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じじコン~grandfather complex~  作者: 永嶋大輔
本編
8/8

(あつし)のプリンが食べたいという一言から菓子作りを始めて、今や趣味が菓子作り」

「やめろって!」

「お化けもあまり好きじゃないのに、肝だめしでは…」

「わー!何でそのことまで!?(あきら)さんから聞いたのか!?」

「だから、その彰なんだが…」


真っ赤な顔の(たくま)は、これ以上自分の恥ずかしい秘密を暴露されないよう、部屋の壁側へと彰少年を連れていく。


「まだ、信じられないのか?なら、仕方ない、この話をするしかないな。小学生の時に、めぐみちゃん…」

「!…やめてくれ!」



「………ん?」


真顔で淡々と逞の秘密をバラしている彰少年に、睦は既視感のようなものを感じた。



………俺、彼のこと、知ってる?

彼とは初対面のはず。でも、どこかで見た、ような。



ジッと彰少年を見ていると、少年の後ろのものが視界に入る。

睦はハッとした。


「あー!」


突然の睦の大きな声に、逞達は驚く。


「それ!」


睦は二人の間を指差し、彼らに近付く。


「それ?」


逞が指されている方向を見れば、そこには壁にいくつか掛かっている額縁に入った写真。それを見て、逞は目を見開いた。

白黒写真の中央、無表情の少年が家族らしい人物たちと一緒に写っている。写真の中の少年は、逞の目の前にいる自称彰少年と瓜二つであった。そう、似ているではない。瓜二つ、そっくりなのだ。

写真の下には、昭和の日付。そして、彰12歳の文字。


「これ、じいちゃんの、子供の時の、写真」


彰少年に対して睦が感じていた既視感のような感覚は、この写真をよく見ていたからである。



「ほ、本当に、じいちゃんなの?」

「だからさっきからそう言っている」


全く、薄情な孫だな、腕を組んで片目を閉じて溜め息をつく彰少年。その行動は、瀬波(せなみ)(あきら)という老人が、呆れている時によくする癖だった。


「じいちゃあん」


少年が大好きな祖父だと確信した睦は、涙を目に一杯溜め、彰に抱きついた。


「じいちゃん、じいちゃん~」

「やっと信じてくれたか、バカ睦」


ポンポン、軽く睦の頭を叩いて、彰は睦を抱きしめ返した。


「彰さん、何です、か」

「ああ」


写真を見ても半信半疑だった逞だが、一番信頼している友人が、彰の孫である睦が、認めたのだ、信じるしかない。



「何でそんな姿に?」

「ああ、とりあえず、座ってくれ。話をしよう」


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