表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この度わたくしに妹が出来ました  作者: 犬塚猫蔵
妹と初めての2人ぐらし
41/163

11P

 玉ねぎ、人参、ピーマンなどなど。

 きっちり2人分だろう量をカートにどんどん載せた後どんどん先へ進む。


 途中パン粉や卵なんかも手に取り、小さいパックの牛乳まで入れていた。

 そして極めつけ、肉コーナーで千鶴が手を付けたのは挽き肉。


 これはもしや。


「ハンバーグ、か」


 恐らくハンバーグの材料と一緒にカートに入れたじゃが芋とレタスは付け合せだろう。


 思わぬ好物に自然、声色も明るいものとなる。



 子供舌と呼ばれても構わない。俺はハンバーグが好きだっ!



「ふふっ正解です。前お母さんのハンバーグ美味しそうに食べてましたもんね?」


 ドキリとする。そんなこと覚えてたのか。


 だからハンバーグにしてくれたんだ。


 感激。これで妹じゃなかったら完全に惚れている所だ。


 井上のアホあたりは「毎日あんな可愛い娘と2人きりとか理性が持たんだろ~!」とか興奮していたが、これは断じてそんな邪な下心ではない。


 

(妹って…いいなあ…)


 


 誰かに聞かれたら勘違いされそうなことをぼんやり考える不肖の兄であった。


「そういえば千鶴は食べ物、何が好きなんだ?」


「私ですか? う~ん…何でも食べますよ? でも強いて言うなら…卵料理とか…」


「へえ、卵料理なら何でも好きなの?」


「そうですね、目玉焼きも卵焼きも、オムライスも……プリンとかも……」


 好きなものの事を語っている時の千鶴は何だか幸せそうで微笑ましい。


「じゃあ今度は卵料理にしような」


「…! は、はい!」


 今日一番嬉しそうな千鶴だった。


 サクサクと買い物も終わり帰路についている最中、意外な人物に遭遇した。


「あ」「お」「おや」


 順番に千鶴、俺、そして鈴音である。


「会長、こんばんわ」


「こんばんわ千鶴。今日も小さくて可愛いな」


 開口一番チャラ男みたいな口ぶりだった。


「よ、鈴音」


「圭吾もこんばんわ。見るからに夕飯の買い出しか?」


 小さく頷くと鈴音はふむ、と視線をレジ袋の中身に移した


「袋の中身から察するに…ハンバーグか」鈴音がそう呟く。


「千鶴から話は聞いている。御両親は世界一周旅行だってな」


「あぁ参るよ。1ヶ月子供達だけの生活だからな」


「でも、こういうのも新鮮でちょっと楽しいですよ」


「ん。そーだな」


 それについてはまあ同意だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ