第8話 大魔王の復活
魔導王アゼルの目の前で倒れてしまったゼクアは
エルシュカの肩を借りて立ち上がった。
「我師匠、魔導王アゼルよ。
アンタのお陰で幻魔の魔眼が蘇ったようだ。」
「ほう。見せてみよ。」
幻魔の魔眼が戻ったゼクアの魔力が
どんどん膨ら上がっていく。
そして追憶の魔眼が金色に光り
幻魔の魔眼へと変化していく。
エルシュカと魔導王アゼルは肌で感じとった。
この魔力は8000年前のゼクアの魔力
すなわち全盛期に近しい魔力だと。
どうやら魔導王アゼルの魔力に触れたからか?
ゼクアの追憶の魔眼になんならかの刺激を
与えたのだろうか?
ゼクアが口を開く。
「魔導王アゼル。俺の魔力の大半はアンタから引き継がれし魔力。だからアンタの魔力を吸い込んだことにより俺の幻魔の魔眼が叩き起こされたようだ。感謝するぞ。」
「修行を続行しよう。この場所でやれば
この世界が持たん。俺の空間で続きだ。」と
そしてゼクアは幻魔の魔眼の権能想像したもの具現化するを行使して自身の力だけで何をしても絶対に壊れることのない絶対空間を生成したのだ。
生成するだけであたり一体ゼクアの魔力に包み込まれ
魔導王アゼルの魔力すら凌駕する。
「幻魔想像具現事象空間」
あたり一体はゼクアの想像しか受けつない
絶対空間に包まれた。魔導王アゼルは一歩も
動けない。しかし魔導王アゼルは魔眼から
魔力を放出して一歩も動かずに魔法を放つ。
「暗影空間絶対領域」
「この魔法は空間を外から破壊する魔法だ。」
と言い放ちゼクアの空間を外から攻撃し破壊し始める
しかし空間に一つ傷をつけることができない。
ゼクアが口を開く。
「「幻魔想像具現事象空間」は破壊することできないように俺が想像して使っているだから何をしようとも無駄だ。」
「ならば我も弟子の為本気を出そうではないか!」
と魔導王アゼルも本気を出しゼクアと同等の魔力を
解放して一気にゼクアの脳を揺らし
「幻魔想像具現事象空間」を妨害する。
魔導王アゼルは笑いながら言い放つ。
「ははは!!どうやら高次元魔法を使い次元に干渉し
お前の幻魔の魔眼の魔力を砕いて見せよう。」と
「ほう。魔導の真髄まで到達した例の魔法か?
今の俺に効くか?試してみるといいぞ。魔導王アゼル。」
魔導王アゼルに黒い翼が生え魔眼も黒く光る。
「高次元魔法」
「高次元干渉体」
「高次元干渉体」使用した
魔導王アゼルはさらに魔力が膨れ上がる。
「幻魔想像具現事象空間」
が保てるか怪しいくらいにゼクアは魔導王アゼルの
魔力に侵食されていく。どんどんゼクアの脳を魔導王アゼルの魔力が侵食しゼクアの想像する力が衰弱化していく。
魔導王アゼルが「暗影空間絶対領域」の威力をさらに高め「幻魔想像具現事象空間」に亀裂を入れる。
しかしゼクアも8000年前のほぼ全盛期と言ってもいい力を取り戻した幾多数多の世界を滅ぼし尽くした史上最強と恐れられた大魔王だ。
ゼクアが「幻魔想像具現事象空間」で新たな魔法を使うために「幻魔想像具現事象空間」の中心に魔法陣を描いた。
「この魔法はこの空間でしか使えない究極魔法だ。
喰らってみるか?魔導王アゼル。一応加減はする。」
と言い放ち「幻魔想像具現事象空間」の空間直径1000キロメートルを埋め尽くす数の魔剣を召喚した。
「この魔剣は幻魔の剣と言ってな?
本気で撃ち放てばこの空間。いや全ての次元が
無となり過去、未来が存在しなくなる魔剣だ。
「それをたった今9999兆召喚した。
全てを交わすこともこの魔剣を消すことは
決して出来ない。さぁて!どうするか?魔導王アゼル。」
魔導王アゼルが嘲笑う。
「ならば、その魔剣を掌握するまでだ。」
と言い放ちゼクアの目の前まで瞬間移動して
ゼクアの魔法核を貫いた。
ゼクアが幻魔の魔眼で事象を反射した。
魔導王アゼルの魔法核が崩れ魔力のコントロールが乱れる。
魔法核は本来傷一つ付いただけでも
死よりも辛い苦痛を伴うはずが。
痛がる素ぶりを見せずに魔導王アゼルは
ゼクアに攻撃を続ける。
ゼクアが魔導王アゼルの腹を蹴飛ばし距離を取る。
魔導王アゼルが1000メートルほど吹き飛ぶ。
「では喰らうといい。我の成長の証の魔法を」
「深獄炎燼神滅核弾槍」
一切に9999兆の幻魔の剣が降り注ぐ。
魔導王アゼルは魔眼で睨めつけただけで
どんどん消していく。一つ一つの魔剣の強度は
大したことはないようだ。数があまりに多すぎる。
魔導王アゼルでも全ては壊さない。
「あまりに数が多すぎる。喰らうしかないようだ。」
とわざと喰らったのだ。全ての次元、過去、未来の
存在を滅ぼし幾多数多の世界を滅ぼした究極魔法をだ
魔導王アゼルは喰らってしまい
完全に消滅してしまった。
勝利を確信したゼクアが「幻魔想像具現事象空間」を解除した。
「幻魔想像具現事象空間」を解除した瞬間消滅したはずの魔導王アゼルがいた。
「高次元干渉はうまくいったようだ。
ゼクア貴様の魔法は八次元をも凌駕する魔法だが
俺はその八次元に干渉し物語を改変したのだよ。」
「だかまぁこの魔法はあまりにも魔力を使いすぎる。
使えてもあと15回と大技5回と言ったところか?
どの道俺はお前に勝てないであろう。認めよう。
お前は俺などとうの昔に超えていたようだ。大魔王。」
と魔導王アゼルが敗北を口にする。
大魔王ゼクアが幻魔の魔眼を閉じる。
「何を言っている?俺だって師匠に勝てるか
分からなかったぞ。」と口にする。
「どう考えても俺はお前には勝てん。」
「それはそれとしてゼクアよ。いくのか?
冥界主神ガゼリオスを殺しに?」
ゼクアは次のように答える。
「そうだな。まずはガルディア王国に帰り
俺は仲間を取り戻すさ。俺が大魔王として
再認識させて配下を作り直し魔王城を建て
戦争に備えるつもりだ。」と
「魔導王アゼル。感謝するぞ。また会おう。
今度は俺が皆にガルディア王国の民に認められてから会おう。そして二つの世界の王として酒でも飲もう。」とひとまずお別れを口にしてエルシュカと共に
ガルディア王国に帰還した。
そして不死王ガリエスが魔族を100人ほど連れて
大魔王ゼクアの家に集まってゼクアの帰りを待っていたのだ。
不死王ガリエスが口を開く。
「貴方様がご不在の間私が昔配下だったもので
他の魔王の洗脳にかけられていたものを一度殺し
蘇生しなんとか洗脳は解除できたものの一部の者は
洗脳が根強くされていたため私では洗脳が解除できませんでした。」と
ゼクアは次のように不死王ガリエスを褒め称える。
「流石は我右腕だ。その仕事ぶり誇りに思うぞ。」と
「洗脳をかけたものは8000年前転生をしなければならないほどまで追い込んだ。魔王たちなのか?
それとも冥界主神ガゼリオスなのか?
このものたちはそんな姑息な真似だとせずに
正々堂々やると思うのだが?一体誰が?」
とゼクアは疑問に思い不死王ガリエスに問いかける。
しかし考えれば考えるほどの謎が深まるばかりだ。
ゼクアの隣にいたエルシュカは口を開く。
「私多分だけど心あたりある。神の中に全ての関係、愛情を切り裂く神がいたと思う。確か名前は断絶神断絶神ゴギアレグルス。神と魔族の生みの親である冥界主神ガゼリオスの配下だったと思う。」
ゼクアはエルシュカに対して
「冥界主神ガゼリオスは魔族と神の生みの親なのか?」
と驚愕する。
「冥界主神ガゼリオス。それほどのレベルの男が俺の父の身体に入り込み乗っ取り行動しているのか?」
と色々謎が残るものばかりだ。
エルシュカは謎に対して知っている限り答える。
「冥界主神ガゼリオスは本来私より弱いの。
神の中でも最弱と言えるほどにだけど
ゼクアの父って魔王だったんでしょ?」
「確かに魔王だった。何者か父を殺し死体を拾った
冥界主神ガゼリオスが父の身体を利用したんだと
本人が言っているのを世界神ノウズべディアと話しているところを聞いたのよ。」
と答えた。
「ではまずは、断絶神ゴギアレグルスと冥界主神ガゼリオスを倒すとするか!エルシュカ、不死王手伝ってくれるか?」
と頼んだ。
不死王ガリエスは
「御意」と同意する。
エルシュカは
「私を助けてくれたんだしどこまで行くわよ。」
と顔を赤くして照れながら言ったのであった。
そして冥界主神ガゼリオス、断絶神ゴギアレグルスを
撃つためこの2人を探すことにしたのであった。