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あなたのファンなんです
「書家の文字では達筆すぎて読めないし、一般人が書いた方が親近感があっていいのさ」
旦那の頼みで俳句クラブの小冊子の編集の手伝いをするようになって、もう三年。
私の仕事は、作品の筆耕。
月に一度選出される優秀作品を手書きしている。
通常であれば三作品、多い時には両手で足りないくらい書くこともあった。
旦那のお眼鏡にかなわない文字は書き直すこともある。
はっきり言って、荷が重い。
誰か代わりに書いてくれないかなと思っているのだけれど、手を挙げてくれる人はいない。
その事を、軽い気持ちで愚痴ったら。
「貴方の文字、とても好きよ?」
「私も!ずっとファンなの!」
「いつも癒されてます」
とても…うれしい言葉を、いただいて!!