元気です。


 校門を出て気づきました。

 今日はとても良い天気です。

 ポカポカです。

 

 なんとなく佐藤さんに会いたくなりました。

 こんな日は必ず公園の外れ、大きな木の後ろに隠れたようにある木のベンチ。

 そこでよくお会いするのです。


 最初はよく見かけるだけだったのですが、だんだんお話するようになりました。

 お話といっても佐藤さんはあんまり話さないので、私がずーっと話していることがほとんどなのですが、嫌な顔もしないで聞いてくれます。なので色んなことを話してしまいます。


 佐藤さんは天気が悪いと会えません。

 いつも何を何をしているのかも分かりません。

 ただ、この近所に住んでるのは間違いなさそうです。

 近所の他の場所でも時々日向ぼっこしている姿を見かけます。

 でもポカポカの天気のよい日は、たいがい公園のベンチにいます。


 今日もたぶんいると思います。

 ゆいちゃんと一緒に帰ることが出来なかったので、寂しかったのです。

 佐藤さんに今日のクラス替えのことも話したいです。

 

***


 公園に着くと迷わずいつものベンチへ行きます。

 

 ───いました。

 目をつぶって寝ているように見えます。

 佐藤さんの目の前に行ってもそのままです。

 

「佐藤さん」


 呼びかけると目を開けてくれました。

「佐藤さん、今日も一緒にいてもいいですか?」

 もう一度、話しかけると佐藤さんは了承したかのように目を細めてみてきました。

 佐藤さんが、無口なのはいつものことなので、こっちもいつもと同じに話します。


 クラス替えのこととか、ゆいちゃんのこととか、他にも色々話してしまいました。

 私が話している間、佐藤さんはじっとこちらを見て聞いていてくれました。 

 気が付くとお日様が少し傾いているようです。空がオレンジになってきています。

 思ったより時間が過ぎていたようです。そろそろ帰らなければなりません。

 佐藤さんもきっと帰らなければならないと思います。


「佐藤さん、もう帰らなきゃですね。」


 それを聞くと、佐藤さんは少し背伸びをして立ち上がます。

 

 「今日もありがとうございます。」


 帰っていく佐藤さんの後ろ姿に声をかけました。

 佐藤さんは返事をするかのように白くて長い尻尾をフワンと揺らして公園の出入り口の方へ歩いて行きました。


 また、晴れたら話を聞いてくれると思います。



 

佐藤さんの正体バレバレですかね。

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