カリダス区
まぁいろいろと疲れたが無事にカリダス区に着くことができた。この疲れを温泉で取りたい所だがまずはモンスターと戦うための許可証を貰いに行かなければならない。
「シェラちゃん、許可証ってどこで貰えばいいの?」
「あの森を抜けた所にある神殿で貰えるの」
そう言ってシェラは楓の右側を指差した。
「ならその神殿に早く行ってから温泉行きましょう!」
心春は温泉をとても楽しみにしているようだ。私も早くい~き~た~い~!ということで少しはや歩きで神殿へと向かった。
「あぁ……温泉を素通りしています……」
心春は極限状態とも言える感じになっている。そんなところでやっと森についた。そしてシェラは木に巻き付いている蔓を見て言った。
「あの蔓は触れると巻き付いてきて身動きが取れなくなるの。だから注意して……って心春?!蔓に触れちゃ…」
「え?…………きゃぁぁっ!」
なんというかわいい悲鳴。多分極限状態で不注意だったのだろう。心春は頑張って抵抗している。
「なにこれ……どんどん巻き付いてきます……」
私は見てしまった。蔓によって見えた胸の大きさを…。85ぐらい?…というか助けないと!と思ったらシェラは「将来はこれぐらいになるもん!」という目線を向けながら助けようとしていた。
「あの蔓は抵抗しなければ普通にほどけるの!だからじっとしてるの!」
「わかりました!」
すると蔓はしおれるようにほどけていった。
――ドスン
心春はしりもちをついて地面に落ちた。とても痛そうだ。
「すみません…。私ぼーっとしてしまっていて…」
心春は少し落ち込んでいるようだ。
「大丈夫だよ!今度は当たらないように落ち着いて行こう!」
心春はうなずき、再び歩き出した。が、さっきのが怖かったのか心春は私にしがみついてきたので、そのままゆっくりと向かった。そしてちょっと歩くとすぐに神殿が見えてきた。
「お、お邪魔します」
私たちは神殿へと慎重に入っていった。そしてすぐに返事があった。
「ようこそ、水の神殿へ」
名前は安直だが雰囲気はちゃんとしている。まだ温泉のことが頭にあるのかすぐに本題へ入った。
「あの、私たちはモンスターと戦うための許可証を貰いにきたのですが…」
いつもよく見る流れだと何かの試練があって、それを突破すれば貰えるみたいな感じかな?これは頑張らないと…
「あ、許可証ですね、気を付けてモンスターと戦ってくださいね」
そう言って許可証を差し出してきた。……え?私の覚悟は一体……こんなにあっさり貰えるなら許可証なんて制度いらない気がするんだけど…
「じゃあ帰るの」
「ほんとにこれだけなのですか?」
こはナイス質問!それは私も気になっていた。
「だってこれは小さい子とかがモンスターにちょっかい出したりしないようにするための制度だからこれだけなの」
「「なるほど!」」
緊張しすぎていただけかと思い、楓と心春、シェラは仲良く手を繋いで温泉へとスキップで向かった。
……あれ?シェラスキップできてる?