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ユキバナ冒険記  作者: あきぐみ
第一章 新芽の冒険者
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【第四話】親切な鍛冶屋さん

 新芽の街。その中で最も賑やかな場所と聞かれれば住人は口を揃えて、冒険者ギルドと言うだろう。

 そんな賑やかな冒険者ギルドの中で、他の人々を寄せ付けないような、異質な気配が漂うテーブルがあった。入口から最も遠い端っこのテーブルだ。そこへ座る人物は二人。


「何? それは本当なの?」

「ははっ、嘘を言うわけないだろ。普通ならありえないのだけれど、きっとあの影響のせいだ」

「それなら本格的にマズイわね。早く原因を突き止めないと……」


 会話をしているのは二人の女性だった。ニコニコと笑っている女性と、険しい表情をした女性だ。

 片方の、険しい表情の女性は最悪の事態を想像しながら、水を一気に飲み干した。


「それにしても君がここへ来るとは珍しいね。何かあったのかい?」

「世界各地で異変が起こっている。これは間違いないと報告しに来たの」

「ふぅん。そういえば、私も一ヶ月ほどここへ滞在しているけどさ、いろいろな人に聞いた結果魔物の活性化が酷いらしい。現にただの草原に近いところで、あんな魔物を見てしまったからね」


 もう一人の女性は、あくまでのんびりと話す。もう片方の女性の焦りとは真逆のようだ。


「一体あの霧は何故発生しているのかしら?」

「さぁ、魔王でも出たんじゃないのかねぇ」

「魔王? 冗談じゃないわよ。魔王と言えば三十年前にかなり強力な魔王が出たらしいけど、その時にそんな現象は無かったらしいわ」

「魔王と言ってもただ魔族や魔物をまとめていれば魔王だからね。よほど強力な魔王でも出たんじゃないのかな?」


 さらっと恐ろしいことを言ってのける仲間に、女性は少し怒り気味だ。


 この世界で魔王とは、魔族や魔物たちを統率する者のことを示している。人間の王のように知恵を持つ物もいれば、全然持たない物もいる。たくさんの種類が存在するのだ。

 三十年前、魔界から現れたある強力な魔王が世界の覇権を握ろうとしたが、人間の勢力に敗北したと言われている。だがこの魔王のように知恵を持つ魔王はかなり強力で、戦争も十年間続き、魔王が倒されてやっと終わったとされている。だがこのような者は特別で、大魔王と言った方がいいのかもしれない。

 その後も各地でいくつか魔族との衝突はあったらしいが、どれもすぐに終わったらしい。

 ちなみに魔族は元は魔界の住人で、大昔に地上に溢れてきたのだという。今も嫌われていて、人間の多い大陸にはあまり残っていない。


「それにしては最近の魔族との争いの報告は少ないし、そんなものが出てたら大騒ぎじゃないかしら」

「ふぅん。もう少し調査の必要がありそうだ……ところで、観光はしていくかい?」

「悪いけど私は用事があるから。そっちの調査は引き続き任せるわ。どうせ暇なんでしょ?」

「いやまぁ、そうなんだけどさ。最近、面白い子を見つけたんだ」


 のんびりとした女性は面白そうに微笑んだ。




「おはようございまぁ~す」

「あら、ユキバナちゃんおはよう」


ユキバナが二階の階段から降りてくると、『風鈴の宿』の女将さんがにっこりとほほ笑んだ。

 この宿で休んだのは初めてだが、随分とベッドも気持ちよく、どうしてこれで一泊百エンなのかがユキバナにはわからなかった。


「うぅ~んおいしい」


 朝食はユキバナの地方に似た物ばかりだ。きっと東の国の料理なのだろう。

 今回はご飯とお味噌汁、焼き魚といった定番の料理だ。ついでに豚のしょうが焼きも何故かつけてもらったのだが、これがまたおいしい。


「ごちそうさまでした」


 ユキバナが早く食べ終わると、丁度同じ宿に泊まっているであろう人が何人か食堂へやってきた。


「おお、お主は、ユキバナ殿でしたかな」

「ああ、確かケーザル……さんだっけ」

「ケーザルでいいで御座るよ」

「じゃあケーザル」


 遠慮が無いユキバナに対してケーザルは少し呆れたが、底抜けに明るいユキバナを見ていると悪い気はしなかった。


「あ、初めまして」


 ユキバナはぺこりと座ったままお辞儀をする。

 ケーザルの後ろから二人の冒険者がやってきたのだ。同じ宿の人たちである。

 一人は少しボサボサの黒髪に、同じく黒いマントに杖、とどう見てもウィザードだ。ウィザードと言えば知的な魔法使いのイメージがあるユキバナだが、この男はユキバナのイメージを根本から破壊してくれていた。

 もう一人は紫の髪に、赤いマント。帽子も衣服も真っ赤な少女だ。服装的にこちらもウィザードだろう。こちらもユキバナのウィザードのイメージを根本的に破壊してくれそうな呑気そうな顔をしている。

……というか、この前の掲示板に依頼を貼りだしたままどこかへ行った人にしか思えない。


「よっす。俺はチキット。一応この宿に泊まってるんだ」

「よろしくー。……一応って?」

「ああ、俺この街に家があるんだよ。でも冒険者としてやっていくために宿で一人暮らしってわけ」

「へぇ」


 えらいなぁと思ったユキバナだが、自分も似た状況であるということは自覚していないらしい。


「私はクレナイっていうの。私は家が無いから止まってるの。実は横にチキットと同じ魔法の師匠からいろいろ習ってるんだ」

「へぇ~」


 弟子二人がこんな知性のなさそうな人だと師匠も明るい感じの人なのだろうか? とユキバナは心の中だけで失礼なことを考えていた。口には出さない。


「じゃ、私は行くね」


 二人が朝食を取り始めたので、ユキバナは足早に宿から出ることにした。

 ユキバナは最近よく人間観察をしている。いろいろな人の仕草が意外と面白いのだ。眼鏡をかけた商人らしき人が商売の準備をしている。昨日はあそこで薬が売られていたため、今日も薬を売るのだろう。

 ユキバナはそう考えるとまだ準備中だというのに商人に話しかけた。


「回復薬くーださい!」

「え? まだなんだけどなぁ……まあいいよ。特別サービスだ」


 商人は最初は断ろうとしたのだが、ユキバナの純粋な顔を見ているとどうしても売れないとは言えそうになくなってしまった。

 当のユキバナは嬉しそうに百エンで四つの回復薬を買っていった。一つ二十エンだ。

 次に冒険者ギルドへ行こうとしていたユキバナだったが、カン、カンと金属と金属がぶつかり合う音に反応した。


「なんだろう」


 丁度ユキバナが歩いていた横の建物からだ。どうやら店らしく看板が出ており、『ゴルトル工房』と書かれていた。店の前には兵士がよく装備していそうな細長い槍と丸い盾のセットがいくつも立てて並べられており、先ほどの金属音からもここが鍛冶屋だと推測できた。


「おじゃましまぁす」


 ユキバナは何か買っていこうかと中へ入ってみる。

中へ入ると熱気が凄まじく、先ほどまでの金属音もより大きく聞こえてくる。

 ユキバナは中に置いてあるいくつかの商品を見て、目を輝かせていたが、途中で驚愕した顔へと変化していった。

 高すぎたのだ。装飾もあまりないシンプルな剣が、三百エンである。

 高いなぁ、とユキバナが考えていると、奥から人が現れた。

 どうやらこの鍛冶屋の親方だろうか。大きな体躯にボサボサの髭はそんなイメージしか沸いてこなかった。

 この親方らしき人が出てきても、奥から聞こえてくる金属音は止まない。

 何人も仕事をしているのだろう。このような大きな街の鍛冶屋だと当然かもしれない。


「なんだ嬢ちゃん」

「親方さんですか?」

「ん? そうだが」


 親方はじーっとユキバナの装備を観察していた。

 背中にはなんの魔力も込められていないただの木の弓に、たった三本の矢。そして服は東方の巫女装束を破って動きやすくしたようなもので、手に持っているのは流石に親方も予想外の物干し竿だ。

 一方ユキバナは蛇に睨まれた蛙のような感覚だった。親方の顔がヤバい。


「お前、ここに何の用だ?」

「え? あ、私冒険者なんで……その……」


 ユキバナは更に縮こまった。親方の声が低くて怖いのだ。


「武器は何使ってんだ?」

「えっと、剣とか槍とか?」

「いや俺に聞くなよ」


 ユキバナはある程度いろいろな武器を使っているが、特に得意なのは剣だろうか。木刀を使ってよく特訓していたからである。上手くはないが。


「これくらいなら新米には丁度いい。もってけ」

「いいんですか?」


 親方の手には短剣が握られていた。黒色の鞘に入っている為見た目は柄の部分しかわからないが、柄の部分は金色だ。

 鞘から抜いてみると、銀色の刃が見えた。短剣にしては長い。刃の部分で三十センチほどはあるだろうか。


「持っていきな。ただのダガーだが、これでいいか?」

「う~ん」


 ただのダガーの割には切れ味もよさそうで頑丈そうだ。鍛冶屋の腕前だろうか。鞘の色が黒いのは趣味だろうか。……しかし短い。もう少し長くて安いものを買っていこうか、と考えていた。


「もうちょっと長いのってないですかね。あの、致命傷を与えられない敵もいるでしょうし」


 ユキバナは恐る恐る聞いてみる。足が震えていて、相当怖がっているらしい。


「あぁ?」

「ひぃっ」


 親方の声にユキバナは声を上げて怖がったが、親方の顔はなんだか上機嫌だ。

 

「若い嬢ちゃんに文句を言われるとはワシも舐められたな。特別にもう一本つけといてやる」

「え? それも?」


 親方はもう一本、そばに立てかけられていた同じく黒い鞘に納められた剣を取り出した。

 こちらは鞘に入ったままでもわかるが少し湾曲しており、突くよりも斬る方がメインに作られた武器のようだ。長さは七十センチ~八十センチといった具合でそこまで長くなく、鞘から抜いてみればわかるのだが片刃である。太刀だ。

 片刃は扱いが少々特殊で突くのにはそこまで向かないが、片刃の分重量が少なく反りのおかげで斬ることに関しては強い。

柄の鮮やかな紫、そして白と黒がさざ波のような刃の部分は芸術品の様に見え、素材は中々高価なもので作られているらしく、魔力も通りやすいように峰の部分に本当に小さい線があり、工夫がされている。とても無料で貰えるような代物ではないだろう。

 よく見ると柄の部分に値札が貼られていた。そこには『幻獣黒太刀 十万エン』と書かれている。

 ユキバナは口を開け、呆然としていた。高すぎて洒落になっていない。駆け出し冒険者が多いと言われているこの街に売られていることの方が可笑しい。

 素材の良さや工夫からぼったくりではないだろうと、素人のユキバナでも推測できる。

 この鍛冶屋は何者だろうか。


「なーに、その刀は貸してやるだけだ。太刀にしては短いし使いやすいだろ」

「い、いやでももし壊したら」

「壊れねえよ。なんたってアークケルピーの素材が使われてるからな」

「けるぴー?」

「ケルピーを知らねえのか? とんだひよっこだな。幻の獣って言われることもあるが実在馬だ。見た目はまんま馬だ。角が生えて魚の尾びれみたいなのがついてて体色が水色だけどただの馬だ。そのケルピーの色を黒くして大きくした感じの上位種がアークケルピーだ」

「は、はぁ……」


 もう馬じゃないでしょう、っと突っ込みたくなったがユキバナは我慢しておいた。

 それよりも、そんな魔物の素材を使っているとなると更に大変だ。


「こんな高級な物貸してもらうのはちょっと……」

「気にすんな気にすんな。そのかわりと言っちゃなんだが、ワシの頼みを聞いてくれるか?」

「そ、それはもうもちろん聞きますよ」


 親方はニヤニヤと笑いながら話す。どうやら見た目ほど怖い人でもないようで意外とフレンドリーだ。

 頼みとはなんだろうか? あのニヤニヤ顔は絶対に何か企んでいる。そうユキバナは思った。


「……今はねえよ。また頼みごとが合ったらよろしくな。ははは」

「は、はぁ。……あ、あとこれとこれください」

「それは金を払えよ? 百エンな」


 変なことを頼まれなくてよかったぁ……とユキバナは安心しつつ、買い物を済ませてからゴルトル工房を出た。

 その前に目の前で「サラシ巻いてるから」と着替えを始めたので親方は飛んだ破廉恥野郎だなあと感じていた。



 ユキバナが出てしばらくしてから、ゴルトル工房に一人の女性が訪れた。まるでユキバナが出ていったのを確認したかのように、タイミングよく入れ違いでやって来たのだ。


「で、あの剣は?」


 女性は唐突に口を開いた。


「ああ、あれなら渡しておいたさ。東の国の技術を応用して作った太刀だが、試作品だから何とも言えないな」


 親方は、まるで女性が来ることをわかっていたかのごとく返事した。話の内容も、二人にしかわからないだろう。

 そもそも誰かに上げることが目的でなければ、あんな高級な剣を無造作に置いておくはずが無いのだが、それはもう出ていったユキバナにはわからないことだ。


「よく言うよ。貴方ほどの鍛冶屋は滅多にいないし、作ってくれたことに感謝するさ」

「お前も本来の任務もしっかりやれよな」

「いやいや、遊んでいるわけじゃないさ。ただあの子なら私の力になってくれるだろうと思ってさ。最近は人選に凝ってるんだ。でもさ、最初から強い人をぼんぼん雇えたら苦労はしないでしょ? それくらいなら才能のありそうな人の手助けをしようと思ってさ?」

「それであの嬢ちゃんか。どうせ後から恩を返さないのか? とか言って強引に引き込むつもりだろう?」

「そんなわけないじゃないか」

「本当かぁ?」


 親方はからかう様に、目の前の女性の顔を見つめる。


「本当だよ。もしあの子が力になってくれなかったら素材を上げた私が大損だね」

「俺だって大損だろ。作るのに時間が結構かかったんだぞアレ」

「ふぅん。その割には、作るときに楽しそうだったけどねぇ?」

「うっ……」


 図星を指され、親方は困ったように頭を掻いた。


「異変に気付いている連中は少ないし、一部はアレだからな。」


 親方はその『一部』の連中の事を頭に思い浮かべながら、苦虫を噛み潰したような顔をする。


「それもうだね。セフム傭兵団の連中も気付いているのだろうが、行動は何も起こしていないらしいしね」

「ははっ。ま、がんばれよ。調査団長さん」

「だから私が指揮をとることが多いだけで、別に団長はいないんだって」


 女性は言葉と違い誤解を解く気は無さそうに、笑顔でゴルトル工房から出て行った。




「さてこの剣、というか刀を活かしたいし、討伐依頼でも受けようかな」


 一方ユキバナは、冒険者ギルドの前までやってきていた。愛剣(借り物)の切れ味のよさを試してみたいのだ。

 何気に初めての本格的な武器だ。矢を補充するのを忘れていたがそんなことはどうだってよかった。

 ちなみに六十円で購入した鎖帷子(くさりかたびら)を服の中に着込み、ある程度頑丈な四十円で購入したワニの革でできたブーツも履いている。小手は買い忘れていたが、面倒くさいので放っておいた。

 ちなみに太刀は左腰に装着している。短刀はせっかくもらったので邪魔にならないよう右腰に装着している。


「よ! ユキバナだっけ?」

「あ、確か、チキットだっけ」


 冒険者ギルドのテーブルには、宿で出会ったウィザードのチキットが座っていた。

 髪も目もマントも服もすべて黒で統一されているとますますクールな印象があるのだが、本人はだらしない。顔は悪くないのだが、表情がだらけすぎているのが問題だろうか。


「丁度よかった。お前さんさ、俺のクエスト手伝ってくれないか? 人手が足りないんだよー」

「ん? いいけど、どんな依頼なの?」


 事前にいいとは行ってしまったが、やはり依頼内容は重要だ。

 と言ってもユキバナは特に受けたい依頼もないし、人の頼みはできないこと以外は聞くつもりなのだが。


「アキシムの丘ってあんだろ。あの奥に森が広がってるんだよね。あそこで最近急激に増加した『マンイータプラント』を討伐してほしいんだってさ。最低五頭討伐で一頭倒すたびに報酬に百エン追加だって」


  人喰い植物マンイータプラントは名前通り人を襲う。意外とグロテスクな見た目だと聞いたが、ユキバナはまだ知らない。

 他の冒険者にも依頼しているため最低五頭なのだろう。


「マンイータプラント?」

「おう。E+くらいの相手だってさー」

「え? 私まだクエストは一回しかやったことないしFランクなんだけど?」

「いいじゃねえか。これを機会に一気にランクを上げればさ? 俺もFランクだし」

「う~ん」


 特にランクが離れているからと言って、クエストが禁止されているわけではない。流石にDランク以上にもなると特別で、Dランク以上でないと受けられないクエストなども存在するが。

 FからE+までは達成したクエストの数や難易度、本人の実力によってランクが上がっていくのだが、E+ランクからDランクへ昇格するには試験を達成しなければならない。

 これは一部の依頼ばかりでランクを上げたり、強い者についているだけだったり、そういった実力不足な人間の昇格を防止するための物だ。

 今回の依頼にはランク制限は無いらしく、推薦ランクE+以上としか書かれていない。


「ま、いっか」


 まだランクFのブルッファーしか倒したことの無いユキバナだったが、新しい武器の試し切りもしたいので受けることにした。

 それに報酬も悪くない。


「そうこなくっちゃ。じゃあ、行くか」

「よーし!」


二人は元気に冒険者ギルドを出た。



 しばらく歩き続けてアキシムの丘、森エリアまでユキバナ達はやってきている。

 途中でブルッファーや変なウサギの魔物に襲われたりしたが、チキットが先手を取って魔法で始末をしていた。チキットは間抜けでFランクではあるがその辺のEランクよりもずっと強い。初めてウィザードと組んだユキバナにはわからないのだが、チキットはDランクの人が使うような、中級魔法も扱うことができた。師匠から学んだからである。かなりのスパルタ教育だったのだが、チキットには随分と役にたっていた。

 ユキバナの出番はない。


「ここが森?」

「あぁ……師匠とは一緒に来たことがあるが」


 丘、草原を歩いている間も木々や草花はよく見かけたが、ここから先は圧倒的に森の量が増しており、木々が光を遮り少し暗く、不気味な雰囲気を醸し出していた。明らかに視界が狭まり、動ける範囲も減るので草原とは大違いだろう。ある程度小さな道の印があるのが救いかもしれない。森は通常ある程度危険な魔物が出る為、普通Fランク冒険者は立ち入らない。というか、立ち入っても死ぬ。

 だが二人はただのFランク冒険者ではない。勇敢なのか無謀なのかはわからないが、二人は森の奥へと立ち入った。


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