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風紀委員の清水。普段は校則遵守をモットーとし、遅刻やサボりは決して許さない鬼の風紀委員長だが清潔感のあるいかにもお嬢様な可憐な容姿と面倒見が良く少しお節介焼きな人柄。──そして意外なほど豊かな胸元が密かにファンを増大させている。
うおおおおおお、そのギャップは反則だろ、鬼の風紀委員長のバニー、けしからんぞ、エロいぞ。
またもや大絶賛だった。賞賛の声が上がる。
「ふむ……たまらんな!!」
井上は杉山に向かってビシッとサムズアップした。
「じゃあそこのお前っ!! お前はどんな写真を望む!?」
そして次に井上が名指ししたのは、普段は内気なオタク少年三河だ。
「ハッ! 自分は安藤の園児服であります!!」
安藤とはクラスの派手目の女子で、茶髪に染まったふわふわロングの髪型や軽薄そうな化粧、とは裏腹に身長148cmという低身長のギャップが評判の女子だ。
その見た目に反して実は純情で、未だ付き合った経験もないとの噂で、また千鶴にも引けをとらないそのロリフェイスと少し毒舌で尊大な態度は一部のマニアから絶大な人気を誇っている。
え、園児服だとおおお、あの安藤の園児服、見た目ロリだから破壊力はすごいぞ、そんな考えがあったというのか、だがアリだ、ああアリだな、その格好で甘えられたいな、ああ甘えられたい。
三河のその発言にやっぱりワッと盛り上がるクラス中の男子。このクラスには変態しかいなかった。
「ああ…甘えられたいな!!」
そして井上が一番変態だった。
だがそんな井上を批判する男子は居らず、むしろ英雄扱いである。
その後も井上は次々と男子を名指ししてそれぞれ誰のどんなコスプレが見たいのか答えさせる。
その度場は熱を持ったように湧き、男達の目は真剣さを増してゆくのだった。
「──よし、では最後に圭吾!! そこで他人のフリしてるムッツリ野郎!」
ヤベ、こっち来た。
今までひたすら俺関係ないアピールをしていたがどうやら限界が来たようだ。井上は厳しい目で俺を睨みつける。
「よもや、貴様……興味がない、等と抜かしはせんだろうな…」
違う、興味はある。
俺だって健全な男子高校生だ。
西野のメイド服も清水のバニーもなんなら安藤の園児服も見てみたいさ。
ただな──
てめえらいくらなんでも声がでかいんだよっ! 外に丸聞こえだよっ!!