プロローグ
初投稿第1話です
都筑統牙は少しだけ世界の裏側を知っている、そして人間ではない、が普通に生きてきた。
あの日も普通の一日になるはずだった。
統牙がいつものように学校に向かっていると
「おはよー統牙君」
そう統牙に声をかけたのは霧媛舞香。
この学校で上位狙えるほどの美少女でスポーツ万能、勉強も出来るし女子の受けもいいようで正しく完璧超人、欠点はあまりにも音痴というぐらいか…曰く非公認のファンクラブかあるとか…
そんな彼女だがいつもはおろしている今長い髪今日は後ろにまとめている。それをじっと見ていると舞香は少し慌てて自分の姿を確認して今日はいつもの髪型とは違うことに気づいて
「ね、ねぇ。統牙君てこういう髪型がいいの?」
「いや、そういうわけではないんだが…」
ただ彼女の白い首筋が見えているのがな…
統牙は人ではないためか首筋が気になってしまう
「統牙君が気になるならこの髪型にしようかな」
何か小声で呟く。
「それより今日はどこの応援なんだ?」
舞香が動きやすい格好の時は運動部の応援に呼ばれているからだろう。
「今日はバレー部なんだけど……」
少し俯きながら統牙の様子をうかがいつつ
「統牙君も応援に来てくれる?」
と訪ねてくる。
特に用事もないし
「気が向いたらいくよ」
「うん、期待しているから」
何が嬉しかったのか駆け足で階段を上がって行った。
教室につくと
「おはよう統牙君」
声をかけたのは成績優秀運動神経抜群その上イケメンと三拍子揃った嘘みたいなクラスメイト、高峰光一。
「おはよう高峰」
とりあえず挨拶を返す、と
「なあ統牙君、霧媛さんは」
「なにも言われてねえし手を出してもいねえから安心しろよ」
「………ならいいんだ」
統牙の答えに納得してはいないがとりあえずは下がってくれた。
そう、どうやら高峰光一という男は霧媛舞香のことが好きな様で彼女によく話しかけられる統牙によく声をかけてくる。迷惑だが今のところ手出ししてはいないため統牙もなにもしない。
面倒な事も先送りできたし窓際の自分の席に着く。
外に目を向けると生徒が校舎に向かって走っている。
毎日の光景に今日も普通の一日と気を抜いてしまっていた。
だから突然発動した魔方陣に反応できなかった。