第7話 魔導王アゼル
ガルディア王国に帰宅したゼクアたちは
冥界主神ガゼリオスの脅威を説明した。
「奴と一瞬交えたが全盛期の俺と同格と言っていいほどの魔力の持ち主で今の俺では到底敵わない。このままでは俺はお前たちを守りきれんだから今から高次元世界深淵界ジェルファドの王であり我師匠である魔導王アゼルに会いに行こうと思う。エルシュカお前も来るか?」と問うた。
エルシュカは
「当たり前じゃん。
嫁である私が行かない何であると思ってんの?」
とニヤつきながら言ったのであった。
「不死王ガリエスお前はガルディア王国の警備を頼む」
と命じてエルシュカとゼクアは高次元世界深淵界ジェルファドに向かうことにしたのであった。
そしてゼクアは次元魔法を使い高次元世界深淵界ジェルファドに向かい高次元世界深淵界ジェルファドに到着したゼクアとエルシュカは魔導王アゼルを見つける為に周囲の住民に聞き込みをした。
「そこ住民よ。俺の名は大魔王ゼクア. ヴァルドだ。
魔導王アゼルの弟子だ。魔導王アゼルの場所を教えてくれ。」と
住民がこのように答えた。
「魔導王アゼルでしたらこの世界の天空にある魔導城にいますよ。入る為には門番に実力を示さないとならないのです。どうか気をつけてくださいませ。」と
ゼクアとエルシュカは上空5000メートルまで飛び
魔導城を探し始めた。
「見つからんな。エルシュカ。
もしかしたら幻影で見えなくなっているのかもな。」
とゼクアが言い放ち追憶の魔眼を光らせて
魔力を放出し幻影魔法を解除したのであった。
「ほう。これが魔導城か。8000年前俺が住んでいた城より立派な城だ。城の素材は上の中と言ったところか?」
と言いながら魔導城の巨大な扉をこじ開けてスタスタとゼクアとエルシュカが堂々と魔導城の廊下を歩く。
廊下を歩いていると1人の男が現れた。
「あの人が魔導王?」とエルシュカが言った。
「我は霊王ガルルス。我に勝てば先に進めばよい。」
ゼクアが追憶の魔眼で霊王ガルルスの魔力を見た。
「此奴が門番か。大した魔力を持たん貴様が
門番とは魔導王アゼルは何を考えているのだ?」
と啖呵を切り右腕に黒色の炎を纏い一瞬で
霊王ガルルスの腹を貫いたのだ。
「大炎爆滅触手」
貫いて心臓を握り潰し殺した。
「この程度か笑わせるな。」
「あはは。我は元々死んでいる。
つまり生命なき存在。その攻撃では
我を消すことはできぬぞ。甘いの大魔王。」
そしてゼクアが問う。
「何故死んだ状態で話せている?」と
その質問に対して霊王ガルルスはこのように答えた。
「我は死体でありこの死体に魔導王直属部隊団長ゼグオス様の魔力を供給させてもらっているのだよ。」と
ゼクアがなるほどと納得し霊王ガルルスを倒す方法を考えたのだ。倒すのは簡単であろう実力さは明白だ。
しかしゼクアが力を放てばこの世界の住民も無事では済まない。どうしたものかと考えるゼクア。
その時隣にいたエルシュカが口を開く。
「私がこの霊王ガルルスと戦う方が安全じゃない?」
とゼクアに名案を投げかけた。
しかし魔導城にとある人物の声が響く。
「我は魔導王直属部隊団長ゼクオスである。
貴様の出る幕ではない。これはゼクアの試練だ。」と
ゼクアが大きな深呼吸をする。
「エルシュカ、心配すんな。
俺はお前の夫だ。負けないよ。」
エルシュカは少し顔を赤くして
「全くずるい人‥‥
そんなの言われたら任せるしかないじゃない。」
と呟く。
そして霊王ガルルスとゼクアの戦いが再開される。
「さぁ。大魔王。周りを巻き込まずにどう我を倒す?」
と煽る。
「仕方ない。」と呟き魔法を使わずに素手で
霊王ガルルスの顔目掛けてパンチをした。
しかし霊王ガルルスは死体だ。
痛みも感じない。感触もない。
ただ吹き飛ぶだけ。
霊王ガルルスがゼクアに吹き飛ばされる瞬間
魔法陣をゼクアの腹あたりに書き込んでいたのだ。
「魔力吸引」
「この魔法は当てたものの魔力を吸い尽くす魔法だ。
早く魔法を使って我を倒さねば貴様の魔力は切れる。
貴様が全盛期の1割以下の魔力しか使えないのは知っておるぞ。さてどうする?」
と言い放ちゼクアの魔力を吸い続ける。
ゼクアの魔力を吸い続けていたら突如
霊王ガルルスの身体に生気が戻った。
「な!我は死体のはず!何故生気が戻って!!」
ゼクアが口を開き何をしたか説明する。
「俺が魔力を吸われながら貴様に蘇生魔法をかけた。
しかも過剰なほどにな?これにより貴様は1分後には生き返り俺の攻撃が通用するようになる。わざわざ世界を消し飛ばす程の魔力を解放せずとも貴様を滅ぼせるぞ?」と
ゼクアがトドメを刺す為に追憶の魔眼を使い
事象の消滅を使用して霊王ガルルスを消滅
させようとした瞬間「終わりだ。」という
声が魔導城に響き渡る。
そして奥から冥界主神ガゼリオスと同格の魔力を帯びた男がこちらにゆっくりと歩いてくる。
あまりの魔力にエルシュカは恐怖する。
怯えているエルシュカの左手をゼクアは握る。
「大丈夫だよ。魔導王アゼルは悪い人じゃない。」
と説明する。
魔導王アゼルがゼクアの目を見て
「久しいな。ゼクア。手加減できるようになったとは
成長したな!だが今のお前は弱い!」
ゼクアはその発言に対して次のように言う。
「アゼル。8000年前のように稽古を頼む。
それと本気の戦いでだ。冥界主神ガゼリオスを倒す為だ。」
と頼み込んだのだ。
「我が本気で戦えばどうなるか分かるかね?
ゼクアはお前は世界神如きに手こずっていただろ?」
「まぁよい。身の程を知れ。ゼクア。」
と言い放ち魔導王アゼルはゼクアを何もない空間に
引きずりこんだ。そこには地面もない。
歩くことは愚か指一つ動かすことすらできない。
ゼクアが口を動かし
「事象消滅」
を使用しようとした瞬間に魔導王アゼルが
突如ゼクアの目の前に現れ口元を押さえつけ
吹き飛ばし魔力を全て引き抜いた。
「ぐぁぁ!!!」とゼクアが悲鳴をあげる。
「身の程を知ったか?ゼクアよ。」
完全に力の差を見せつけられたゼクアは魔導王アゼルに片腕で持ち上げられてエルシュカの方に投げた。
「辞めてください。アゼルさん」
と泣きながら言った。
魔導王アゼルはエルシュカに次のように言った。
「嬢ちゃん悪いな。
これはゼクアの修行だ。口を挟むな。」
ととてつもない魔力を放出してエルシュカを牽制した。
身体中血だらけのゼクアが口を開く。
「魔力がないからと言って
魔法が打てないとでも思ったか?」
と支離滅裂な発言をして魔法を打ってきたのだ。
「ほう!やるではないか!幻魔の魔眼は使えてはいないが権能の一部は使えるようだな。」
「アゼル。俺は幻魔の魔眼は既に開眼しているが
本来の力がなくて使えなくてな!」
と言いながら魔力なしで世界神ノウズべディアを
滅ぼした魔法「滅核業紫炎核爆大砲」を撃ち放った。
しかし魔導王アゼルは片手で薙ぎ払った。
「まさか魔力なして撃ち放つとは想像したもの具現化する能力を使ったな?ゼクアよ。まさか魔力なしでも想像を具現化できるとは驚いだぞ!流石我弟子よ!」
と喜びながらゼクアと戦うのであった。
そしてどんどん戦いは激しくなる。
魔導城は揺れ崩れ始め地上の魔族たちにも
影響が出始めた。そしてとある声が聞こえてくる。
「地上の魔族たちに影響が出てます!
ただちに戦闘を辞めてください。」と
「ゼクオスか。すまん。今戦闘は終わりにする。」
と言って渋々戦闘を辞めたのであった。
無茶な戦いをしたゼクアは気が緩んだのか?
その場で倒れてしまったのだ。
それに対して魔導王アゼルは次のように言った。
「我々は死という概念がない。ゼクアも我もな?
だからゼクアが死ぬことはない安心するんだな。」と