雪解け
「・・・だよね~!!」
「キャーww」
--がらっ
「・・・・・・・・・・」
とても騒がしかった教室が一瞬にして静まり返った。
「ナ、ナオ?」
栃咲 双葉。
うちの幼馴染。
「何で学校来なかったのよー?」
そう、うちはあの出来事以来、教室には1度も来ていない。
「ちょっといろいろあって・・・」
双葉はそんなことはどうでもいいというような感じで
話を続ける。
「あの、雅也くん、だっけ?」
双葉は、男のほうに興味があるらしい。
「なんでナオがあんなイケメンといるわけよ!?」
そんなこと、うちに聞かれても・・・
「おう!ナオのダチか???」
噂をすれば・・・。これじゃ、双葉は・・・
案の定、もうメロメロだ。
「こいつは、俺のだから。よろしくな!」
雅はそう一言いうと、男子の輪へと入ってしまった。
「ちょっと!おい・・・」
この感じだと・・・
「ちょっとナオ?どうゆうこと?」
やっぱり・・・
「あの、これは、その・・・」
「いつの間にあんな子、捕まえたのよ!?」
いや、捕まえた。というより、捕まった。と言うような・・・
「あたしがナオに負けるなんて・・・」
いまの双葉には、説明しても理解してもらえないだろう・・・
「キーッ!」
嘆く双葉を横目に、ちらっと周りを見渡すと、
他の奴らもこっちをみていた。
ふっと後ろを振り返ると、雅が抱きついてきた。
「フーーーー!!!」
とはやし立てる声や、嘆く声が聞こえる。
「おい!ちょっと離せよ・・・。みんな見てるだろ?」
雅は、うれしそうだ。
「ナオは俺のモノだってことをみんなに示せるじゃねーか!」
はあ・・・当分このままだ・・・
でも、雅のおかげで、うちは変われた。
ありがとう。
大好きだよ。
雅。