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この度わたくしに妹が出来ました  作者: 犬塚猫蔵
エピローグ「この度わたくしに妹が出来ました」
149/163

10P

「……千鶴?」


 恐る恐る声をかけると千鶴はとろんとした目をこちらに向けた。


「……えへへ、兄さぁん」


 そして、千鶴は倒れ込むように俺に抱きつく。

 女の子の柔らかさと匂いに不覚にもクラリとする程鼓動が高鳴る。


「!!!???」 


「んふふ~…………いい匂い~」


 瞬間、佐倉家の食卓の、時が止まった。 


 こ、これは……! 敵ス○ンドの襲撃!?


 あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!


「俺は母さん達の俺いじりを止めさせようと思ったら、いつのまにか妹が俺に抱きついていた」


 な…何を言っているのか、わからねーと思うが、俺も何をされたのかわからなかった…。


 頭がどうにかなりそうだった…。


 エロゲだとか美少女アニメだとかそんなチャチなもんじゃあ、断じてねえ。

 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…。


 などと言っている場合ではない。

 千鶴は俺にスリスリと甘えるように顔を押し付ける。

 母さんも鈴音も親父も、何一つ言葉を発することが出来なかった。


 もちろん俺もである。


「……あの、千鶴、さん? い、いきなりどけんしたと……?」


「……兄さん、ぎゅーってして下さい」


 ダメだ! 言葉が通じない!


 千鶴はいつにも増してふわふわぽわぽわとしていて、とても可愛いのだが明らかに様子がおかしかった。


「千鶴もしかして、これ飲んじゃった?」


 母さんが千鶴の前にあった空のコップを手に持つ。

 それは、千鶴が先程までずっと持っていたコップだった。

 横には半分以下になっている見慣れない瓶。


「そういえば千鶴。……結構それ飲んでた……」


「これ……お酒よ?」


 事態を全て理解した。

 こいつ、酔っ払っている。


「ち、千鶴、大丈夫か! 母さんどうしよう!」


「と、とりあえず水持ってくるわ! あと父さんは狼狽えすぎ!」


「こ、こら千鶴もう飲むんじゃない! も、もうちゃんと座りなさい! 圭吾も

デレデレするな!」


「やだ~、兄さんといる~」


「ちょ! 千鶴! 顔近い! 顔近いから!」


 只々慌てふためく役に立たない親父と、迅速に対応する母さん。

 千鶴(と何故か俺まで)を叱りつけるお姉ちゃんの鈴音に、駄々甘え少動物系妹千鶴。

 そして役に立たない親父の血を忠実に受け継いだ不詳の兄、佐倉圭吾。


 もうひたすらてんやわんやだ。


 何この構図(パート2)

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