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ニューワールド・ファンタズム  作者: 乙川せつ
第一部-ニューワールド編

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72/212

黒き剣士の闘気

俺は竜を討伐した後、都市に来ていた。


商業都市 《ユーロシオ》


ここに入ってすぐだった。


「アルタイル=アリエルだな」

「?」


俺に声をかけたのは白いマントの騎士。


「…………勇者教か?」

「分かっているのなら話が早い。さあ、我らの末席に加わるのだ」

「あのなぁ、アリアスと話がついてるはずだぞ。協力はするが入団はしない。そう聞いていないか?」

「ああ、聞いている」


………何こいつ。


「だがそれはアリアス様が貴様に譲歩して提示したものだろう?だがここで貴様を叩き潰せば、それも無駄になる」


………何言ってんだこいつ。

頭イかれてんのか?なんでそうなるんだよ。


奴は黄金の髪をなびかせながら言った。


「さあ、決闘を始めよう」


この展開、前にもあったなー


俺はYES/NOボタンを見ずに選択し、ベールリオンを収納。そして神威を腰に装備した。


「ふん、やる気のようだな………後悔するなよ、黒き剣士!」

「!?」


何故知っている。

俺の情報は秘匿されて………いや、セナとシズクか………。


黒き剣士と決闘というワードに周囲の目が集まる。


「おいおい………黒き剣士だって!?」

「ウソだろ本物!?」


周囲の人からすれば、黒き剣士というのは英雄だ。

俺からすれば、不完全な人間だ。


デュエルコールでアルタイルVSレイトと表示される。


男は両手剣を抜剣する。

俺も神威を抜刀。


「黒き剣士と騎士の決闘、見物だぜ」

「こんな戦いが街中で――」


Lady―――――――――――――――Fight!


「ちぇりゃああああ!!!!!!」


裂ぱくの声と共に襲い掛かるのは両手剣。

これはもう、殺意の類だ。

手加減無用というやつだな。


「せいっ!!!!!!」


正中線で構えていた神威で両手剣を受け止める。


旦那様マスター完全切断アトミックスラッシュの起動を進言するよ》

(分かった)


神威に完全切断を付与。

そして、俺は深呼吸で精神を落ち着かせた。


「ふーっ………はーっ…………」


仮想体アバターの神経を完全に把握。


(初めてだな………闘気を、全開にするのは)


「…………気絶するなよ?」

「何を………!」

「―――――ッ………!」


内側から、自身の存在を爆発させる。

そして俺自身で、世界を覆う。


その時、HF内の一部を除く多くのプレイヤーと、全NPCが委縮した。


「なんだ………何なんだ、お前は………!」

「黒き剣士だ」


瞬間解放の最大でも、闘気の全てを放出することはできない。

保有量を、放出量が超過しているのだ。

何故これのほど闘気が増えたのかは分からない。

ギルガメッシュと俺の闘気を合わせてもこれ程増えるはずがない。


しかし、それで充分だ。

瞬間最大出力の全てを神威の刀身に宿らせる。

そして「英雄之聖火」を薄く展開。

小さな火花を纏いながら、俺は納刀する。


「ひっ………」


騎士は怯えて一歩下がる。

――――だが、そこも危険領域だぞ。


「―――――――――――――〝王牙天翔オウガテンショウ〟」


闘気で伸びた刀身が騎士の首を刎ねる。


WIENER Altair!


静まった広場の真ん中で、キン、と納刀の音だけが高らかに鳴った。





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