我、世界を創りし者。剣をもって天の怒りを打ちのめさん。
ブリタニア王国・国防機構大隊准将。北部第一戦団総隊長。
エイル=ローグ
過去、最悪の作戦と呼ばれた《666号作戦》で《アウェイキング》を起動した。
彼が搭乗した戦闘機 《セルウス》のあらゆるデータを基に彼専用として開発された機体。
新旧連結式熱核融合炉を使用することでセルウスの一番の問題であった四時間のみの活動限界を撤廃し、新武装の導入も実現できた。
元はエイルが搭乗していたセルウスPS-62-75号機をチューンナップした《アウェイキングセルウス》が素体となっている。
アウェイキングセルウスは神速級のスピードを発揮できるが、各駆動系にかかる負担が大きく、連続戦闘に対応できないとして、更なる改造を行った。
新素材、《魔鋼崩物質》を使用することで速度をそのままに連続使用期間が大幅に拡張。
(魔鋼崩物質は劣化とともにプラズマを放射し、周囲に漂うエーテルと電力を吸収し、自己保管程度の再生を可能にするという性質を持つ)
しかし、短時間でも一般パイロットでは操作が辛かったが、長時間駆動を求められるこの機体は、結果的に量産計画を廃止。エイル=ローグ専用機、一機のみが建設された。
(エイルはどうしてるかなー)
こうでも考えていなければ気がおかしくなりそうだ。
何故なら、初めて会った同世代の女子が、家事をしてくれているからだ。
「出来たわよ」
「…………ワカリマシタ」
料理を担当してくれたシズクが、玉子焼き定食を机に並べる。
三人分。
洗濯担当のセナが、ベランダから入ってくる。
「雫、すいませんね。ご飯をつくってもらって」
「いえ」
「アノ、ナンデコウナッタ?」
カタコトで問うと、
「セナさんの情報網、舐めない方がいいわよ」
「具体的なことは聞かない方がよろしいかと」
「ハイっ」
怖っ…………―――
「それじゃあ、どうしてこうなった?」
「あの時のお礼です」
「お礼?」
「犯罪者クランから助けていただいた時の」
「ああ、あれね…………じゃあ騎士さんは?」
「私はあの大英雄の素顔を見に来ただけよ。まあ、あんまりあの時と変わっていないようだけれど」
「うぐっ、けどそれを言ったら二人だってまったく一緒じゃないか」
「確かに私は名前も一致しているしね」
「どんな確率だよ…………⁉」
そんなことあり得るのか…………。
「今日来たのは、お願いがあったのよ」
「?」
「私たちのギルドに入ってほしいの」
「…………はぁ?」
「理由は、私たちがゲームクリアを目指しているからです」
「!」
いや、当然か。
攻略組、というやつなのだろう。
NFの迷宮組のような感じか。
「私たちは最強のギルドと言われているけど、ライバルがいるのよ」
「ライバル」
「…………ブリタニアというギルド」
「⁉」
「偶然かもしれないけれど、貴方が討伐した女神の支配領域が、ブリタニア王国だったわよね?そのギルドマスターも、エイルと名乗っているの」
エイル―――⁉
間違いない、エイル=ローグだ。
「…………それで、どうしろと?」
「ギルド同士の抗争阻止、といった感じね」
「阻止、だけか?」
「許されるのでしたら、我がギルドに―――」
「それは断る」
「でしょう?ですので、こう頼んでいるわけです」
「…………どちらかにつくことはないと思うが、何故俺に頼む?」
「最強のプレイヤーだから」
「ですね」
「…………そうかい…………いいだろう。その依頼、受けたわまった」
「ありがとう」
「ありがとうございます!」
「さ、帰ってくれ。アリスが帰ってきたら…………」
「あら?ずっと後ろにいるわよ?」
「え?」
――――うわあああああ!??
「アル…………どういうことかな?…………かな?」
「いえっ、決して俺から招いたわけではなくて、いきなり家に来たと言うか!」
「ふーん…………貴女たち、アルは渡しませんからね」
「…………戸籍がない人よりよっぽどお嫁としてやれると思うけど?」
「同意見です」
「うぐっ…………アルぅ!」
「はいっ!」
「アルは誰がいいの⁉」
―――――どうしてこうなるんだぁああああああ!!!!!!
ヒロインがたくさん出てくるのは気にしないでください。




