(第85話)
◇10.8 愛の謝罪
2010.8.23 23:50
宛先:前田蓮香
件名:山本エリ・本山リエです
久しぶり。中学のとき同じクラスで吹部だった山本エリと本山リエです。
中学を卒業してから1年と5ヵ月ほど経ちましたが、学校生活はどうですか。うちらは相変わらず成績が振るわなくて、夏休みの補習をうけながら、まあ、なんとか学校生活を送っているよ。
今日メールしたのは、蓮香に謝りたいことがあったから。二人でメールの文章を考えました。もしよかったら、最後まで読んでくれると嬉しい。
飾っても仕方がないので、単刀直入でいいます。
蓮香、イジメてごめんなさい。
うちらはまだ子供だったから、信じている人に裏切られることの辛さを知らなかった。
だけど、最近、心から好きになった人に裏切られて、蓮香の気持ちが少しわかったきがした。
蓮香はうちらを友達だと思ってくれていた。何度イジメられても、うちらのところへ帰ってきた。それがどういう意味なのかうちらは気づいていた。うちらを頼っていたことを知っていながら、あなたをイジメていた。
蓮香なら大丈夫。友達だから。そんな根拠のない自信があった。
でも、蓮香が横須賀からでていくことが決まったとき、うちらのせいかな、って思ってしまった。うちらは蓮香をイジメていた自覚があったから。
ずっとモヤモヤしていた。あれだけのことをしておいて、蓮香に謝らないまま終わってしまったことが。
高校へ入学してから、うちらの中には、お互い蓮香のことは口にださないという暗黙のルールができていた。怖かったんだ。今も蓮香に恨まれているんだろうな、と思うことが。だからうちらは現実から目を背けた。このころはまだ、蓮香の気持ちに本当の意味で気づけていなかったのだと思う。
でも、本当に好きな人ができて、愛情と信頼を仇で返されるほど辛いことはないと、身をもって学習した。
蓮香に謝らなきゃ。これは、逃げたらダメなことなんだ。そう思った。
許してくれるとは思っていない。何回誤っても、蓮香にとってうちらは汚点に過ぎないことは分かっている。
ただ、うちらの我儘をきいてくれるのなら、いつか会って話がしたい。
そして目を見て謝罪したい。蓮香と本当の友達になりたい。
蓮香、いろいろ辛いこともあるだろうけど、頑張って。負けないで。もう少し。ゴールは近づいているよ。
愛の力は大きい。こんなうちらを目覚めさせてくれたのだから。蓮香も、愛があれば、大丈夫だよ。
うちらは応援している。だから、精一杯生きてほしい。




