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この度わたくしに妹が出来ました  作者: 犬塚猫蔵
3章・前編「会長と初めての思い出」
91/163

24P

「どうした千鶴?」


『あ、兄さん…。ごめんなさい…今クラスで文化祭の話し合いを少しだけ始めるみたいで…教室から出れるのが遅くなりそうなんです』


 電話口から申し訳なさそうな千鶴の声が聞こえてきた。


「そうなんだ、じゃあ適当に時間潰して待ってるから気にしないで参加してこいよ」


『さ、先に帰っちゃってもいいですよ…?』


「いや暇だし待つよ。千鶴と帰りたいしな」


『っ!! …そ、そうですか…えへへ…あ、ありがとうございます兄さん』


「ん。じゃ終わったら連絡くれ。頑張れよ」


『はい、では後ほど』


 そう言って通話を終わらせる。


 文化祭の話し合いというからには5分や10分で終わる話題ではないだろうしざっと見ても1時間はかかると思っておいたほうがいいだろう。


 待つこと自体は全く構わないのだがさて、どう時間を潰したものかと踵を返したその時丁度体操着姿にポニーテールの部活バージョン鈴音と鉢合わせした。


「よし圭吾、暇なんだな? 走ろう!」


 俺の顔を見るなり暇と認定し強引に部活へ連れて行こうとする鈴音。


「部活ならやんないぞ」


 親の世界一周旅行の間、鈴音はあまり頻繁に部活に戻れとは言わなくなった。

 まあ俺がバイトで忙しくて千鶴が寂しがっていると指摘したのは鈴音本人だしな。


 なので少しこのやりとりは懐かしかった。


 しかし、依然として俺が陸上部に戻る気は無い。


 なんでそこまで俺にこだわるんだよこいつは。


 まさか…俺にはそれほどまでに陸上の才能がっ…?

 うんまぁ、無かったけど。


「まぁまぁ折角暇なのだ、私のアップに付き合え」


「おいさっきから失礼だぞ、俺は暇じゃない」


「ほう、では今日は何をするというのだ」


「あ~…世界征服」


「何だその魔王みたいな答え……いいとこ君は村人Aだろう(ボソッ」


「おい、今ボソッと俺をモブ扱いしたなっ。聞こえてんだからな」


「すまんすまん、話しかけたらアイテムくらいはくれるもんな」


「それ結局村人じゃねえか…」


 せめて名前ありのキャラにしてくれよ、重要人物じゃなくて良いから。


「君がふざけるから悪いんだ、何だ世界征服って。2秒で考えたようなボケを放り込むな、馬鹿じゃないのか」


「2秒で考えたボケとは何だ。お前俺が本気で世界征服の夢を持ってたらどうすんだ、オトコの野望はちょっとでかいくらいが丁度良いんだよ」

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