転生したら、問題発生…?
家族が、甘々でした。
私セーラ。
転生してから、三年が経ちました。
生まれてきてわかった事が多くあった。
まず、地球じゃないこの世界はあの乙女ゲーム『碧の花園で君と』の世界だった。
(いや、なんでよっ!?)
気づいた時はパニックだったけど、周りは赤ん坊が癇癪起こしただけだと思っていただろう。
赤ん坊で助かった。
わかったことはまだ沢山ある。
私セーラ.ヘルツォークは、公爵家令嬢の次女だった。
ヘルツォーク公爵のソティラス父様にリリィ母様。二人とも超絶の美男美女。
そして双子のルークス兄様とルーチェ姉様。美丈夫な父様と女神な母様の子供なだけに天使の様に美形揃い。
そんな家族は私を溺愛していて、両親もそうだけど、双子の兄様と姉様は特に凄い。
「セーラ!」
「はぁい。」
「〜っ!!可愛い〜!!」
「あ!ルーチェずるい!僕も!!」
私が呼ばれて振り向くだけで、抱きしめて頬ずりしてくる。
(大丈夫かな…。この兄様と姉様。)
生まれてからずっとこの調子だけど。上手く愛情を返したいけど、前(前世)の記憶があるからか、直接的な愛情に中々慣れない。
けれど…まあ、嫌われるよりは…ね?
正直に嬉しいのだけど。
で。だ。
ここからが本題。
実はヘルツォークって私の記憶が正しければ、この世界の主人公じゃないか?って言うこと。
(え?嫌ですけど。)
ヒロインなんて柄じゃないし、今はまだ小さいから令嬢教育もまだ優しいけど…、公爵令嬢なんて息苦しいし、平凡な人生を送ってきた私がお嬢様なんて無理!
絶対に何とかしなきゃ!
(まずは情報収集ね。)
私は家の奥にある書庫に向けて歩いていた。
小さい体のせいもあれけど、公爵家だけあって無駄に広い廊下をてくてくと歩く。
「セーラ、どこ行くの?」
「かあしゃま!」
振り向くと母様が私の近くまで来て、目線を合わせてくれた。
「しょこ(書庫)にいくんでしゅよ!」
「まあ!まだ小さいのに偉いわね!セーラ。」
私が胸を張って言うと、母様は目を細めて微笑む。
うん?呂律が回らないのは、3歳児なので大目に見てほしい。
「でも、いくらお家の中でも一人で行動するのはいけませんよ?」
「はぁい。ごめんなしゃい。」
「いい子ね。書庫には私と行きましょうね。」
「はぁい!」
母様と一緒に手を繋いで書庫へと足を運んだ。
書庫の中は図書館並みに本や資料が沢山あったけど、
(…読めない。)
この世界の文字は、ミミズ文字だった。
…なんてこったい。