夏の作業には
通り過ぎた台風後の朝は
暑いほどに青空で
上空を回る鳶の姿を
濃いブルーを背景に
眺められた
刺してくる太陽と
湿気のジャケットは
Tシャツを
防寒着に変えてしまう
こめかみから流れる雫には
伝わる音がある
タオルで拭うが
意味の無い繰り返しになった
草刈りをした日陰に
腰をすえ休憩を取る
帽子とタオルを脱げば
自らの汗の分だけ
心持ち
冷たい空気がやってくるが
直ぐにかき消えた
タオルを絞ると
人間だった水分が
ドパドパと落ち行き
濡れた跡が地面に残る
スポーツドリンクと
自前の握り飯で
補填していくが
何処かに穴が空く
続きに尻込みするのは
足りない部分が出たからだろう
午後三時の休憩も終わり
一日を終わらせる時間になると
首の後ろ側が
ヒリヒリとしてくる
タオルでは隠し切れない刺し方が
太陽にはある
顔の色も変わるのだから
自分の2Pキャラクターになるのだろう
道具の片付けを始め
手入れをしながら仕舞う
丁寧であるほど
長く使える物だ
扉を閉めても
辺りはまだ明るい
時計が出来た社会で
時間に従うことの意味が出る
楽が出来ることを
誰も指摘はしない
そういう狡さを
人は持っている