グレンウィズタッグ
ここにはそんな大会があるのか。ちょっと気になるしもう少し聞いてみよう。
「シェラちゃん、その大会のことくわしく聞いていい?」
シェラはうなずき、2人に話し始めた。
「名前はグレンウィズタッグ。さっき言った中心区でたまに開かれるの。参加条件は中心区のまわりにある4つの区で上位2位に入ること。ルールは2人でチームを組んでトーナメント方式。チームのどちらかの人が攻撃を受けたら負けになるの」
「難しそうだけど、とにかく相手より先に攻撃すればいいんだね!」
私はまだ理解がおいついていないからこはに任せる。
「攻撃はどうすればいいのですか?」
「2人は攻撃技がないから相手をタッチするだけでもいいの」
シェラはとても簡単なことを言っている。
「とにかく心春には運に依存する魔法を一通り教えてあげるの。楓は運の使い方を練習するんだけどその前に少し濡れてるみたいだからお風呂に入ってくるといいの」
「そういえば水溜まりで転んで濡れてた…。ありがとう!」
楓はお礼を言ってお風呂に行った。この世界にもお風呂があるのかと思いながら歩いていると、旅館にありそうな石でできたお風呂があった。濡れた服を脱いでそのお風呂にはいる。湯加減はとてもよかった。
「ここでの私は幸福なのか…。信じられないなぁ」
やさしいシェラちゃんに出会えて、こんなにいいお風呂にもはいっていて確かに幸福だと思う。ゆっくりしてから上がるとパジャマがおいてあったので借りることにして、シェラのもとに戻るとこはは魔法を覚え終わっていた。
「疲れたと思うから心春もお風呂に入るといいの」
「ありがとうございます」
そしてこはもお風呂に行った。運の使い方ってどう使えばいいのか…。わからなかったので聞いてみることにした。
「あ、あの運の使い方はどうすればいいの?」
そう言うとシェラは心春に教えている魔法の効果が書いてある紙をもらった。
「例えばこの運がいいほど回避率が上がる魔法があるんだけど、運よく技を回避している感覚を鍛えれば実戦でもうまく使いこなせるようになるの」
少し難しいが他の効果も想像してみる。一通りイメージし終わったところでちょうど心春はお風呂から上がってきた。その時シェラが靴と杖を持ってきた。
「前武器作成をしているって言ったよね。それで作ったんだけどこの靴は運がいいほど速く動けて、杖は強化魔法の効果が上がる能力付きなの」
私はシェラに感心していた。そして、これからのことを聞き始めた。
「私たち戦ったこともないから練習をしたいんだけど…」
シェラはその言葉を待ち望んでたかのように話し出した。
「3日後にシルウァ区で初心者用の大会があるの。練習したいと思って楓と心春でエントリーしといたの!」
『どうしよう…』