意地と意地・あっけない終わり
俺とギルガメッシュは互いに空中で制止した(空を飛べるのは炎翼のおかげ)。
「「〝心象転写〟」」
俺達は同時に同質の世界を展開。
「〝魂剣之終末〟」
剣が互いの背後に出現する。
「行くぜ‥‥―――――ギルガメッシュ!」
「来い―――――アルタイル=アリエル!」
突進し、背後の剣を射出。
そしてその隙に闘気を高める。
「はあああああ‥‥」
ギルガメッシュは右手の剣だけで数本を防ぎ、同じように闘気を高めた。
「――――――《竜牙突撃》!」
最高峰の刺突同士が衝突する。
「はあっ…………!」
「くおっ…………!」
また互いに吹き飛ぶ。
「もう何回目だよ‥‥!」
「知らん。数えてない」
(どうする‥‥俺にあって奴にないもの‥‥――――あるじゃないか。《無想者》が)
「ここらで決めるぞ、下郎」
「ああ‥‥終わりにしよう」
銀河天文流奥義 《天牙流星》!
「お前、これは持っていないだろ‥‥!」
無想之剣!
「双方そこまでに!」
「「!」」
俺達を制止したのはエンキドゥ。
「お前、なんでアバターを‥‥」
「少しプログラムに穴を開けてね。時間がかかったけども」
「それで応答がなかったのか‥‥!」
「エンキドゥ」
「…………久しぶりだね。ギルガメッシュ」
「…………何故止めた」
「逆に聞くけど、二人の旦那が殺し合っているところを止めない嫁がどこにいるんだい?」
「…………それに、敵は別にいるだろう?」
「敵‥‥だと?」
「バベルと死統魔導書の所有者、だよ」
「⁉」
なんだって‥‥?
「エンキドゥ、それはおかしいだろ‥‥バベルは俺に情報を提供してきたんだぞ?なんでソイツが敵になるんだよ‥‥」
「情報提供の理由は?」
「!」
「そう、彼女に情報を渡す理由はない。それに正義感からだとしても、君ではなく警察に伝えるはずだ。なのに彼女は君とゼオンに接触した。‥‥何故だと思う?」
「…………まさか…………」
ギルガメッシュが顔に怒りをあらわにした。
「ギルガメッシュ、君の予想通りだよ。バベルと《バルバ》はゲームをしていたんだ」
「バルバ?」
「死統魔導書の所有者だよ」
「エンキドゥ、その情報をどこから…………」
「さっきシステムに侵入したと言っただろう?その時ログを見つけたんだよ。彼らのメッセージログを」
「そういうことか…………エンキドゥ、一つだけ答えろ」
「何だい?」
「敵はどの方向だ」
「東と南に一人ずつ」
ギルガメッシュは世界から剣を取り出した。
神威
「まさか世界に二本同時に存在することがあるとはな」
「これも運命だろ」
真名解放・空虚之剣
「ビルガメス・アヌ」
空間を裂く最強の切断技が、陰に隠れていた二人を襲う。
「くっ…………」
ソイツらは防壁を張ったが、即座に砕けた。
壁に衝突。
「…………バベル、バルバ」
俺がそう呼ぶと、女性――――バベルが応えた。
「やあ、…………初めましてだね…………アルタイル君…………」
「何故こんなことをした?」
「何故、だって?」
「お前らはいったい何人殺した!」
「五十七人」
バルバが簡単にそう言ってのけた。
「…………なんでだ!何故できる!」
「正義の為」
「正義だと…………⁉お前らのどこに正義があるってんだ!」
「犯罪者を殺した」
ドゴッ――――――、一発。バベルとバルバの腹に鉄拳が入った。
「悪い、アル坊…………警察としてコイツら見過ごせねェわ」
「同じく」
カインと師匠は警察官だ。
因みに師匠が警視長。カインは警部。
「僕たちの何がおかしい!犯罪者を裁いて何が悪い!」
「お前たちはただの快楽殺人者だろ。要するに犯罪者なんだよ」
「何を――――!」
「お前たちみたいな勘違い野郎を裁くのも、警察…………つうか裁判所の仕事だ」
この世界では逮捕出来ないが
「もうお前たちの部屋に同僚が向かってる。諦めるんだな…………あほんだら」
しかし
「まだ…………まだだ…………!まだ終わってない!」
「なに?」
「この本で終わらせる!」
バルバはその手に握られた本に文字を入力した。
アルタイル
その本に文字が浮かび上がった。
それを読むことで対象を殺せる。
「なんだこれ‥‥読めない‥‥長すぎる‥‥!」
そう、まさに異世界語といえる文章。
「アル」
「アナタ」
「「私たちに任せて」」
「頼む。シズク、アリス」
「行くわよ?」
「ええ」
二人は呼吸を合わせた。
細剣限界突破剣技 《フリューゲル・ストリーム》
「嫌だぁアアアアア!!!!」
「きゃああああああ!!!!」
合計四十連撃にも及ぶ刺突が、バルバとバベルを殺した。
二人は強制ログアウト。
戻った瞬間逮捕されることだろう。
「終わったな」
「ええ」
「うん」
「アルタイル」
ギルガメッシュに向き直る。
「最後に話がある」
「…………分かった」
次回、最終回。




