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最弱ゴブリンは気がつかない [工事中]  作者: しゃぼてん
4章は、これから書き直す予定です
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4-16 防具屋 2

 おれ達のやりとりを聞いていたリーヌが言った。


「そういや、大家から聞いたことがあるぜ。武器防具屋にはレア装備で興奮しまくる装備マニアのバイトとか、すんげぇ気になる感じでヅラがずれてる武器屋の親父とかよ」


 おれは、リーヌの背後を見ながら、小声でリーヌにささやいた。


「リーヌさん、そのズレヅラおやじが、まだ、そこにいて、こっちをにらんでるんすけど」


 武器屋のおやじは、おれ達のことを見張るように、武器売り場と防具売り場の境目に立っていたのだ。もちろん、そこは十分にリーヌの声が聞こえる距離だ。

 だけど、リーヌは店内に響き渡る大声で言った。


「大家のやつ、ズレヅラおやじに、デートに誘われたらしいぜ? 爆笑だよな。んでさ、大家、言ってたぞ。『わたし、年上でもOKですよ? それにハゲてることがNGってわけじゃないんです。おしゃれのためにカツラをつけることが悪いとも思わないですよ。でも、あの中途半端なカツラのずれ具合は、どうしても許せないんです! ツルッパゲにしてから出直してこいやぁーー! ……なんて、面と向かっては、言えないですけどねー』って」


 面とむかってはいないけど、後ろ向きのリーヌに、はっきりそう言われてしまった武器屋のおやじは、ものすんごい顔になった。そして、ひっそりと、おれたちに背をむけ去って行った。


 さて、おれは盾の話に戻ることにした。


「ホブミ、一割引きのために、店員君にあの盾を見せてくれよ」


「仕方ありません」


 ホブミは、ごそごそと、賢者の服の中から、盾をとりだした。いっさい、肌とか見せずに。

 ホブミは盾を両手に持って、防具屋のバイトに見せた。


「見るだけですよ。触ったら死にますから」


 防具屋の少年は、盾をじっくりと見て、感激の声をあげた。


「やっぱり、これは、伝説の<シャハルンの盾>! すごいオーラが出てたから、レア装備に違いないと思ってたけど。まさかこんな装備を見られるなんて。防具屋でバイトしててよかったぁ~!」


 そう叫んでいる防具屋のバイト店員の顔は真っ赤で、鼻血がだらだら流れている。


「そういう名前の盾だったのか。てか、盾を見ただけとは思えないなー。店員君のこの反応……」


 おれがつぶやくと。


「まるでゴブヒコが女の裸見た時みてーな反応だもんな」


と、リーヌが言ったので、おれは言っといた。


「リーヌさん、適当なこと言わないでくれっす。おれはまだ女性の裸を目撃してないっす。そうだ。おれのリアクションを試すために、ぜひリーヌさんの裸を見せてくれっす」


 リーヌが何か言う前に、ホブミが、近くにあった巨大ハンマーを軽々とふりあげた。


「ゴブヒコさん、鼻から脳漿出したいんですか?」


「ギャーーー! なんで、非力な賢者のくせに、巨大ハンマーなんて持てるんだよ!」


 おれが叫ぶと、防具屋の少年店員は鼻血をふきながら言った。

「<100トン・ハンマー>は、女性なら誰でも装備できるよ。なぜか、女の人は重さを感じないんだ。100トンもあるのに。だから、実質、女性限定装備なんだよ」


「な、なるほど」


 防具屋の少年店員はさらにくわしく教えてくれた。


「でも、『男性がスケベな言動をした時』っていう条件でしか攻撃できない制限がかかってるから、使えないよ。だたのネタみたいな武器なんだ。強い制限がかかってる分、どんなに強い敵でも百発百中でぺしゃんこにできるけどね」


「じゃ、おれはだいじょうぶだな。おれは絶対にスケベな言動なんてしないマジメで硬派なゴブリンだからな」


 おれが自身をもってそう言うと、ホブミは言った。


「では、もしも店内でスケベな言動をしたら、このハンマーでたたいていいですね?」


「え? も、もちろん」


 うーん。おれは硬派だからだいじょうぶだろうけど、気をつけよう。 

 さて、おれは、店員君に盾のことを聞くことにした。


「で、おれはあの<シャハルンの盾>っていうの、装備できるかな?」


 店員の少年はくわしく教えてくれた。


「できるよ。<シャハルンの盾>には、ステータスの上限とレベル65以上っていう制限があるから、高レベルで低ステータスのひとしか装備できない、ちょっと変わった装備なんだけど。ジョブとしては、勇者、騎士、人型モンスターが盾として装備可能で、鎧としてなら、魔法使いと賢者も装備可能なんだ。魔法使いや賢者なら、お姉さんが装備していたみたいに、服の下に仕込んでおくのが定番らしいよ」


「盾なのに? 盾って手にもつものじゃないの?」

 おれがたずねると、店員君は言った。


「大きさによるけど、実は、盾を服の中に仕込むの、めずらしくないんだ。昔々、伝説の大魔導士が、大魔王との戦いでそんな使い方をしたんだって。それを真似して、ひじ当てや盾を服の下に仕込むのが流行ったって話だよ。でも、<シャハルンの盾>は、世界に一つしかない伝説の超レア装備だから、装備したことがある人なんて、そんなにいないと思う。あー、<シャハルンの盾>。このカーブのなめらかさ、白銀の輝き、なんて、すばらしいんだぁ……」


 防具屋の店員は、鼻に栓をしながらうっとりとした表情でそう言った。


「なんか、そう言われると、この盾がすごい立派に見えてくるっす。あの勇者のせいで、イメージ悪かったんすけど」


 盾を眺めながら、おれは思った。

 ホブミのかけたデス・トラップさえなければ、おれもこの<シャハルンの盾>を装備できるのか。……でも、トラップを回避できる気がしないな。



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