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最弱ゴブリンは気がつかない [工事中]  作者: しゃぼてん
4章は、これから書き直す予定です
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4-17 防具屋 3

さて、おれはそろそろ、ここに来た目的を果たすことにした。


「で、このお店の商品で、おれが装備できるのはどれ?」


 防具屋の少年店員はおれに言った。


「お客さん、ゴブリンでしょ? ゴブリンが装備できるのは、少ないよ」


 店員君は、くわしく説明してくれた。


「ほとんどの装備は、モンスターに悪用されないように、職人が制限をかけてるんだ。だから、うちに置いてある体用装備でモンスターが装備できるのは、量販品の革の防具類と、トランクス風、ブラ・ショーツ風とかのインナー風装備と水着だけだよ」


「なんで下着系は装備できるんだよ!」


 おれが思わず叫ぶと、店員君はいたってまじめな声で答えた。


「装備させたい人がいるからじゃないかな? 女性用インナー風装備は、たまに、スケベそうな男テイマーとかが、買っていくよ?」


「なるほど」


 防具屋店員の説明に、おれは納得した。


「防御力でいうと、この中では革の防具が一番高いよ。インナー風装備は見た目とちがって、その上には一切他の防具を装備できない制限がかかっているから、防御力を上げたい場合はおすすめできないんだ。でも、特別な効果を発動することもあるから、ひとによるんだよね。お客さんの場合『笑わせる』系の技の効果はあがるかも」


 おれはクールに教えてあげた。


「それは関係ないな。おれはいつでもまじめな常識人だから」


 なにはともあれ、おれは革の防具シリーズと下着系装備の中から、新しい装備を選ばないといけないらしい。しかも、下着系装備の男物は2つしかない。


「革の防具以外はトランクスか赤いふんどしか……。どっちも普段着としては、ありえないよなぁ。なんでそんな格好で旅に出なきゃいけないんだよ」


 おれがひとりでつっこんでいると、防具屋の店員君が、おれに、こっそりささやいた。


「お客さん、ここだけの話。実は、インナー風装備は、男性が女性用を装備することも可能なんだ。男性が装備できないような制限はかかってないから」


「へー。じゃ、ブラやビキニの水着も……って、誰が装備するか! おれは、そんな趣味はないぞ、店員君。しかもそれで外を歩くなんて、ありえないだろ! あ、でも、見るだけならいっか」


 おれがどうしようか迷っている間に、リーヌは壁ぎわの棚に置いてあった女性用装備を手にとって、ホブミにたずねていた。


「これ、なんだ?」


「ガーターベルトですね。ストッキングがずり落ちないようにするものです」


 おれは思わず、そっちにふりかえった。


「ガーターベルト!? セクシー装備の定番……!」


「お客さん、さすが。だてにスケベそうな顔をしてないね」


 とおれに言ってから、防具屋の店員君はリーヌ達にむかって説明した。


「ガーターベルトは見えるように装備しておくと、セクシー系の技の成功率があがるんだ。お姉さん達が装備したら、きっと百発百中だよ」


「セクシー系? じゃ、関係ねーな。テイマーだからな」


 リーヌはガーターベルトを棚に戻そうとした。

 おれはリーヌに思いなおさせようとした。


「リーヌさん、そんなこと言わずに試着してみるっす。そして、おれに、セクシー技がかかるかどうかチャレンジしてくれっす」


「そこまで言うなら、試してみっか? で、見えるようにって、服の上から装備すんのか?」


 リーヌはガーターベルトの装着方法をわかっていないようだったから、おれは、教えてあげた。


「違うっす。下着の上につけるんす。そして、上には何もつけちゃだめなんす。つけていいのは、下着だけなんす。ムフッ」


「つまり……」


 その辺りで、リーヌのどなり声がくるのかと思ったんだけど。

 その前に、ホブミが待ってましたとばかりに、<100トン・ハンマー>を軽々と振り上げた。


「では、約束通り!」


「ギャーーー! ガーターベルトはおれへのトラップだった!」


 おれは、大慌てで店員君の後ろに逃げ込んで背中にしがみついた。店員君は、一切、スケベな言動はしていないから、叩き潰せないはずだ。

 ホブミは、笑顔で店員君にたずねた。


「店員さん。<100トン・ハンマー>の仕様を試すために、ちょっと試し打ちをしてみたいのですが、構いませんか?」


 おれは叫んだ。


「だめだー! スケベな言動をした奴としていない奴が一緒にいるときに両方いっしょに叩けるか試そうとするなんて絶対だめだぞー!」


 店員君は、あせって必死に叫んだ。


「すみませんっ! お姉さん! 当店では、武器の試用は、できないんですっ! ご遠慮くださいっ! お願いだから許してくださいっ!」


 店員君がものすごく必死に接客してくれた結果、ホブミはしぶしぶ巨大ハンマーを片付けた。 

 あー。あぶなかった。



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