英雄王、再び。二つの風刃
(注)今回登場する真名解放というのは、《先天的》に温存している真相解放とは違い、《後天的》に封じた武器の力を指します。
「さあ、行くぞ贋作」
英雄王はニヤリと笑い、神威を召喚する。
「飛天」
刀身に飛天を無数に纏う。
水色の斬撃が帯のように宙を舞っている。
合計弾数は16発。
「永久之神」
神威の真名解放。
今までの神威は、名を封じた状態だったのだ。
そして永久之神は、クリムゾン・エアが長い年月で世界に鍛え上げられた姿だ。
神一人より世界全ての方が情報量、権限は上。
それを受け続けた武装は、《神域級》を超えた、《超越級》となった。
「永久之神よ、初披露にしては良い相手だ。神の贋作を打ちのめすぞ」
「…………気配が変わった…………加減出来なさそう…………ね!」
シズクはその剣を振るう。
その刃からは空間を消す風の刃が。
「ふん」
ギルガメッシュは冷静に防ぎ切った。
同質の、遥か上の刃で。
「風刃起動、解、七連光鏡」
七つの斬撃が、様々な方向からシズクに迫る。
通常の七連光鏡が、一方向を狙って放たれる闘気の同時七連撃なのに対し、『解、七連光鏡』は、世界の空間を裂く修正の風刃が檻のように囲う。
一点突破。
波動砲をその点に直撃させることで檻を打ち破った。
「私だって、負けられないのよ…………!」
騎士は、最強でなければならない。
負けてはならない。
「…………ッ、」
シズクは世界を駆け回る。
その血の世界を天女のように舞った。
「風刃起動、導閃之光」
一本の風刃が、天を走るシズクを追尾した。
「――――…………はぁああああああああああ!!!!!!」
速度×重さ×繊細さ×攻撃の方向=技の強さ
速度で上回るシズクの風刃が、ギルガメッシュの風刃を相殺した。
「ほう、やるではないか。ならばオレも少しばかり本気を出そう」
永久之神の風刃が、刀身に収められ、エネルギーが狂ったスピードで膨れ上がる。
(やられる…………!)
シズクも風刃を刃に宿し、天に掲げた。
『神は語る。天は紅く地は黒く。創生の一夜は命の育たぬ地獄と。地獄と地獄を裂くその大地を打ち破るため、この刃を振るう。世を鬼が蔓延る獄に!』
シズクが絶望の詠唱なら、
『理は語る。地は碧く天は蒼く。創生の夜明けは産声の祭り時と。天と地を別つその差を打ち砕く。全ての意志を同じ高さに。その為にこの一撃を放つ。神が答えぬならば人が、草が、花が、獣が答えよ。明日を希望に導く全ての心よ!』
ギルガメッシュは希望の詠唱を。
『…………っ、飢えの先にある世界 (デウス・エンリル)!』
『《天と空の熾王星》 (ビルガメス・アヌ)!』
指向性を持った世界の断層。
それが小さな風をかき消し、シズクとセナを飲み込んだ。
「何なのよ、貴方――………………」
意識がある内に呟いたシズクの言葉に、英雄王が答えた。
「なに、ただの英雄だ」
シズクとセナは笑い
「何よ、それ…………」
「何ですか、それ…………」
と言った。
「…………あれ?…………ギルガメッシュ―!」
意識の戻った俺は、ギルガメッシュに怒った。
◇◇◇
「…………あれは怖かったわ…………」
「ええ…………そうですねシズク…………」
「そこまで…………」
アルタイルを恐れる者が、また多く増えた。
やっとここまで終わったー!
因みに決闘中のアリスは、《アルタイル絶対殺すモード》に入っていました♪




