プロローグ前 はじまりのうた
『それが、確か初恋だった気がするんだ。
でも、こんな夢、俺は見た覚えがない。』
これはとある、キラキラした夢の中のお話。
でもきっと、花開く時は今ではない。
もしも ねがいが かなうのなら
そこは、ただの草原でした。いや、ただの草原ではありません。キラキラしたたっくさんのシャボン玉が、青い空を鮮やかに色塗りしています。
そこは、夢の世界でした。
ぼくの りょうてに ゆうきをください
私は、このキラキラした風景を見てると、自然と歌い出したくてたまらなくなります。
ツインテールをなびかせて、小さな素足で、シャボン玉の中を駆け抜ける。歌っている歌は、どこかで聞いた歌。どこで聞いたかは覚えていないんです。でも、こんなに楽しいことは他にない。
あめに うたれて しおれてる
ニコニコと笑って、それはそれは軽快なステップで、くるぶしまでの高さしかない草を踏み分けて、舞っていく。
すると、シャボン玉の海の中に、1人の男の子を見つけました。
あのつぼみを あたためるために
男の子は美しい銀色の髪で、1人不安そうにうずくまっています。私に気づくと、立ち上がって不機嫌に言いました。
「うるさいよ。静かにしてよ。」
私はよくわかりませんでした。私の歌、うるさかったかなぁ…?でも、私以外の子を見つけて、私はすごく嬉しかったので、言いました。
「一緒に歌おうよ!きっとたのしいよ!」
強引にその子の手を取って、その場でクルクルと周り始めました。
やわらかなひざし あいにあふれて
私が歌うと、その子は顔の曇りから抜け出して、呟きました。
「……………その歌、知ってる」
すべてが かがやき
いきてる
男の子は私と一緒に歌い始めました。私はソプラノで、男の子はアルトです。シャボン玉のステージの中の、たった2人のデュエットでした。私たちは、目が醒めるまでずっと、踊りながら楽しく、歌っていたのです。
いやぁ。素敵なオープニングでしょ?
これでも伏線バリバリ貼ってるんだからね。
ところで、この2人が歌っている曲、なんだか知っていますか?
私が小学生の頃、一番に好きだった合唱曲です。




